十干と十二支はそれぞれ何を担うのか
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「えと」の読みを手がかりに十干の五行と陰陽を整理し、十二支が担う月と時刻、六十干支が60通りになる理由を確かめます。

十干は五行と陰陽、十二支はそれに月と時刻が加わります。奇偶をそろえて組むので、干支は120ではなく60通りです。
先に読む
「えと」という言葉に答えがある
日本語で干支を「えと」と読むのは、十干を兄(え)と弟(と)に分けて呼んだ名残です。甲は「きのえ(木の兄)」、乙は「きのと(木の弟)」というように、兄が陽、弟が陰に当たります。つまり十干の名前そのものに、五行と陰陽という二つの情報が入っています。
命式の各柱は、上に天干、下に地支が並びます。天干は表に見えている層です。地支は五行を持つだけでなく、季節(月)と一日の時間帯(時)を表し、内部に蔵干を含みます。『三命通會』「論支干源流」は干を木の幹、支を枝にたとえています。名称の由来を説く比喩で、ここでは上下二層を覚える助けとして紹介します。
十干:五行×陰陽の十マス
十干に1から10の番号を振ると、奇数が陽、偶数が陰になり、隣り合う二干が同じ五行に属します。甲(きのえ)・乙(きのと)は木、丙・丁は火、戊・己は土、庚・辛は金、壬・癸は水です。五行五つに陽と陰が一つずつで、ちょうど十になります。
五行どうしの相生・相剋は別の話題なので、五行の相生と相剋を参照してください。ここで押さえるのは各干の五行と陰陽だけです。天干は命式の中で「透干」として語られる層で、地支の蔵干とどう対応するかは通根・透干・得令で扱っています。本稿では蔵干表には立ち入りません。
十二支:五行に加えて「いつ」を表す
十二支も1から12に番号を振ります。六十干支を組む順番の上では、奇数の子・寅・辰・午・申・戌が陽、偶数の丑・卯・巳・未・酉・亥が陰です。なお子・午・巳・亥については「体と用」で陰陽を逆に扱う説もあり、参照する本の立場を確認しておくと混乱を避けられます。五行は寅卯が木、巳午が火、申酉が金、亥子が水で、辰・未・戌・丑の四支は土として各季節の終わりの月に置かれます。
月の目盛りとしては、一般的な子平法で節入りを境にします。立春で寅月、啓蟄で卯月が始まり、小寒で丑月に入るまで続きます。旧暦の一日を使わない理由は節気と月柱で説明しました。時の目盛りとしては、一日を二時間ずつ十二に分け、子の刻が23時から1時、丑の刻が1時から3時、最後の亥の刻が21時から23時です。子の刻は午前0時をまたぐため、23時以降の出生を当日とするか翌日とするかは流派で扱いが分かれます。使うソフトの設定と、時刻が現地標準時か真太陽時補正後かを先に確かめてください。
BaZiFlowによる学習用の対照図。一般的な子平法の口径で、個人の命盤ではありません。
組み合わせが120ではなく60になる理由
十干と十二支を自由に組めば10×12=120通りです。しかし年・月・日・時の干支は、両方の番号を同時に一つずつ進めて作ります。甲子の次は乙丑、その次は丙寅です。出発点の甲(1)と子(1)がどちらも奇数なので、奇偶はいつまでもそろったまま。陽干は陽支とだけ、陰干は陰支とだけ組みます。陽干5×陽支6=30、陰干5×陰支6=30で計60。60は10と12の最小公倍数でもあります。
練習:出生データなしで成立を判定する
- 「甲丑」:甲は1番で陽、丑は2番で陰。奇偶が合わないので六十干支には現れません。
- 「乙丑」:乙は2番、丑も2番で、ともに陰。六十干支の二番目として成立します。
- 自分で試す:「戊辰」と「己辰」。戊は5番、辰も5番で成立。己は6番なので不成立です。
成立するかどうかは吉凶とは無関係です。判定は柱の位置と番号で行い、文章の中に「辰」の字が見えたからといって命式の地支だと決めつけないことが大切です。
まとめ:二つのカードの役割
天干のカードには五行と陰陽、地支のカードには五行・陰陽に加えて月または時刻が書かれ、地支の中には蔵干が入っています。二枚は奇偶をそろえて同時に進み、六十の組になります。干支の動物(十二支の生まれ年)は年支に付いた呼び名で、年の境を立春とするか旧正月とするかは別の口径の問題として本稿では扱いません。各支の伝統的なイメージは旧シリーズの十二支で読めますが、それは文化的な象徴であり、実証された性格予測ではありません。
この記事を含む学習ルート
四柱推命:四柱から時間の層へ · 公開中の 2 ステップのうち 2

