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TA-CARD-011 / タロット

運命の輪:回るのは図像、昇るのは語義

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運命の輪:回るのは図像、昇るのは語義

運命の輪は、文字を刻んだ輪の頂にスフィンクス、四隅に四つの生き物がいる札です。ウェイトの原文から図像の解説と語義を分け、「縁と軸」の考え方で家事の当番表づくりを練習します。

要点を先に約6分で読めます

運命の輪の「回る」は、ウェイトが図像を解説する箇所にあります。彼が挙げる語義の中に、「循環」も「落ちる」もありません。

  • 図像:文字を刻んだ輪、頂のスフィンクス、蛇の姿のテュポン、四つの生き物。ウェイトは「流動する宇宙の永遠の運動」と人生の流転を表すと言い、スフィンクスはその均衡。
  • 語義は運命、幸運、成功、昇進、運、幸福。逆位置は増加、豊富、過剰。「循環」や「浮き沈み」は語義にない。
  • ウェイトは、この象徴の背後に偶然の否定があると言う。練習は家事当番づくり:縁で回るもの、軸に置く約束、均衡を保つ手立て。
18秒で、輪とまわりの姿、「回る」と「昇る」が別の所にあること、当番表の前の三つの問いの順に見ます。

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文字を刻んだ輪と、頂に剣を持つスフィンクス

ウェイトは第2部で、この象徴にも再びエリファス・レヴィの再構成に従ったと言い、レヴィはいくつかの変形を示したと述べます。エジプトの象徴を使うのは、起源についての理論を含意しない限り正当だ、と彼は続け、だからテュポンを蛇の姿で描いた、と。象徴はエジプトだけのものでもなく、エゼキエルの四つの生き物が札の四隅を占めています。レヴィにおいても、この図においても、象徴は「流動する宇宙の永遠の運動」と人生の流転を表し、スフィンクスはその中の均衡です。

運命の輪:紫の星空と雲の間に、縁に記号を刻んだ金縁の八つの輻の輪があり、頂にターバンの人物、左に蛇が垂れ、右に赤い衣のジャッカル頭の人物が立つ。三つのラベルは「輪とまわりの姿」「動きの中の安定」「軸への問い」。元の図を開いて拡大する

運命の輪の札。輪の頂に人面像、左に蛇、右にジャッカル頭。

RWS版の札に目を移すと、青空と灰色の雲の間にある、八本の輻の橙色の輪です。札の頂には数字のX。縁にはT、A、R、Oの文字が、別の文字と交互に見えます。頂には縞のずきんの、剣を持つスフィンクスが座り、輪の左に黄色い蛇が垂れ、右に赤いジャッカル頭の人物が立ちます。四隅には、本を抱えた翼のある姿が一つずつ。天使(人)、鷲、牛、獅子です。ジャッカル頭の人物は、ウェイトの文章には出てきません。

頂剣を持つスフィンクス輪文字と八本の輻まわり蛇、ジャッカル頭、四つの生き物
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頂剣を持つスフィンクス輪文字と八本の輻まわり蛇、ジャッカル頭、四つの生き物
図像の三か所:頂のスフィンクス、文字を刻んだ輪、まわりの姿。

原典の語義:昇る語ばかり、「回る」は別の所

ウェイトの語義の一覧は短く、運命、幸運、成功、昇進、運、幸福。逆位置は、増加、豊富、過剰です。

運命、幸運、成功、昇進、運、幸福。逆位置:増加、豊富、過剰。

ウェイト「運命の輪」(英文の要約訳)
位置語向き正位置運命・幸運・成功・昇進上向きと好運逆位置増加・豊富・過剰多いから溢れる不在循環・浮沈・無常語義にない
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位置語向き正位置運命・幸運・成功・昇進上向きと好運逆位置増加・豊富・過剰多いから溢れる不在循環・浮沈・無常語義にない
語義にあるものと、ないもの。すべて上向きと「多い」で、循環や浮き沈みはありません。

輪の文字、スフィンクス、四つの生き物:ウェイトの言葉

明言されているのは三点です。輪の上の文字、スフィンクス、四隅の姿です。

三つの象徴と、ウェイトの言葉

輪の文字
ウェイトは、輪にTaroの別の綴りRotaが刻まれ、神の名の文字と交互に置かれていて、「摂理がすべてを貫いている」ことを示すと言う。RWS版の札ではT、A、R、Oの文字が見える。
スフィンクス
ウェイトはこれを流転の中の「均衡」と言う。高い台座に伏せた姿で描く図は、「動きの中の安定」という根本の意味を損なう、と批判する。
四つの生き物
エゼキエルの四つの生き物が四隅を占める。ウェイトは、神の意図は輪の内側に文字で、同様の意図は輪の外側に四つの生き物で示される、と言う。
輪の内ウェイトRotaが刻まれる神の名の文字と交互輪の外ウェイト四つの生き物が四隅に輪の上と脇スフィンクス=均衡蛇=テュポン(彼の描写)
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輪の内ウェイトRotaが刻まれる神の名の文字と交互輪の外ウェイト四つの生き物が四隅に輪の上と脇スフィンクス=均衡蛇=テュポン(彼の描写)
輪の内の文字、輪の外の四つの生き物、輪の上と脇のスフィンクスと蛇に、それぞれウェイトの言葉があります。

読み方:家事の当番表を、縁と軸に分けて作る

運命の輪の構造は、縁が回り、中心が動かず、頂に均衡を保つ姿があることです。この構造を家事に当てはめます。三人でシェアして暮らし、毎週の家事を順番に担当したいとします。

  1. 縁で回るのは何か

    担当が替わる仕事を挙げます。ごみ出し、皿洗い、床の拭き掃除。一つの仕事を一行にし、毎週担当を替え、一巡すれば全員がすべてを経験します。回すのは順番で、くじ引きではありません。この象徴の背後に偶然の否定がある、というのがウェイトの言い方です。

  2. 軸に置く約束は何か

    輪には、回らない中心があります。学習の上では「一緒に回らない約束」に対応させます。当番表をどこに貼るか、毎週日曜に十分間で確認する、急にできなくなったらどう替えるか。輪が安定して回るのは、この中心があるからです。

  3. 何が均衡を保つか

    ウェイトはスフィンクスを「均衡」と書きます。学習の上では、各人の一週間の総量がほぼ同じで、誰かが多くやったときは、翌週に取り戻す手立てがある、と読みます。

例を一つ。甲、乙、丙の三人で、仕事が三つ、三週間で一巡します。

週当番第1週第2週第3週ごみ甲乙丙皿洗い乙丙甲掃除丙甲乙軸日曜確認日曜確認日曜確認
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週当番第1週第2週第3週ごみ甲乙丙皿洗い乙丙甲掃除丙甲乙軸日曜確認日曜確認日曜確認
三行は回り、一行は動きません。毎週日曜の確認が、この輪の軸です。

家事の当番表で、この札にできること

回せるもの

  • 同じ仕事が毎週交代する
  • 一巡で全員が経験する

決められないもの

  • 誰のほうが上手か
  • 皆が回したがるか

自分で決めること

  • 確認の時間とやり方
  • できない日の替え方

逆位置の「多い」と「溢れる」、そして動きと静止を語る三枚

逆位置に並ぶのは、増加、豊富、過剰。三語とも「多い」に寄り、最後の語には溢れる意味があります。「退く」「落ちる」という語は一つもありません。語義を図像と照らして気づく点で、ウェイトの説明ではありません。

動きと静止の書かれ方が違う札

隠者

前の札:止まった光

隠者は灯を高みに掲げたまま動きません。運命の輪の運動は図像の解説にあり、語義には好運に関わる語しかありません。

正義

後の札:各人の行いに応じて

ウェイトは、正義が表す道徳の原理は「各人の行いに応じて報いる」ことだと言います。運命の輪の背後には、偶然の否定と宿命の含みを書いています。どちらも秩序を語りますが、語り方が違います。

世界

語義の中に動きがある

世界の語義は、確かな成功、報いに加え、旅、道筋、移住、場所の変化。逆位置は惰性、固定、停滞、持続です。動くことと止まることの語は、この札に書かれています。

運命の輪が出る最初に回る仕事を挙げるそれから軸の約束を決める終わりに総量の均衡を見る
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運命の輪が出る最初に回る仕事を挙げるそれから軸の約束を決める終わりに総量の均衡を見る
まず回る仕事を挙げ、次に回らない約束を決め、最後に総量の均衡を確かめます。

読んだあとの疑問

運命の輪は「幸運と不運が交代する」札ですか。

ウェイトの語義は昇ることと幸運に関わる語ばかりで、「不運」「浮き沈み」はありません。図像の解説が語るのは、流動する宇宙の運動です。「良し悪しの交代」は後の読み方です。

運命の輪は「運任せ」という意味ですか。

ウェイトは、この象徴の背後に偶然の否定と、そこから来る宿命の含みがあると書きます。彼の手にかかると、さいころを振るというより、秩序ある回転に近いものです。

運命の輪の逆位置は悪い札ですか。

ウェイトの逆位置の語に災いを表すものはなく、三語とも「多い」に寄り、最後の語には溢れる意味があります。良く読むか悪く読むかは、どの語を取るかで決まります。

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資料・出典

  1. The Pictorial Key to the Tarot, Part III §3: Wheel of Fortune, divinatory meanings (Waite, 1910) ↗
  2. The Pictorial Key to the Tarot, Part II: Wheel of Fortune, card X (Waite, 1910) ↗
  3. Rider–Waite–Smith Tarot, Wheel of Fortune, drawn by Pamela Colman Smith (Wikimedia Commons) ↗

続けて読む

戦車:黒と白のスフィンクスが引く、外側で勝った人 ↗

時機と行動:動ける条件から候補を考える ↗

逆位置を「悪い意味」に固定しないために ↗