蔵干とは何か:寅の中の甲・丙・戊を読む
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四柱推命の蔵干は地支の内側に置く天干です。寅を例に、干の一覧と月内の司令表、透干の確認を分け、表の違いをそのまま誤りと決めつけない読み方を紹介します。

寅に丙が含まれていても、天干に丙があるとは限りません。内側の情報と表面の情報を分けます。
先に読む
「丙なし」というメモを、どこまで読めるでしょうか
命式の天干欄を調べて「丙なし」と書き、その後で寅の蔵干に丙を見つけたとします。前のメモは間違いでしょうか。調べた場所が天干欄なら、その記録と「寅の中に丙がある」は両立します。間違いになるのは、天干欄だけを見た観察を、命式の全層に広げたときです。
まずメモを「天干欄に丙は見られない」「寅の蔵干として丙を記録」と二行に分けてください。蔵干は地支の内側に天干を配置する伝統的な考え方で、寅の一覧には甲・丙・戊が入ります。三つの干が出てきても、柱が三本増えるわけではありません。
三つの書き込みを点検します
練習用の資料として、ある地支が寅であることだけが分かっているとします。実在の誕生日は設定しません。この資料の横に次の注記があったら、それぞれ追加で何を調べる必要があるでしょうか。
| 注記 | 確認のしかた |
|---|---|
| 寅に甲・丙・戊が含まれる | 採用する蔵干一覧と照合する |
| 丙が透干している | 実際の天干欄に対応する干があるか確認する |
| 寅月のこの日には何の気が司令する | 月支、節入りからの時点、司令の分日規則をそろえる |
第一の注記は、地支と一覧から確認できます。第二は天干欄を省略できません。第三は、寅がどの柱の地支なのかも必要です。日支の寅を見ているのに、寅月の司令日数をそのまま適用すれば、同じ文字を手掛かりに違う欄を混ぜたことになります。
BaZiFlowのオリジナル学習図です。寅の蔵干と情報の層を示し、個人の命式ではありません。
「通根している」という注記にも、参照する天干が要ります。蔵干は内側の項目を示すもの、通根は天干と根気の関係を調べるものです。ある地支に蔵干があることだけで、すべての天干がそこに通根するわけではありません。通根・透干・得令の違いでは、この参照先を分けて扱います。
手元の一覧を照合する
本稿で採る静的な一覧は次のとおりです。これは入門資料でよく用いられる対応であり、節入り後の日数や固定の配点を定める表ではありません。
| 地支 | 本稿の蔵干 | 地支 | 本稿の蔵干 |
|---|---|---|---|
| 子 | 癸 | 午 | 丁・己 |
| 丑 | 己・癸・辛 | 未 | 己・丁・乙 |
| 寅 | 甲・丙・戊 | 申 | 庚・壬・戊 |
| 卯 | 乙 | 酉 | 辛 |
| 辰 | 戊・乙・癸 | 戌 | 戊・辛・丁 |
| 巳 | 丙・戊・庚 | 亥 | 壬・甲 |
先頭の干は一般に本気と呼ばれます。残りの中気・余気という細称や順序は資料に合わせて確認してください。寅が三項目だから各三分の一、子が一項目だからどの命式でも最も強い、とは計算できません。項目の数は、季節や配置を含む強弱の判定とは別です。
『淵海子平』の「又地支藏遁歌」で、この一覧の各支の構成を照合できます。ただし今回の維基文庫電子本には底本と完全性の注意表示があるため、校訂済みの定本とは扱いません。別の版を使う場合には、その版も記録してください。
『三命通會』巻二の「論人元司事」は、月令の用事と地支内部の気を扱う資料です。静的な一覧と分日規則は用途が違います。両方に出てくる項目を無条件で足し合わせて一つの表にすると、どちらの文献にもない規則を作ってしまうことがあります。
通変星表示を見たら、日干を戻して読む
ソフトが蔵干の横に通変星を表示する場合、その関係名は日干を基準にしています。同じ甲でも、日干が違えば関係が変わります。日干不明の資料なら甲木までを記録し、通変星名は保留できます。足りない参照点を、よく見かける名称で埋める必要はありません。
また、割合を表示するソフトには一覧とは別の重み付け規則があります。別の結果と比較するなら、どの層を何として数えた値なのかを確認します。一覧の一致と、強弱評価の一致は別々に調べられます。月令と五行の強さは、季節を加えた次の問いです。
最後に、蔵干を調べる入口は明確な地支欄です。説明文に同じ漢字が出てきたことを根拠にはできません。普通の語、引用、別の命式の例を拾って一覧へ戻すと、そこから付けた通変星や五行の数まで変わってしまいます。「どの柱の地支を、どの表で展開したか」を残せば、後から必要な箇所だけを再確認できます。

