否卦:閉塞とその終わり
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否は下が坤、上が乾で、陰爻三本の上に陽爻三本が重なります。卦辞「大が去り小が来る」、大象「徳を引き締めて難を避ける」、爻辞の「包み奉る」「恥を包む」「否を休める」「否を傾ける」を読みます。
要点を先に約6分で読めます
否は天を上、地を下に置き、原文はそれを「交わらない」と言います。六つの爻辞には動詞の線が通っていて、「包む」に始まり、「休める」を経て、「傾ける」に着く。閉塞はまず包まれ、次に止められ、最後にひっくり返されます。
- 否は乾(天)の下に坤(地)を置く。彖伝は天地が交わらず万物が通じないと言い、内と外を、内は陰で外は陽、内は柔で外は剛、内は小人で外は君子と並べる。
- 大象の主語は君子で、行いは「徳を引き締めて難を避け、俸禄で栄えることはしない」。徳を引き締めて災いから離れること。
- 「包」の字は六二・六三に出て、九五は「苞」と書く。九四は「命あり」、九五は「否を休める」、上九は「否を傾ける」で、結びは「まず否、のち喜ぶ」。

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天が上、地が下:なぜ「交わらない」と言うのか
否は、下に坤(地)、上に乾(天)を置いた卦で、読み方は「坤下乾上」。陰爻三本が下に、陽爻三本が上に。天は高く、地は低く、それぞれの端にいます。原文はこの並びを「交わらない」と呼びます。
否と泰:天が上で地が下なら否、天が下で地が上なら泰で、二つの卦は互いの錯卦です。
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否を読む前に三つの語
- 否
- 卦名で、ここでは「ひ」と読み、ふさがって通じないこと。彖伝は「天地が交わらず万物が通じない」と解く。
- 匪人
- 卦辞の二字で、字面は「そこにあるべき人でない」。比の六三にも「寄り添う相手がふさわしい人ではない」という句が出る。
- 内と外
- 下卦が内卦、上卦が外卦。否では泰とちょうど入れ替わり、内は陰、外は陽になる。
卦辞:ふさわしくない人による否、君子には利がない
否の卦辞は「否は、ふさわしくない人によるもの。君子が正しさを守るのには利がない。大きいものが去り、小さいものが来る」。最後の句は泰と一語だけ入れ替わります。泰は小が去り大が来る、否は大が去り小が来る。彖伝はまず結果を二つの文で並べ、どちらにも「交わらない」が一度ずつ使われます。
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そのあと彖伝は内と外を並べます。「内は陰で外は陽、内は柔で外は剛、内は小人で外は君子。小人の道は伸び、君子の道は消える」。君子が外卦、小人が内卦にいて、この三対は卦辞の「君子が正しさを守るのには利がない」と並べて読めます。
大象:君子は徳を引き締めて難を避ける
否の大象は「天地が交わらないのが否。君子はこれにならい、徳を引き締めて災いを避け、俸禄で栄えることはしない」。象の前半は卦の姿を描き、後半で行いを言います。その主語は君子で、行いは二句です。「徳を引き締めて災いを避ける」と「俸禄で栄えることはしない」。後の句は、俸禄を栄誉とは取らない、という意味です。
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泰の大象では、君主が裁き成す、助ける、導くという三つの外向きのことをしました。否の君子がするのは、引き締めること。一方は外へ、一方は内へ向かいます。
六つの爻:包む、休める、傾ける
否の六つの爻辞には一本の線が通っていて、それは「包」から始まります。六二は「包み奉る」、六三は「恥を包む」、九五は「桑の群れの根に繋ぐ」(原文は苞桑)。そのあとに九四の「命あり」、九五の「否を休める」、上九の「否を傾ける」が続きます。
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初六の書き出しは泰の初九と同じ「茅を群れごと抜く」で、後半が違います。泰は「進めば吉」、否は「正しさを守れば吉、うまく通じる」。小象は一方が「志が外にある」、もう一方が「志は君にある」と言います。
六二は「包み奉り、小人は吉、大人は行き詰まるが、うまく通じる」。包み奉るとは物を包んで恭しく捧げること。小人は吉を得、大人は閉塞に遭いながらも通じ、小象は「群れを乱さない」と評します。六三はたった二字、「恥を包む」。小象は「位が当たらない」と言い、陰爻が第三位に立っています。
九四は「命がある。咎めはない。同類が福に連なる」。最後の句は、同類の者がともに福に付くと解されることが多く、小象の評は「志が行われる」です。
否の隣の卦:泰と漸
否の隣の卦を探すなら、まず泰からです。どの線も反対にすれば泰、図全体を逆さにしても泰になります。互卦は漸で、下が艮、上が巽。中の四本から新しく作った上下の卦です。
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物は通じ続けることはできない。だから否が続く。
否が泰のあとに来る理由は、一つだけ書かれています。物は終わりまで通じ続けられない。続けて、同じ型の文で先へ進みます。物は閉じ続けることもできない、だから同人。この型は二度出て、一度は通じることから否へ、もう一度は否から同人へ向かいます。上九に付く小象も似たことを言います。否が終われば傾く。
読んだあとの疑問
この卦の「否」はなぜ「ひ」と読むのですか。
この卦の否は「ひ」と読み、ふさがって通じない意味です。ふつうの漢文の「否(いな)」は打ち消しの意味で、別の使い方です。卦名を「ひ」と読むのは『周易』を読むときの慣例です。
六二の「小人は吉、大人は行き詰まるがうまく通じる」は、人を裁いているのですか。
二つの立場の様子を書いたものです。小人は吉を得、大人は閉塞に遭いながらも通じる。後半に付く小象の評は「群れを乱さない」。古い文章が二つの状況を分けたもので、現実の人の種類を判定する言葉ではありません。
「亡びそうだ、亡びそうだと言って、桑の群れの根に繋ぐ」とはどういう意味ですか。
前半は「亡びそうだ、亡びそうだ」と自分に繰り返す戒め、後半は桑の群れの根に身を繋いで安定を求めると読むのが一般的です。小象はこの爻の位置だけを評して「位が正しく当たっている」と言います。
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