知識ライブラリー
HEX-035 / 共通の方法

晋卦:地の上に明るさ、三度の引見

コンテンツ版 · · 資料・出典

晋卦:日の出の前進

晋は六十四卦の第三十五卦で、上が離(火、日)、下が坤(地)、地の上に明るさが出ます。卦辞の賜りものと「昼のうちに三度」、大象の「自ら徳を輝かせる」、六つの爻辞に現れる味の違う「進んで」から、前進の書かれ方を読みます。

要点を先に約6分で読めます

晋は「進む」ですが、原文は順風を書きません。初六は挫かれ、六二は憂え、九四は大ネズミのようです。一日に三度引見されるのは、卦辞の中の諸侯だけです。

  • 晋は離(火、日)の下に坤(地)を重ねた卦。彖伝は「明るさが地の上に出て、従順に大いなる明るさに寄り添い、柔らかいものが進んで上へ行く」と言い、雑卦伝は晋を「昼」の一字で言う。
  • 卦辞は賜りものと引見を描くが、大象は光を自分に返す。自ら明らかな徳を輝かせる。一方の光は外から、もう一方の光は内から来る。
  • 「進んで」は初六・六二・九四に出て、後ろには挫かれる・憂える・大ネズミが続く。唯一「守っても危うい」と言う九四は第五位のすぐ隣にあり、小象は「位が適さない」と評す。
18秒で、晋の坤の上の離、三つの「進んで」の後に続く語、読む前の三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

地の上に明るさ:離が上、坤が下

晋は、離が上、坤が下の卦です。説卦伝は離に「寄り添う」の一字を与え、さらに離は明るさで、万物がたがいに見え合うところだと言います。坤は「従順」で、象は地。離が上、坤が下で、光が地面から昇ってきます。

晋とその綜卦の明夷を並べる:左は晋で、下の三本が陰爻、上は陽・陰・陽、下卦は坤(地)、上卦は離(火、日)。右は明夷で、晋を上下逆にしたもの、下卦は離、上卦は坤。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

晋と綜卦の明夷:綜卦は全体を上下逆にしたもので、晋で上にある離は、明夷では下に来ます。

上卦:離二つの陽のあいだに陰、火、日、明るさ下卦:坤陰爻三本、地、従順
図を拡大 · 横にスクロールして読む
上卦:離二つの陽のあいだに陰、火、日、明るさ下卦:坤陰爻三本、地、従順
晋は二層:上が離(火、日)、下が坤(地)。いちばん下の三本の陰爻は坤に属する。

晋の三つのキーワード

晋
彖伝は冒頭に「晋とは進むことだ」と置く。雑卦伝は別の字で言い表し、「昼」。合わせると、昼のうちに進むこと。
明
説卦伝が離に与える字で、万物がそこで「たがいに見え合う」と言う。晋の象は「明るさが地の上に出る」。
麗
寄り添うこと。彖伝は「従順で大いなる明るさに寄り添う」と言い、坤の従順さが大きな明るさに付き従う。

卦辞と彖伝:賜りものと、一日の三度の引見

晋の卦辞は一言の断定ではなく、一つの場面です。

康侯は、馬を多く賜り、昼のうちに三度、引見される。

卦辞・晋(訳)
卦辞の三つの場面康侯一人の諸侯馬を多く賜るたくさんの馬昼に三度引見される彖伝の三句明るさが出る地の上に従順に寄り添う大いなる明るさに柔が上へ行く陰爻が進む
図を拡大 · 横にスクロールして読む
卦辞の三つの場面康侯一人の諸侯馬を多く賜るたくさんの馬昼に三度引見される彖伝の三句明るさが出る地の上に従順に寄り添う大いなる明るさに柔が上へ行く陰爻が進む
卦辞は諸侯が賜りものを受け引見される場面を描き、彖伝は、明るさが地の上に出て、従順に大いなる明るさに寄り添い、柔らかいものが上へ進むことで説明する。

「賜る」は「与える」を表す字の別形で、「たくさん」は、数が多く盛んなこと。「接」は引見、つまり目通りを許すことなので、最後の句は、昼間のうちに諸侯が三度引見される、という意味です。彖伝は二つの半分を「だから」でつなぎます。明るさが地の上に出て、従順に大いなる明るさに寄り添い、柔らかいものが上へ進むから、康侯は賜りものを受け、三度引見される。

「柔らかいものが進んで上へ行く」は、伝統的には卦の形で次のように対応させます。上卦の離は陽・陰・陽で、真ん中の陰爻がちょうど第五位に座っています。柔らかい爻が第五位に上がった。これを彖伝の言う、上へ進む柔らかいものと読めます。

大象:「自ら徳を輝かせる」、光は自分から

晋の大象は、卦辞の賜りものを別の向きに回します。

明るさが地の上に出る、これが晋。君子はこれにならい、自ら明らかな徳を輝かせる。

象伝・晋(訳)

「自ら」が鍵で、「輝かせる」は明るくすること、「明らかな徳」は光を放つ徳のことです。君子の行いは、自分の徳に自分で光を当てることです。

卦辞:光は外から馬を多く賜る一日に三度の引見大象:光は自分から自ら:自分で徳を輝かせる
図を拡大 · 横にスクロールして読む
卦辞:光は外から馬を多く賜る一日に三度の引見大象:光は自分から自ら:自分で徳を輝かせる
卦辞の光は賜りものと引見という外からのもの。大象の光は、君子が自分の徳を明るくするもの。

卦辞の諸侯は賜られ、引見される側でした。大象は「自ら」と言います。誰かが照らしてくれるのを待たず、自分で光を出す。並べて読むと、晋は二種類の光を書いています。次の卦、明夷の大象は光の別の使い方を示し、それは次の一篇で読みます。

六つの爻辞:三つの「進んで」、三つの味

六つの爻辞のうち三つは「進んで」で始まり、そのあとの語がそれぞれ違います。

爻位爻辞小象初六進んでは挫かれる、守って吉ひとり正しく行く六二進んでは憂える、守って吉中正だから六三皆が認める、悔いは消える志は上へ向かう九四大ネズミのように進む位が適さない六五失得を気に病むな進んで祝いごとがある上九角にまで進む道がまだ明るくない
図を拡大 · 横にスクロールして読む
爻位爻辞小象初六進んでは挫かれる、守って吉ひとり正しく行く六二進んでは憂える、守って吉中正だから六三皆が認める、悔いは消える志は上へ向かう九四大ネズミのように進む位が適さない六五失得を気に病むな進んで祝いごとがある上九角にまで進む道がまだ明るくない
晋の六つの爻辞と小象:初六と六二の「進んで」の後は「守って吉」、九四の「進んで」の後は「危うい」。

初六の「進んでは挫かれる」は、進んで押し戻されること。「守って吉」で、さらに「信頼されなくても、ゆったりしていれば咎めはない」と続きます。小象は、ひとり正しく行くからだと言い、まだ任を受けていないとも言います。六二の「進んでは憂える」にも同じ「守って吉」が付き、続いて「この大きな福を、その王母から受ける」とあります。王母は、伝統的には祖母と読むのが一般的です。小象の理由は「中正であるから」。六二は陰爻で、第二位(陰の位)にあり、下卦の中ほどに位置します。

六三の「皆が認める」には、小象が「志は上へ向かう」と言います。この爻は坤のいちばん上で、その上に離があります。九四の「大ネズミのように進む」は危うく、大ネズミは大型の鼠のことです。名の表記が異なる本もあります。小象は位が適さないと評します。九四は陽爻なのに第四位に座り、そこは陰の位です。第五位のすぐ隣にいながら、語られるのは「守っても危うい」です。

六五は「悔いは消える。失うことも得ることも気に病むな」(「失う」の部分の字が違う本もあります)、「進んで吉、利しからざるはない」。小象は「進んで祝いごとがある」と言います。上九の「角にまで進む」は、いちばん先端まで進むことで、ただ邑を討つのにふさわしいだけです。「危ういが吉、咎めはない」と言いつつ、「守れば行き詰まる」とも言います。小象の評は「道がまだ明るくない」。

明夷・需・蹇:晋の隣の卦と、前後の二つの卦

晋を上下逆にすると明夷になります。だから晋の綜卦は明夷です(上の図)。錯卦は需、互卦は蹇で、晋の第二から第四の爻は陰・陰・陽(艮)、第三から第五の爻は陰・陽・陰(坎)、重ねると下が艮、上が坎になります。

錯卦:需123456互卦:蹇123456
図を拡大 · 横にスクロールして読む
錯卦:需123456互卦:蹇123456
晋の錯卦の需と互卦の蹇を並べる:需は晋の全爻を陰陽反転させたもの、蹇は晋の内側の爻から組んだもの。

序卦伝は晋を大壮の次に置きます。壮んさは最後まで続かないので、先へ進むしかなく、それが晋です。晋の次は明夷で、進む者はどこかで傷つくものだから、という理由で、明夷の名の「夷」は傷を意味します。こうして見ると、晋は二つの卦に挟まれています。前の卦は壮んさの限度を語り、後の卦は光が押さえつけられることを語ります。

読んだあとの疑問

晋卦は、前進は必ずうまくいくという意味ですか。

原文はそうは書きません。爻辞には挫折・憂い・信頼されないこと・「危うい」があり、よい結果が書かれるところにも、守れば吉というように条件が先に置かれているものがあります。

「昼のうちに三度引見される」とはどういう意味ですか。

卦辞の一句で、一日の昼間に、諸侯が三度引見されることです。雑卦伝も、晋を「昼」の字で言い表します。

晋と明夷はどういう関係ですか。

互いに綜卦です。晋を逆さにすると明夷になり、離は上卦から下卦へ下り、坤は下卦から上卦へ上がります。一方は光が地の上に出る姿、もう一方は光が地の中に入る姿です。

この記事は役に立ちましたか?

資料・出典

  1. 周易·晉(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):离、明也;坤、顺也 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗
  4. 杂卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

大壮卦:天に雷、「壮」はどこまでか ↗

明夷卦:明るさが地に入る、「翼を垂れる」から「のちに地に入る」まで ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗