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HEX-047 / 共通の方法

困卦:六つの爻、六つの物に困じる

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困卦:どの爻も、何かに困じている

困は六十四卦の第四十七卦で、上が兌、下が坎、水が沢の下に沈んだ形です。彖伝の「剛が覆われる」と「言っても信じられない」、大象の「命を懸けて志を遂げる」、六つの爻辞で「困じる」の先にある切り株・酒食・石・金の車・赤い蔽膝・葛から読みます。

要点を先に約7分で読めます

困の六つの爻辞は、どれも「困じる」と言い、その先にくる物が違います。切り株・石・葛は粗いもの、酒食・金の車・赤い蔽膝は体面のある物です。

  • 困は兌(沢)の下に坎(水)を重ねた卦で、水が沢の下に沈むので、大象は「沢に水がない」と言う。彖伝はまず形から名を説明する。剛が覆われる。三本の陽爻がすべて陰爻に覆われている。
  • 六つの爻辞はどれも「困じる」に一つの物が続く。切り株、酒食、石、金の車、赤い蔽膝、葛。酒食・金の車・赤い蔽膝は三本の陽爻にあたり、貧しさの物ではない。
  • 彖伝は「口を重んじれば行き詰まる」で結び、上卦の兌は説卦伝で「口舌」。大象は志を遂げることを言い、小象は九四で「志は下にある」、九五で「志はまだ得られない」と言う。
18秒で、陰爻に覆われた三本の陽爻、各爻が「困じる」先、読む前の三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

水のない沢:上が兌、下が坎

困は、上が兌(沢)、下が坎(水)の卦です。沢には水があるはずなのに、水は沢の下にあります。これが大象の言う「沢に水がない」です。説卦伝は兌に「喜び」、坎に「落とし穴」の一字を与え、さらに兌は「口舌」だと言います。上は物を言い、喜ぶ口、下は穴です。爻を下から見ると、陰・陽・陰・陽・陽・陰。両端は陰爻で、三本の陽爻は、陰爻の間に挟まれるか、陰爻の下に押さえられています。

困とその綜卦の井を並べる:左は困で、下から陰・陽・陰・陽・陽・陰、下卦は坎(水)、上卦は兌(沢)、三本の陽爻はどれも陰爻に挟まれるか、陰爻の下に押さえられている。右は井で、下から陰・陽・陽・陰・陽・陰、下卦は巽(風・木)、上卦は坎(水)。井は困を上下逆にしたもの。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

困と綜卦の井:綜卦は全体を上下逆にしたもので、困で沢の下に沈んでいた水は、井では木の上に持ち上がります。

上卦:兌下に陽二本、上に陰一本、沢、喜び、口舌下卦:坎陰・陽・陰、水、落とし穴
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上卦:兌下に陽二本、上に陰一本、沢、喜び、口舌下卦:坎陰・陽・陰、水、落とし穴
上が兌、下が坎。水は沢の下に沈み、三本の陽爻はすべて陰爻に覆われている。

困を読む前の三つの語

困
彖伝が直接に説明していて、剛が覆われること。序卦伝は升のあとに置き、升って止まなければ必ず困になる、と言う。
剛が覆われる
剛は陽爻、覆うは上から隠すこと。九二は初六と六三の間に挟まれ、九四と九五は並んで上六の下にある。
困じる
六つの爻辞すべてがこの形で書かれる(初六は「尻を切り株に困じる」)。その先に来る物は毎回違う。

卦辞と彖伝:まず名を説明し、次に「言っても信じられない」へ

困の卦辞は短い四句です。亨る。正しくあれば大人は吉。咎なし。言うことあれど信じられない。彖伝は二つの端から説明します。

困とは、剛が覆われること。危うさのなかで喜ぶ。困じても居場所を失わず、それで通る。それができるのは、君子だけではないか。「正しくあれば大人は吉」とは、剛が中にあるから。「言うことあれど信じられない」とは、口を重んじれば行き詰まるということ。

彖伝・困(訳)
形から名を説明する剛が覆われる陽が陰の下に危うさと喜び坎は穴、兌は喜び卦辞の句に答える大人は吉剛が中にある信じられない口を重んじる
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形から名を説明する剛が覆われる陽が陰の下に危うさと喜び坎は穴、兌は喜び卦辞の句に答える大人は吉剛が中にある信じられない口を重んじる
彖伝はまず形から名を説明する(剛が覆われる、危うさと喜び)。続いて卦辞の二句に答える:大人が吉なのは剛が中にあるから、言葉が信じられないのは口を重んじるから。

彖伝はまず、形から名を説明します。三本の陽爻がすべて陰爻に覆われている。次に卦の性質を言います。「危うさのなかで喜ぶ」。下卦の坎が危うさ、上卦の兌が喜びで、危うさの中でも喜べるので、「困じても居場所を失わず、通る」。「それができるのは、君子だけではないか」は反語で、できるのはおそらく君子だけ、という意味です。「正しくあれば大人は吉」は、「剛が中にある」から。九二と九五が中の位にあることを指します。

最後の一句はこうです。「言うことあれど信じられない、口を重んじれば行き詰まる」。話に頼れば、道が尽きる。上卦の兌は説卦伝で「口舌」とされ、二つが合います。卦辞で唯一の留保の言葉が向かうのは、「口」です。

大象:沢に水がない、命を懸けて志を遂げる

困の大象は「沢に水がない。それが困。君子はこれにならい、命を懸けて志を遂げる」です。

象:沢に水がない兌が上:沢、水があるはず坎が下:水、沢の下に沈む君子は:二つの行い命を懸ける志を遂げる
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象:沢に水がない兌が上:沢、水があるはず坎が下:水、沢の下に沈む君子は:二つの行い命を懸ける志を遂げる
困の大象:沢に水がなく、水は下に沈む。君子はこれにならい、命を懸けて志を遂げる。

「命を懸ける」は、伝統的には「命を惜しまない」と読まれ、「遂げる」は成し遂げることです。文の向きは、境遇に押さえられても、志は果たすということ。小象にも志に触れる評が二つあります。九五の「志はまだ得られない」は、志が果たされていないこと。九四の「志は下にある」は、伝統的には、下で応じる初六へ心が向かうと読まれます。大象は志を遂げよと言い、九五の小象は志がまだ得られないと言う。この食い違いは、頭に置いて読む価値があります。

六つの爻:どの爻も何かに「困じる」

六つの爻辞のなかに、「困じる」は六回出ます。その先に来る物は、毎回違います。

爻位何に困じるか小象初六切り株に困じる暗くて明るくない九二酒食に困じる中に慶びがある六三石に困じる剛に乗っている九四金の車に困じる志は下にある九五赤い蔽膝に困じる志はまだ得られない上六葛に困じるまだ当たらない
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爻位何に困じるか小象初六切り株に困じる暗くて明るくない九二酒食に困じる中に慶びがある六三石に困じる剛に乗っている九四金の車に困じる志は下にある九五赤い蔽膝に困じる志はまだ得られない上六葛に困じるまだ当たらない
困の六つの爻辞と小象:初・三・上は切り株、石、葛に。二・四・五は酒食、金の車、赤い蔽膝に困じる。

六つの物を分けてみると、規則が見えます。陰爻の初六・六三・上六は、切り株、石、葛に困じていて、どれも粗いもの。陽爻の九二・九四・九五は、酒食、金の車、赤い蔽膝に困じていて、体面のある物。蔽膝は役人の装いの一部です。彖伝は「剛が覆われる」と言いますが、覆われているのは、まさにこの三本の陽爻です。

初六は「尻が切り株に困じ、暗い谷に入り、三年のあいだ姿が見えない」。切り株に腰かけて動けず、深い谷に入り、三年、人に会えない。小象は「暗くて明るくない」。

九二は「酒食に困じる。赤い蔽膝がちょうど来る。祭りに用いてよい。出て行けば凶、咎なし」。酒食に困じ、赤い蔽膝が来ようとしていて、祭りには向くが、出て行くのは凶。小象はそれでも「中に慶びがある」と言います。

六三は「石に困じ、いばらに寄りかかる。わが家に入っても妻に会えない。凶」。小象は前半を説明して「剛に乗っている」。六三は陰爻で、陽爻の九二の真上にあります。

九四は「ゆっくりと来て、金の車に困じる。惜しいが、終わりがある」。小象は「志は下にある」、そして「位は当たらないが、仲間がある」。

九五は「鼻と足を切られ、赤い蔽膝に困じる。やがてゆっくりと喜びがあり、祭りに用いてよい」。切るのは刑罰です。小象は「志はまだ得られない」、続いて「中を得て直いからである」。

上六は「葛に困じ、ぐらつく所にいて、『動けば悔いる』と言う。悔いがあるのだから、行けば吉」。小象は「まだ当たらない」「行けば吉」。

九四と九五には、どちらも「ゆっくり」の字があります。九四は来るのがゆっくり、九五は喜びが来るのがゆっくりです。

井・賁・家人:隣の卦と序卦

困の綜卦は井です。困を上下逆にすると、坎は逆さにしても坎のまま上へ昇り、兌は逆さになって巽となり下へ降りて、下が巽、上が坎の形になります。錯卦は賁で、困と六本すべてが陰陽反対の関係にあります。互卦は家人です。困の中ほどの四本には、離(火)と巽(風)の二つの三爻の卦が隠れていて、離の上に巽が乗る形が家人です。

錯卦:賁123456互卦:家人123456
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錯卦:賁123456互卦:家人123456
困の錯卦の賁と互卦の家人を並べる:賁は困と陰陽が全部反対、家人は下が離、上が巽。

序卦伝の並びは、升、困、井。升り続けた先が困で、上で行き詰まったものは下へ戻る、という筋道です。困の大象は「沢に水がない」で、水は下に沈みます。井の大象は水が木の上にあります。同じ水でも、一方は沢の下に落ち、もう一方は上へ引き上げられます。

読んだあとの疑問

困卦は、貧しさや不運のことですか。

原文はそれだけではありません。卦辞はまず「亨」と言い、「大人は正しくて吉、咎なし」と続きます。六つの爻辞でも、酒食・金の車・赤い蔽膝のような体面のある物が、同じ「困じる」で書かれています。足りないことより、何かに押さえられていることを言う卦と読めます。

困と坤は読みが近いのですが、どう見分けますか。

困は第四十七卦で、上が兌、下が坎、陰爻と陽爻が混じります。坤は第二卦で、六本とも陰爻。ローマ字では同じ Kun になることがあるので、原字で見分けます。困は、囲いの中に木が入った字です。

「言うことあれど信じられず」は、黙っていろということですか。

彖伝の説明は「口を重んじれば行き詰まる」。言葉に頼ると、手立てが尽きる、ということです。困の卦のなかで、言うことが信じられない状況として置かれています。説卦伝は上卦の兌に「口舌」の象を与えていて、二つが合っています。

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資料・出典

  1. 周易·困(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):兑说、坎陷、兑为口舌 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

升卦:地の中に木が育つ、升ると祭るが交互に、「闇の中で升る」まで ↗

井卦:木の上に水、「井の泥」から「井を覆わない」まで ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗