晋卦:地の上に明るさ、三度の引見
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晋は六十四卦の第三十五卦で、上が離(火、日)、下が坤(地)、地の上に明るさが出ます。卦辞の賜りものと「昼のうちに三度」、大象の「自ら徳を輝かせる」、六つの爻辞に現れる味の違う「進んで」から、前進の書かれ方を読みます。
要点を先に約6分で読めます
晋は「進む」ですが、原文は順風を書きません。初六は挫かれ、六二は憂え、九四は大ネズミのようです。一日に三度引見されるのは、卦辞の中の諸侯だけです。
- 晋は離(火、日)の下に坤(地)を重ねた卦。彖伝は「明るさが地の上に出て、従順に大いなる明るさに寄り添い、柔らかいものが進んで上へ行く」と言い、雑卦伝は晋を「昼」の一字で言う。
- 卦辞は賜りものと引見を描くが、大象は光を自分に返す。自ら明らかな徳を輝かせる。一方の光は外から、もう一方の光は内から来る。
- 「進んで」は初六・六二・九四に出て、後ろには挫かれる・憂える・大ネズミが続く。唯一「守っても危うい」と言う九四は第五位のすぐ隣にあり、小象は「位が適さない」と評す。

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地の上に明るさ:離が上、坤が下
晋は、離が上、坤が下の卦です。説卦伝は離に「寄り添う」の一字を与え、さらに離は明るさで、万物がたがいに見え合うところだと言います。坤は「従順」で、象は地。離が上、坤が下で、光が地面から昇ってきます。
晋と綜卦の明夷:綜卦は全体を上下逆にしたもので、晋で上にある離は、明夷では下に来ます。
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晋の三つのキーワード
- 晋
- 彖伝は冒頭に「晋とは進むことだ」と置く。雑卦伝は別の字で言い表し、「昼」。合わせると、昼のうちに進むこと。
- 明
- 説卦伝が離に与える字で、万物がそこで「たがいに見え合う」と言う。晋の象は「明るさが地の上に出る」。
- 麗
- 寄り添うこと。彖伝は「従順で大いなる明るさに寄り添う」と言い、坤の従順さが大きな明るさに付き従う。
卦辞と彖伝:賜りものと、一日の三度の引見
晋の卦辞は一言の断定ではなく、一つの場面です。
康侯は、馬を多く賜り、昼のうちに三度、引見される。
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「賜る」は「与える」を表す字の別形で、「たくさん」は、数が多く盛んなこと。「接」は引見、つまり目通りを許すことなので、最後の句は、昼間のうちに諸侯が三度引見される、という意味です。彖伝は二つの半分を「だから」でつなぎます。明るさが地の上に出て、従順に大いなる明るさに寄り添い、柔らかいものが上へ進むから、康侯は賜りものを受け、三度引見される。
「柔らかいものが進んで上へ行く」は、伝統的には卦の形で次のように対応させます。上卦の離は陽・陰・陽で、真ん中の陰爻がちょうど第五位に座っています。柔らかい爻が第五位に上がった。これを彖伝の言う、上へ進む柔らかいものと読めます。
大象:「自ら徳を輝かせる」、光は自分から
晋の大象は、卦辞の賜りものを別の向きに回します。
明るさが地の上に出る、これが晋。君子はこれにならい、自ら明らかな徳を輝かせる。
「自ら」が鍵で、「輝かせる」は明るくすること、「明らかな徳」は光を放つ徳のことです。君子の行いは、自分の徳に自分で光を当てることです。
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卦辞の諸侯は賜られ、引見される側でした。大象は「自ら」と言います。誰かが照らしてくれるのを待たず、自分で光を出す。並べて読むと、晋は二種類の光を書いています。次の卦、明夷の大象は光の別の使い方を示し、それは次の一篇で読みます。
六つの爻辞:三つの「進んで」、三つの味
六つの爻辞のうち三つは「進んで」で始まり、そのあとの語がそれぞれ違います。
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初六の「進んでは挫かれる」は、進んで押し戻されること。「守って吉」で、さらに「信頼されなくても、ゆったりしていれば咎めはない」と続きます。小象は、ひとり正しく行くからだと言い、まだ任を受けていないとも言います。六二の「進んでは憂える」にも同じ「守って吉」が付き、続いて「この大きな福を、その王母から受ける」とあります。王母は、伝統的には祖母と読むのが一般的です。小象の理由は「中正であるから」。六二は陰爻で、第二位(陰の位)にあり、下卦の中ほどに位置します。
六三の「皆が認める」には、小象が「志は上へ向かう」と言います。この爻は坤のいちばん上で、その上に離があります。九四の「大ネズミのように進む」は危うく、大ネズミは大型の鼠のことです。名の表記が異なる本もあります。小象は位が適さないと評します。九四は陽爻なのに第四位に座り、そこは陰の位です。第五位のすぐ隣にいながら、語られるのは「守っても危うい」です。
六五は「悔いは消える。失うことも得ることも気に病むな」(「失う」の部分の字が違う本もあります)、「進んで吉、利しからざるはない」。小象は「進んで祝いごとがある」と言います。上九の「角にまで進む」は、いちばん先端まで進むことで、ただ邑を討つのにふさわしいだけです。「危ういが吉、咎めはない」と言いつつ、「守れば行き詰まる」とも言います。小象の評は「道がまだ明るくない」。
明夷・需・蹇:晋の隣の卦と、前後の二つの卦
晋を上下逆にすると明夷になります。だから晋の綜卦は明夷です(上の図)。錯卦は需、互卦は蹇で、晋の第二から第四の爻は陰・陰・陽(艮)、第三から第五の爻は陰・陽・陰(坎)、重ねると下が艮、上が坎になります。
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序卦伝は晋を大壮の次に置きます。壮んさは最後まで続かないので、先へ進むしかなく、それが晋です。晋の次は明夷で、進む者はどこかで傷つくものだから、という理由で、明夷の名の「夷」は傷を意味します。こうして見ると、晋は二つの卦に挟まれています。前の卦は壮んさの限度を語り、後の卦は光が押さえつけられることを語ります。
読んだあとの疑問
晋卦は、前進は必ずうまくいくという意味ですか。
原文はそうは書きません。爻辞には挫折・憂い・信頼されないこと・「危うい」があり、よい結果が書かれるところにも、守れば吉というように条件が先に置かれているものがあります。
「昼のうちに三度引見される」とはどういう意味ですか。
卦辞の一句で、一日の昼間に、諸侯が三度引見されることです。雑卦伝も、晋を「昼」の字で言い表します。
晋と明夷はどういう関係ですか。
互いに綜卦です。晋を逆さにすると明夷になり、離は上卦から下卦へ下り、坤は下卦から上卦へ上がります。一方は光が地の上に出る姿、もう一方は光が地の中に入る姿です。
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