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HEX-007 / 共通の方法

師卦:一陽が衆を率いる六つの位置

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師卦:一陽が衆を率いる

師は六十四卦の七番目で、下が坎、上が坤。陽爻は二番目の一本だけで、五本の陰爻が「衆」にあたります。卦辞「貞しい丈人は吉」、大象「民を受け入れ、衆を養う」、そして軍中の規律・主帥・輿尸・左次・長子と弟子・大君の命を書く六つの爻辞を読みます。

要点を先に約6分で読めます

師卦の六本の線のうち、陽爻は二番目の九二ただ一本で、五本の陰爻が「衆」です。六つの爻辞は「誰がこの隊を率いるか」をめぐって進みます。規律、主帥、輿尸、左次、長子と弟子、大君と小人。

  • 師の陽爻は九二の一本だけで、あとの五本は陰爻。『彖伝』『序卦伝』『説卦伝』の坤は、どれも同じ一字に行き着く。衆。
  • 『彖伝』は卦辞「貞しい丈人は吉」を「衆を率いて正しければ王となれる」へつなぎ、「険のなかを行きながら従順である」と言う。大象は「地の中に水がある……民を受け入れ、衆を養う」。
  • 六つの爻辞は軍中の六つの位置。規律・師中・輿尸・左次・長子と弟子・大君と小人。「輿尸」は六三と六五に一度ずつ出る。
18秒で、師の唯一の陽爻を見つけ、軍中の四つの位置を一列に並べ、師を読む三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

五つの陰に一つの陽:九二と、率いられる「衆」

師には陽爻が一本しかなく、残りの五本は切れた陰爻です。下から初六、九二、六三、六四、六五、上六。唯一の陽爻は二番目の九二。下卦は坎、上卦は坤です(二つの卦の取象は八卦に)。

師とその錯卦の同人:左は師で、下卦は坎(水)、上卦は坤(地)、六本のうち陽爻は二番目だけ。右は各爻の陰陽を入れ替えた同人。元の図を開いて拡大する

師と錯卦の同人:錯卦は六本すべての陰陽を入れ替えたものです。

卦名は一字で、三か所の文がそれを同じ一字で説明します。『彖伝』は「師は衆(大勢)」。『序卦伝』は「師とは衆のこと」。『説卦伝』が坤に挙げる取象にも「衆」があります。

一陽:九二唯一の陽爻下卦の中の位置彖伝:剛が中に五陰:衆残りの五本の陰爻彖伝:師は衆説卦:坤は衆
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一陽:九二唯一の陽爻下卦の中の位置彖伝:剛が中に五陰:衆残りの五本の陰爻彖伝:師は衆説卦:坤は衆
師の一陽と五陰:九二は唯一の陽爻で下卦の中にあり、残りの五本の陰爻が衆。『彖伝』『序卦伝』『説卦伝』はどれも「衆」の字に行き着く。

一本の陽爻が五本の陰爻を率える、というのがこの卦の基本の形です。中にある一つの剛が、柔の群れに向き合う。上卦の坤は『説卦伝』で「順」ですから、この群れにちょうど合います。

卦辞と彖伝:貞しい丈人は吉、険のなかを行きながら従順である

師の卦辞は短く、「貞しい丈人は吉、咎めなし」だけです。貞は正しさを守ること、丈人は年長で敬われる人。『彖伝』は丈人を一字ずつは説明しませんが、続く一連の言葉でこの卦辞を説いています。

師は衆のこと。貞は正しいこと。衆を率いて正しければ、王となれる。剛が中にあって応じられ、険のなかを行きながら従順である。これによって天下を苦しめても、民はこれに従う。吉であり、何の咎があろうか。

『彖伝』師(訳)
貞しい丈人卦辞彖伝は続けて剛が中で応ず九二が中にあるかつ険で従順坎は険、坤は順だから民が従う何の咎か
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貞しい丈人卦辞彖伝は続けて剛が中で応ず九二が中にあるかつ険で従順坎は険、坤は順だから民が従う何の咎か
『彖伝』による師の卦辞の展開:貞しい丈人、剛が中にあって応じ、険のなかを行きながら従順で、民が従う。

『彖伝』はまず「貞」を「正」と説明し、続いて「衆を率いて正しければ王となれる」と言います。衆を率いて正しくあれる人は、王にもなれるということです。次の二句は図形に対応します。「剛が中にあって応じる」の剛は九二、中は下卦の中の位置、応じるは、伝統的には九二と六五の呼応を指します(爻どうしの呼応は爻位に)。「険のなかを行きながら従順である」の険は下卦の坎、順は上卦の坤です。

最後は「これによって天下を苦しめても、民はこれに従う」。「苦しめる」と訳した字は字面では「毒」で、ここでの読みは伝統的にも一つではないので、文だけを引いておきます。全体は「吉であり、何の咎があろうか」で結ばれます。

地の中の水:民を受け入れ、衆を養う

師の「象」は、水が地の中にある図で、上卦の坤(地)と下卦の坎(水)に対応します。

地の中に水があるのが師。君子はこれにならい、民を受け入れ、衆を養う。

大象・師(訳)

君子が引き出す行いは「民を受け入れ、衆を養う」。原文の字は「容」と「畜」で、容は受け容れること、畜は養い育てること。人をその内に受け入れ、衆を養います。

上:地(坤)順、そして衆下:水(坎)険、地の内にある
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上:地(坤)順、そして衆下:水(坎)険、地の内にある
師の大象:地が上、水が下、水は地の中にある。

大象の「衆」は、『彖伝』『序卦伝』と同じ字です。『彖伝』は衆を連れて事を行う話(「これによって天下を苦しめる」)、大象は、まず衆を受け入れて養う話です。並べて読むと、一方は衆を外へ向けて使い、もう一方は衆を内で育てています。

誰が率いるか:規律・主帥・輿尸・左次・長子・大君

師の六つの爻辞には、どれにも軍中の役割か動作が出てきます。規律、主帥、輿尸、左次、長子と弟子、大君と小人。

爻位軍中のこと爻辞小象初六出陣の規律規律で出陣規律を失えば凶九二軍中の主帥軍の中に吉天の寵愛を受ける六三輿尸屍を車に載せる大いに功なし六四左次左に陣を構える常を失わず六五長子と弟子田に獲物あり中の行い・任不当上六大君の命大君が命を下す功を正す
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爻位軍中のこと爻辞小象初六出陣の規律規律で出陣規律を失えば凶九二軍中の主帥軍の中に吉天の寵愛を受ける六三輿尸屍を車に載せる大いに功なし六四左次左に陣を構える常を失わず六五長子と弟子田に獲物あり中の行い・任不当上六大君の命大君が命を下す功を正す
師の爻辞と小象の対照:規律・主帥・輿尸・左次・長子と弟子・大君の命。

初六は「軍が出るには規律による。そうでなければ凶」。「否臧」は伝統的には「よくない」と読まれます。小象は全体を一言にまとめます。「規律を失えば凶である」。

九二は「軍の中にいて吉、咎めなし。王は三度、命を賜う」。主帥は軍の中にいて、王が三度命令を与えます。小象は二つ評します。「天の寵愛を受ける」「万国の心を寄せさせる」。この卦で唯一の陽爻で、いちばんすんなりと読める爻でもあります。

六三は「軍はあるいは車に屍を載せる。凶」。輿は車で、「輿尸」は車に屍を載せると一般に読まれます。小象は「大いに功がない」と言います。

六四は「軍は左に陣を構える。咎めなし」。次は陣を構えて留まること、「左次」は伝統的には退いて陣を張ることと読まれ、咎めなしです。小象は「常を失っていない」と評します。

六五は「田に獲物がいる。言い分を持つのがよく、咎めなし」。「言い分を持つ」は、正当な申し立てがあると一般に読まれます。続いて対になった一組。「長子が軍を率い、弟子たちは車に屍を載せる。貞しくとも凶」。小象は二つを分けて評します。「長子が軍を率いる」は「中を得た行い」、「弟子が屍を載せる」は「任じた人が適当でない」。

上六は「大君が命を下し、国を開き家を継がせる。小人は用いてはならない」。小象は「功を正しく定めること」「小人を用いれば必ず国を乱す」と言います。

「輿尸」は六三と六五に一度ずつ出て、どちらも凶、しかし小象が挙げる理由は違います。一方は「大いに功がない」、もう一方は「任じた人が適当でない」です。

師と比:一本の陽爻が二番目から五番目へ

師を上下逆にすると比になり、これが師の綜卦です。師のただ一本の陽爻は二番目にあり、逆にするとそれが五番目に来ます。比も一陽五陰で、陽爻は九五。『序卦伝』は三つの卦をつなぎます。訴えのなかで人が集まって師になり、衆が集まれば寄り添う先が必要で、それが比です。

師123456綜卦:比123456
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師123456綜卦:比123456
師とその綜卦の比を並べる:どちらも一陽五陰で、陽爻は二番目から五番目へ移る。

師の錯卦は同人、互卦は復です。

読んだあとの疑問

「師」は、なぜ軍隊であり「衆」でもあるのですか。

卦名は一字で、『彖伝』がすぐ「師は衆(大勢)」と説明します。『序卦伝』も「師とは衆のこと」と言い、『説卦伝』が坤に挙げる取象にも「衆」があります。爻辞に「師が出る」「師を率いる」とあるので、この「衆」は、出陣する隊を指します。

「弟子が車に屍を載せる」と「軍はあるいは車に屍を載せる」は、同じことですか。

二か所とも「輿尸」を含み、どちらも凶で終わります。六三の小象は「大いに功がない」と評し、六五は「長子が師を率いる」と「弟子が屍を載せる」を分けて、前者を「中の行いによる」、後者を「任じた人が不適当」と評します。二つが同じ出来事かどうかは、原文に書かれていません。

卦辞の「丈人」は誰ですか。

丈人は字面では、年長で敬われる男性です。卦辞は「貞しい丈人は吉、咎めなし」と言うだけで、その人の軍中での立場は述べていません。『彖伝』も丈人を一字ずつ説明せず、「衆を率いて正しければ王となれる」と言うだけです。

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資料・出典

  1. 周易·師(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):坤、顺也;坤为众 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

訟卦:卦辞は「終わり」を見、大象は「始め」を見る、六つの爻辞の収まり方 ↗

比卦:陰五本に陽一本、「誰に」「どこから」寄り添うかを読む ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗