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YJ-010 / 易経

乾坤を並べて読む

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乾坤を一層ずつ並べて読む

乾と坤の頁の卦辞・爻辞・彖伝・象伝・文言伝を層ごとに並べ、初と上の二つの位置で各層の言葉を比べます。後世の疏と注は最後に見て、人格のラベルは貼りません。

要点を先に約9分で読めます

乾と坤の頁には同じ層の文が並んでいます。経と、その後ろの三つの伝です。同じ層を横に並べて読み、後世の解釈は最後に足します。

  • 二つの頁は同じ構成です。卦辞が一つ、爻辞が六つ、用九か用六が一つで、そのあとに三つの伝が続くため、どの層にも向かい合う相手があります。
  • ひとつの爻辞は、伝のなかで何か所も、違う言葉で解釈されることがあります。乾の初九は文言伝だけで四か所に出てくるので、一文で「伝はこう言う」とは言えません。
  • 「健」「順承」「柔」などの語は、出てきた層の言葉です。並べる前に出どころを記し、卦や人のラベルにはしません。
18秒で確認:並べて読む順序、二つの爻の解釈、そして比べる前の三つの問い。

先に読む

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

爻位:初から上までの六つの位と、九・六の名づけを読む ↗

十翼を読む:彖・象・繋辞は何を見るか ↗

先に層を分けてから、並べる

乾と坤の頁には、同じ層の文が並んでいます。経と、その後ろに続く彖伝・象伝・文言伝です。並べて読むとは、二つの頁の同じ層を向かい合わせにして、一層ずつ見ていくことです。

乾と坤を二列に並べた図。初と上の爻辞、彖伝、象伝、文言伝から一文ずつ取り、乾が左、坤が右。元の図を開いて拡大する

乾坤の経伝対照:各層から一文だけ取った図で、原文と出典は本文にあります。言葉の比較であり、性格の比較ではありません。

二つの頁の構成は同じです。経には卦辞が一つ、爻辞が六つ、そのあとに乾は「用九」、坤は「用六」が一つ加わり、続いて彖伝・象伝・文言伝の三つの部分があります。中国語版ウィキソースでは、ほかの卦の頁に文言伝の部分はありません(経と伝:本文と解釈を参照)。そのためこの二つは、四つの層をそろえて並べられます。

乾 · 乾が下、乾が上123456乾乾坤 · 坤が下、坤が上123456坤坤
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乾 · 乾が下、乾が上123456乾乾坤 · 坤が下、坤が上123456坤坤

並べて読む三つの手順

手順1

経を並べる

まだ伝は開かず、二つの頁の爻辞を位置でそろえます。

手順2

伝を並べる

一つの部分ずつ、卦全体に付くのか一本の爻に付くのかを確かめます。

手順3

後世の解釈は最後に

疏や注は最後に読み、誰の言葉か、伝のどの文に付くかを記します。

経を並べる:二つの卦辞と、六組の爻辞

まだどの伝も開きません(卦辞と爻辞がそれぞれ何に向かうかは卦辞と爻辞)。乾の卦辞は原文でわずか四字(元亨利貞)で、「元いに亨る、貞しきに利ろし」と読みます。坤の卦辞はもっと長く、冒頭の「元いに亨る」だけが同じです。

二つの卦辞

乾 · 卦辞

元いに亨る、貞しきに利ろし。

原文は元亨利貞の四字で、短い二句に読みます。

坤 · 卦辞

元いに亨る。牝馬の貞に利ろし。

「貞しきに利ろし」が「牝馬の貞に利ろし」に変わります。続きは、君子、往く攸有り。先んずれば迷い、後るれば主を得。西南には朋を得、東北には朋を喪う。貞に安んずれば吉。

次に爻辞を位置でそろえます(位の呼び名は爻位:初と上、二と五)。乾の初九には坤の初六、上九には上六、最後に用九には用六が向かい合います。

位置でそろえた爻辞

初
乾:潜竜、用うる勿れ。坤:霜を履む。堅冰至る。
二
乾:見竜、田に在り。大人を見るに利ろし。坤:直・方・大。習わざれども利ろしからざる无し。
三
乾:君子、終日乾乾し、夕べに惕若たり。厲うけれども咎无し。坤:章を含む。貞なるべし。或いは王事に従う。成すこと无くして終わり有り。
四
乾:或いは躍りて淵に在り。咎无し。坤:嚢を括る。咎无く誉れ无し。
五
乾:飛竜、天に在り。大人を見るに利ろし。坤:黄裳。元いに吉。
上
乾:亢竜、悔い有り。坤:竜、野に戦う。その血は玄黄。
用九 / 用六
乾:群竜、首无きを見る。吉。坤:永き貞に利ろし。

そろえたあとで、爻辞に「竜」の字があるかどうかで、十四の爻辞を分け直せます。

爻辞に「竜」がある六つ乾 初九乾 九二乾 九五乾 上九乾 用九坤 上六「竜」がない八つ乾 九三乾 九四坤 初六坤 六二坤 六三坤 六四坤 六五坤 用六乾は五つに竜が出る。坤は最上の一つだけ
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爻辞に「竜」がある六つ乾 初九乾 九二乾 九五乾 上九乾 用九坤 上六「竜」がない八つ乾 九三乾 九四坤 初六坤 六二坤 六三坤 六四坤 六五坤 用六乾は五つに竜が出る。坤は最上の一つだけ

ここまでは原文を行に並べただけで、同じ位置の二つの言葉がどう応じ合うかは、経には書かれていません。

伝を並べる:三つの伝が経のどこに付くか

三つの伝は経の後ろにあり、それぞれ経の別の箇所に付いています。一つの部分ずつ比べ、卦全体か、一本の爻か、一つの語かをまず確かめます。

乾 · 彖伝大いなるかな乾元万物、資りて始まる乃ち天を統ぶ坤 · 彖伝至れるかな坤元万物、資りて生ず乃ち順いて天を承く二つの彖伝の初めの三句は、句の形が一つずつ対応する
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乾 · 彖伝大いなるかな乾元万物、資りて始まる乃ち天を統ぶ坤 · 彖伝至れるかな坤元万物、資りて生ず乃ち順いて天を承く二つの彖伝の初めの三句は、句の形が一つずつ対応する

「大いなるかな乾元」と「至れるかな坤元」、「万物、資りて始まる」と「万物、資りて生ず」、「乃ち天を統ぶ」と「乃ち順いて天を承く」が向かい合い、違いは「始」と「生」、「統」と「順承」の数語に出ます。

象伝の最初の一句

乾 · 象伝

天行は健なり。君子は以て自ら彊めて息まず。

まず「天」を言い、「君子は以て……」が続きます。

坤 · 象伝

地勢は坤なり。君子は以て徳を厚くして物を載す。

まず「地」を言い、同じ形の「君子は以て……」が続きます。

この一句は卦全体に向かい、そのあと爻ごとに一文ずつ続きます。形は二つの頁で同じで、「君子は以て」の前に象、後ろにその象にならう君子の行いが書かれます。文言伝は、どちらの頁にも一つずつあります。

よく取り出される語と、それがある層

健
乾の象伝「天行は健なり」。乾の文言伝「剛健中正」。
順 / 天を承く
坤の彖伝「乃ち順いて天を承く」。坤の文言伝「坤の道は其れ順なるか」と「天を承けて時に行く」は別々の句です。
牝馬
坤の卦辞「牝馬の貞に利ろし」は経にあります。坤の彖伝「牝馬は地の類、地を行くこと疆り无し」は、伝自身の言い方です。

二つの位置を重ねて読む:初と上

いちばん下の「初」と、いちばん上の「上」を並べます。経、象伝、文言伝の順に置き、各層が何と言うかを見ます。

乾 · 初九潜竜経陽、下に在り象伝陽気潜蔵文言伝坤 · 初六霜を履む経陰始めて凝る象伝漸く来たる文言伝各位置につき、各層から一文ずつ
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乾 · 初九潜竜経陽、下に在り象伝陽気潜蔵文言伝坤 · 初六霜を履む経陰始めて凝る象伝漸く来たる文言伝各位置につき、各層から一文ずつ

乾の初九は、伝のなかで何か所も解釈されます。象伝は「陽、下に在るなり」。文言伝は四か所で取り上げ、竜の徳をもちながら隠れている者の段落、「下なり」と「陽気潜蔵」の二つの短い句、「潜とは、隠れてまだ現れないこと」と説く段落です。言葉は順に「隠れる者」「下」「陽気」「君子」と違います。

坤の初六は、象伝が霜と氷について述べます。文言伝は次のように続けます。

善を積む家には、必ず余りの慶びがあり、善でないことを積む家には、必ず余りの災いがある。……その由って来るところは漸であり、早く見分けなかったことによる。『易』に「霜を履む、堅冰至る」とあるのは、おそらく順うことを言ったものだ。

『文言伝』坤文言(中国語版ウィキソース、坤の頁)。訳。省略した部分は人事の例

象伝が述べるのは霜と氷の順序だけで、文言伝はそこから「漸」と「早く見分けない」へ進みます。同じ経でも、二つの層の落としどころは違います。

次はいちばん上の位置です。

層\位置乾 · 上九坤 · 上六経亢竜、悔い有り竜、野に戦う象伝盈ちて久しかるべからずその道窮まる文言伝進むを知り退くを知らず故に竜と称し、血と称す文言伝の行は、長い段落から取った要の句
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層\位置乾 · 上九坤 · 上六経亢竜、悔い有り竜、野に戦う象伝盈ちて久しかるべからずその道窮まる文言伝進むを知り退くを知らず故に竜と称し、血と称す文言伝の行は、長い段落から取った要の句

「亢」とは、進むことは知っていても退くことを知らず、存することは知っていても亡ぶことを知らず、得ることは知っていても失うことを知らない、という言葉である。……

『文言伝』乾文言(中国語版ウィキソース、乾の頁)。訳

陰が陽を疑えば、必ず戦う。陽がないかのように見えるので、「竜」と称する。まだその類を離れていないので、「血」と称する。玄黄とは、天地の入り混じったものである。天は玄く、地は黄色い。

『文言伝』坤文言(中国語版ウィキソース、坤の頁)。訳

乾の上九の文言伝は「亢」という字の意味を説き、坤の上六の文言伝は爻辞の語を一つずつ取り上げます。戦、竜、血、玄黄です。「故に竜と称す」は、経で坤の上六に出る「竜」に応える句で、この呼応は二つの頁を並べて初めて見えます。「窮」の字も各頁に一度ずつ出ますが、坤上六の象伝「その道窮まる」と乾の文言伝「窮まるの災いなり」で、同じ句ではありません。

後世の解釈は最後に:疏と注

後世の解釈は最後に置きます。使うのは『周易正義』の孔穎達の疏と旧注で、疏は旧注を「輔嗣の注」と書きます(輔嗣は王弼の字)。どれも、誰の言葉で伝のどの文に付くかを先に記します。

後世:疏と注孔穎達の疏 · 旧注(輔嗣の注)伝彖伝 · 象伝 · 文言伝経卦辞 · 爻辞下から上へ読む:経、伝、そして後世
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後世:疏と注孔穎達の疏 · 旧注(輔嗣の注)伝彖伝 · 象伝 · 文言伝経卦辞 · 爻辞下から上へ読む:経、伝、そして後世

一つ目の例では、疏自身が乾と坤を並べています。乾の彖伝は「資りて始まる」、坤の彖伝は「資りて生ず」と言い、疏はこう分けます。

「乾」はもともと気の始まりなので「資りて始まる」と言い、「坤」は成った形に拠るので「資りて生ず」と言う。

孔穎達『周易正義』、坤の彖伝の疏(中国語版ウィキソース)。訳

「気の始まり」「成った形」は疏の言葉で、彖伝自身は「始」と「生」とだけ書いています。

二つ目の例では、旧注が乾坤の最後の経を並べて読みます。

……剛健でありながら人の首に居れば、物は味方しない。柔順でありながら正しくなければ、へつらいの道である。だから乾の吉は「首无き」にあり、坤の利は「永き貞」にある。

旧注、乾の用九(中国語版ウィキソース『周易正義』乾の頁)。訳

「剛健」「柔順」は注の言葉で、二つの頁の経にあるのは「群竜、首无きを見る。吉」と「永き貞に利ろし」だけです。

三つ目の例では、同じ文言伝の一句に、後世の読みが分かれます。

「その血は玄黄」:文言伝と、後世の二つの読み

文言伝

玄黄とは天地の雑なり

玄黄は天地の入り混じったもので、天は玄く地は黄色いと言います。

荘氏(疏の引用)

血に天地の色がある

「上六の爻は、天地の雑気を併せ持つ。だから上六が傷つくと、その血は玄黄になる」。

旧注と疏

なお陽と戦って傷つけ合う

旧注は「なお陽と戦って傷つけ合う。だから血と称する」と言い、疏は「荘氏の言は、王弼の本意ではあるまい。いま採らない」と書きます。

後世はこの一句をすでに二通りに読み、疏は一方を採っています。これらは伝を読む助けで、経や伝の一部ではありません。

  1. 経か伝か

    意味の前に、その文がどの部分にあるかで層を決めます。

  2. 同じ層で何と言うか

    二つの頁の同じ層の文を並べ、書かれている字だけを比べます。

  3. この語はどの層か

    「順承」「剛健」のような語は、経・伝・注のどこにあるかを先に探します。

読んだあとの疑問

乾坤を並べて読むとき、どの文を読みますか。

卦辞、六つの爻辞、用九と用六に、それぞれの頁の彖伝・象伝・文言伝を加えます。後世の疏や注は別の層として、最後に見ます。

坤の「順承」は、女性や部下に従順さを求める言葉ですか。

女性や部下に従順を求める文は、これらの頁にありません。「順いて天を承く」は、彖伝で「坤元」について言う句です。ただし坤の文言伝は六三の解釈で「地の道なり、妻の道なり、臣の道なり」と、坤の位置を妻や臣と並べます。これは文言伝自身の類比で、その層の言葉として読み、いまの人への要求に読み替えてはいけません。文言伝の冒頭には「至柔にして動くや剛」ともあり、柔と剛が同じ句に並びます。

後世の注が伝と食い違うときは、どちらに従いますか。

まず伝そのものが何と書いているかを見て、次に注が何を言い、誰の言葉かを確かめます。後世どうしも一致しません。孔穎達の疏には、引かれた荘氏の読みを採らないと書いた箇所があります。出典を付けて並べ、読者の代わりに選ぶことはしません。

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資料・出典

  1. 维基文库《周易·乾》(易经、彖曰、象曰、文言曰各块的原文与排列) ↗
  2. 维基文库《周易·坤》(易经、彖曰、象曰、文言曰各块的原文与排列) ↗
  3. 维基文库《周易正义》乾卦(用九旧注) ↗
  4. 维基文库《周易正义》坤卦(彖传疏“资始/资生”;文言“其血玄黄”旧注与疏) ↗

続けて読む

十翼を読む:彖・象・繋辞は何を見るか ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

爻位:初から上までの六つの位と、九・六の名づけを読む ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗