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HEX-048 / 共通の方法

井卦:井戸の底から口まで読む

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井卦:一つの井戸を、底から読む

井は六十四卦の第四十八卦で、上が坎、下が巽、木の上に水がある形です。卦辞の「邑を改めても井は改めない」、彖伝の「井は養って尽きない」、泥・漏れ・浚え・石積み・冷たい泉・覆わない井戸口へと続く六つの爻辞から読みます。

要点を先に約6分で読めます

井の六つの爻辞は、一つの井戸の深さの順に並んでいます。いちばん下は泥、上へ漏れ、浚え、石積み、冷たい泉、そして最上は水を汲んで井戸口を覆わない。

  • 井は坎(水)の下に巽(木)を重ねた卦。説卦伝で巽は木であり「まっすぐな縄」でもあり、彖伝は木が水に入って水を引き上げると言う。
  • 卦辞の前半は変わらないもの(邑を改めても井は改めない、失うことも得ることもない)、後半は最後の一歩の失敗(あと少しで縄が井に届かず、甕を割る)。
  • 六つの爻辞は井戸の底から口へ。泥・漏れ・浚え・石積み・冷たい泉・覆わない。初六と九三は「飲まれない」と言い、泥のため、浚えたのに、と理由が違う。
18秒で、木の上に水がある井卦と、井戸の底から口までの四つの姿(泥・浚え・石積み・冷たい泉)、読む前の三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

木の上に水:上が坎、下が巽

井は、水の坎が上、木の巽が下に重なった卦です。下から見ると、陰・陽・陽・陰・陽・陰。説卦伝は巽に、木のほか「まっすぐな縄」の象も与えています。縄が垂れて桶が水に沈み、水が汲み上げられる。木の上に水が乗る形は、そのまま井戸の姿です。

井:下から陰・陽・陽・陰・陽・陰、下卦は巽(風・木)、上卦は坎(水)で、水が木の上にある。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

井:下卦の巽は木、上卦の坎は水。下から数える六本の爻は、井戸の底から口までの六つの位置でもあります。

上卦:坎陰・陽・陰、水下卦:巽下が陰、上に陽二本、木、縄、入る
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上卦:坎陰・陽・陰、水下卦:巽下が陰、上に陽二本、木、縄、入る
上が坎、下が巽。水が木の上にあり、巽は木であり、まっすぐ垂れる縄でもある。

井にある三つの語

井
彖伝の総評は「井は養って尽きない」。人を養い、汲んでも汲み尽くせない。
縄
水を汲む縄。「あと少しで縄が井に届かない」は、あと少しのところまで来たのに、縄がまだ井に下りていないこと。
甕を割る
甕は水を汲む素焼きの器。割る意の字は、伝統的には「こわす」と読まれます。水を汲む甕を割るので凶、という句です。

卦辞と彖伝:井は動かず、凶は最後の一歩にある

井の卦辞は二つの部分に分かれます。前半は「邑を改めても井は改めない。失うことも得ることもない。人は行き来して、みな井を井として用いる」。後半は「あと少しで縄が井に届かず、甕を割る。凶」。

木が水に入って水を引き上げる。それが井。井は養って尽きない。「邑を改めても井は改めない」とは、剛が中にあるからである。「あと少しで縄が井に届かない」とは、まだ功がないこと。「甕を割る」とは、だから凶ということである。

彖伝・井(訳)
変わらないもの邑を改め井は改めず剛が中にある失わず得ず増えも減りもしない行き来する養って尽きない最後の一歩の失敗縄が届かないまだ功がない甕を割るだから凶
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変わらないもの邑を改め井は改めず剛が中にある失わず得ず増えも減りもしない行き来する養って尽きない最後の一歩の失敗縄が届かないまだ功がない甕を割るだから凶
卦辞の前半は変わらないもの、後半は最後の一歩の失敗:縄がまだ井に届かないか、甕を割るか。

彖伝はまず、井とは何かを言います。木が水に入って、水を引き上げる。伝統的には、下卦の木を水を汲む道具と読むのが一般的です。「養って尽きない」は、人を養い、汲み尽くせないこと。「邑を改めても井は改めない」は、町は動かせても井は動かせないということで、彖伝は理由を「剛が中にある」、つまり中の陽爻に置きます。

後半は卦で唯一の凶です。井はいつもそこにあり、水もいつもある。失敗するのは最後の一歩です。あと少しで縄がまだ下りていない、あるいは甕を割る。彖伝はどちらにも短い評を一つずつ付けます。「まだ功がない」「だから凶」。卦辞でうまくいかないのは井そのものではなく、水を汲む最後の一歩です。

大象:木の上に水、民の労をいたわり助け合いを促す

井の大象は、木の上に水がある形から入り、民の労をいたわり、助け合いを促す行いで結ばれます。

象:木の上に水坎が上:水巽が下:木、縄、水を引き上げる君子は:二つの行い民の労をいたわる助け合いを促す
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象:木の上に水坎が上:水巽が下:木、縄、水を引き上げる君子は:二つの行い民の労をいたわる助け合いを促す
井の大象:水が木に引き上げられ、人々が取れるようになる。君子はそこから、民の労をいたわり、助け合いを促す。

「民の労をいたわる」の動詞は、伝統的には「慰める、励ます」と読まれ、後の句は互いに助け合うよう促すことです。文全体が「民」に落ちます。大象の二つの行いは、どちらも民に向けたもので、まず労をいたわり、それから助け合いを促す。井が皆の水であることと並べて読めます。

六つの爻:泥から井戸口まで

六つの爻辞は、井戸の深さの順に並びます。初六がいちばん底、上六が井戸口です。

上六:井戸の口汲んで蓋をしない九五:泉冷たく澄む、飲める六四:井壁石で積む九三:浚えた清いが飲む人なし九二:井の窪み小魚、漏れる甕初六:泥の底泥の井、古い井
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上六:井戸の口汲んで蓋をしない九五:泉冷たく澄む、飲める六四:井壁石で積む九三:浚えた清いが飲む人なし九二:井の窪み小魚、漏れる甕初六:泥の底泥の井、古い井
井の六つの爻辞を上から順に並べる:井戸の口、泉、井壁、浚えた井、窪み、泥の底。

初六は「井は泥で飲まれず、古い井には鳥も来ない」。底は泥で飲めず、古い井には鳥さえ寄りつきません。小象は「底にある」、そして「時に見捨てられた」。

九二は「井の窪みで水は小魚に注ぐだけ、甕は破れて漏れる」。井の底の水は細く、小魚に足りる程度で、汲む甕も破れています。「注ぐ」にあたる字は読みが割れるため、大意だけを取っておきます。小象は「味方がいない」。

九三は「井は浚えられたのに飲まれず、わが心は痛む。汲むことはできる。王が明らかであれば、ともに福を受ける」。浚えるとは、泥をさらうこと。井戸はきれいになったのに誰も飲みにこない。「わが心は痛む」は、この卦で「わたし」が出てくる唯一の箇所です。続けて、汲めるのだから、王が明らかなら皆で福を受けられる、と言います。小象は「明らかな王を求めて、福を受ける」。

初六と九三は、どちらも「飲まれない」と言い、間にある字が一つだけ違います。初六は「井が泥」で、泥が積もったまま。九三は「井が浚えられ」、もうきれいになっています。どちらも飲む人がいないのですが、一方は井が使えず、もう一方は井が使えるのに使われません。小象の評も違い、初六は「底にある」、九三は「進んでも痛む」です。

六四は「井は石で積まれ、咎なし」。石や煉瓦で井壁を積むこと。壁が崩れなければ過ちはありません。小象は「井を修める」。

九五は「井は澄んで、冷たい泉の水を飲む」。水は澄んで冷たく、口に入るのは湧き水です。小象は「中正である」。

上六は「井から汲んで、覆わない。誠があって大吉」。水を汲み上げ、井戸口を覆わない。「汲む」にあたる字は、伝統的には「取り上げる」と読まれます。誠があって、大吉。小象は「元吉が上にある、大いなる成就」。井戸口が開いたままである、それがこの卦の終わりです。

困・噬嗑・睽:隣の卦と序卦

井の綜卦は困です。井を上下逆にすると困になります。錯卦は噬嗑で、井の陽爻が陰爻に、陰爻が陽爻に入れ替わったもの。互卦は睽で、井の中ほどの四本には兌(沢)と離(火)が入っていて、沢の上に火が乗る形です。

綜卦:困123456錯卦:噬嗑123456
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綜卦:困123456錯卦:噬嗑123456
井の綜卦の困と錯卦の噬嗑を並べる:困は井を逆さにしたもの、噬嗑は井の陰と陽が全部反転したもの。

序卦伝で井が困のあとに来るのは、上で追い詰められたものが下へ戻るからです。その先は革で、序卦伝の説明では、井の働きにも改める必要があるから、次に革が来ます。井の中にも、すでに手入れのことが出てきます。九三の「浚え」と六四の「石積み」は、どちらも古い井を直すことで、序卦伝のこの説明と並べて読めます。

読んだあとの疑問

井卦は、井戸の掘り方や治水の話ですか。

原文は井を借りて語ります。爻辞の井は、泥の底、漏れ、浚えられた姿、石積み、澄んだ冷水と、一つの井戸のいくつもの状態を見せます。彖伝の総評は「養って尽きない」で、作り方を述べた一句はありません。

「邑を改めても井は改めない」とはどういう意味ですか。

字面は、町は移せるが井は移せない。彖伝は理由を「剛が中にある」ことに置きます。卦のなかほどの陽爻です。続く「失うことも得ることもない、人が行き来する」は、井そのものが増えも減りもせず、人が行き来することを言います。

「井から汲んで覆わない」は、井戸を覆うなという意味ですか。

字面は、水を汲み上げて井戸口を覆わない。「誠があって大吉」と続き、小象はこの爻を「大いなる成就」と評します。卦の最後の爻で、井戸口が開いたままの爻はこれだけです。

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資料・出典

  1. 周易·井(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):巽为木、为绳直,坎为水 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

困卦:水のない沢、「切り株に困じる」から「葛に困じる」まで ↗

革卦:沢の中に火、「黄牛の革」から「虎変」「豹変」まで ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗