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HEX-044 / 共通の方法

姤卦:金の止め具から角まで

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姤卦:一本の陰爻、縛る・包む・角

姤は六十四卦の第四十四卦で、上が乾、下が巽、卦全体で陰爻はいちばん下の一本だけです。卦辞の「女は盛ん」、彖伝が「遇う」を狭く読み、のち広く読み直す仕方、爻辞の縛る・包む・角と、小象の牽くという動作から読みます。

要点を先に約6分で読めます

姤の陰爻は、いちばん下の一本だけです。卦名の「姤」が爻辞に出るのは上九だけで、ほかの爻はおもに、遇ったあとどう押さえるかを書きます。縛る、包む、小象では牽く、そして最後は角で遇う。

  • 姤は乾(天)の下に巽(風)を重ねた卦で、陰爻が最下に一本、陽爻が上に五本。説卦伝は巽を長女と呼び、この一本の陰爻に合う。
  • 彖伝はまず「遇うこと、柔が剛に遇う」と言い、「女を娶るな」は今回の出会い一つについてだとする。続けて「天地が遇い、物がみな現れる」と、遇うを万物へ広げる。
  • 「包む」は三回(二・四・五)、「牽」は初六と九三の小象に出る。最上の爻では「角で遇う」に変わる。
18秒で、姤卦のただ一本の陰爻を見つけ、押さえ方の四つの形をたどり、読む前の三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

天の下に風:五本の陽爻の下に陰爻が一本

姤は、上に乾(天)、下に巽(風)を置いた卦です。下から数えて、最初の一本が陰爻、あとの五本はすべて陽爻。卦全体で陰爻は一本だけで、その上に五本の陽爻が乗っています。説卦伝は乾に「力強い」、巽に「入る」の一字を与え、さらに巽を「長女」と呼びます。巽の三本のうち、いちばん下が陰爻だからです。そこで、この卦象は次のように読むこともできます。五本の陽爻の足元に、長女が一人いる形です。

姤とその綜卦の夬を並べる:左は姤で、いちばん下が陰爻、上の五本が陽爻、下卦は巽(風)、上卦は乾(天)。右は夬で、いちばん上が陰爻、下の五本が陽爻、下卦は乾(天)、上卦は兌(沢)。夬は姤を上下逆にしたもの。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

姤と綜卦の夬:綜卦は全体を上下逆にしたもので、姤のいちばん下の陰爻は、夬ではいちばん上に来ます。

上卦:乾陽爻三本、天、力強い下卦:巽下が陰、上に陽二本、風、入る、長女
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上卦:乾陽爻三本、天、力強い下卦:巽下が陰、上に陽二本、風、入る、長女
上に乾、下に巽を置いたのが姤。ただ一本の陰爻は、巽のいちばん下の爻。

姤を読む前の三つの語

姤
彖伝が最初の一文で名を説明していて、姤は遇うこと。序卦伝も「姤は遇うこと」と言うので、この卦の主題は出会いです。
柔と剛
陰の爻を柔、陽の爻を剛と呼ぶ。「柔が剛に遇う」は卦の形そのもので、一本の陰爻が五本の陽爻に遇っている。
女壮
卦辞の最初の二字で、字面は「女は盛んである」。すぐあとに「女を娶ってはならない」が続き、原文の「取」は「娶る」と同じ。

卦辞と彖伝:狭く読み、広く読み直す

卦辞は短く、「女は盛んである。この女を娶ってはならない」。彖伝はこれを前半と後半に分けて扱います。

姤とは遇うこと、柔が剛に遇うことである。「女を娶るな」とは、長くつき合ってはいられないということ。天地が遇って、さまざまな物がみな現れる。剛が中正の位に遇って、天下に大いに行われる。姤の時の意義は大きい。

彖伝・姤(訳)
狭い読み:今回の出会い遇うこと柔が剛に遇う娶るな長続きしない広い読み:天地の出会い天地が遇う物が現れる剛が中正に遇う天下に行われる
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狭い読み:今回の出会い遇うこと柔が剛に遇う娶るな長続きしない広い読み:天地の出会い天地が遇う物が現れる剛が中正に遇う天下に行われる
彖伝はまず今回の出会いを長続きしないものとして説明し、そのあと「遇う」を天地の出会いに広げる:物が現れ、天下に行われる。

前半は事柄に即しています。柔が剛に遇うのは一つの出会いで、「長くつき合えない」とは、そういう出会いは長続きしないということです。後半はぐっと視野を広げます。天地が遇うと、さまざまな物がそれぞれの姿を現し(「章」は、はっきり現れること)、剛が中正の位に遇うと、天下の事が大いに行われる。同じ「遇う」でも、一方の端は長居してはならない出会いで、もう一方の端は天地が出会って物が形をとること。最後の「姤の時の意義は大きい」は、姤という時の意義をたたえる一句です。

大象:風は天下を巡り、君主は命令を四方へ

姤の大象は「天の下に風がある。それが姤。君主はこれにならい、命令を出して四方に告げ知らせる」です。この卦で行いの主語になるのは「后」、つまり君主です。大象には「君子」「先王」「后」などがあり、卦ごとに違うので、原文に従います。

象:天の下に風乾が上:天、すべてを覆う巽が下:風、入る、散らす君主は:三つの行い命令を出す告げ知らせる四方へ
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象:天の下に風乾が上:天、すべてを覆う巽が下:風、入る、散らす君主は:三つの行い命令を出す告げ知らせる四方へ
姤の大象:風は天の下を吹き抜けて隅を残さない。君主はそれにならい、命令を出して四方に告げ知らせる。

説卦伝は「風は物を散らす」と言います。風の働きは、物をあちこちへ送り届けることです。大象もこの点と照らして読めます。天の下の風はどこへでも入り込むから、命令も風のように出して四方へ告げる。女のことにも「遇う」ことにも触れず、風の通り道だけを取っています。

六つの爻:縛る・包む・牽く・角

姤の爻辞と小象には、小さな動作の組があります。縛る、包む(爻辞に三回)、牽く(小象だけ)。

爻位爻辞小象初六金の止め具に縛る柔の道は牽く九二包みに魚がある客には及ばない九三尻に皮なし、足が滞るまだ牽かれない九四包みに魚がない民から遠い九五杞で瓜を包む中正である上九角で遇う上で行き詰まる
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爻位爻辞小象初六金の止め具に縛る柔の道は牽く九二包みに魚がある客には及ばない九三尻に皮なし、足が滞るまだ牽かれない九四包みに魚がない民から遠い九五杞で瓜を包む中正である上九角で遇う上で行き詰まる
姤の六つの爻辞と小象:縛る・包む・牽く、いちばん上では角になる。

初六はいちばん下で、唯一の陰爻です。「金の止め具に縛る」は、伝統的には、荷車の車輪を止める金属の止め具につなぐことと読まれます。爻辞は続けて「正しくあれば吉」と言いますが、どこかへ行こうとすれば「凶を見る」。その次の句が生々しく、痩せた豚はきっと落ち着きなく地面を踏みならす。小象の評は「柔の道は牽く」です。

九二は初六のすぐ上で、「包みに魚がある」。咎めはないが「客には利がない」。小象は「道理として客には及ばない」と説明します。九四は離れていて、「包みに魚がなく、事を起こせば凶」、小象は「民から遠い」と評します。魚が何かは原文に書かれていません。伝統的には、いちばん下の初六に当てて読むのが一般的です。

九三は真ん中に挟まれ、「尻に皮がなく、歩みは滞り」、危ういが大きな咎めはありません。その小象は「進むことがまだ牽かれていない」。「牽」の字は、初六の小象と九三の小象に一度ずつ出ます。前者は陰の道は牽くこと、後者はこの爻はまだ牽かれていないことを言います。

九五になると、包むものが瓜に変わります。「杞の枝で瓜を包み」、「章を含み」、「天から降ってくるものがある」。「章」の字は彖伝にも出てきました。彖伝は「物がみな章(現れる)」と言い、九五はそれを内に含んでいます。

いちばん上の上九では、もう包みも縛りもありません。「角で遇う」。角はいちばん上に出るもの。小象は「上で行き詰まり、悔いがある」と評します。縛る、包むから角へ。押さえる仕方がだんだん硬くなると読むこともでき、最上では角で遇います。

夬・復・乾:隣の卦と序卦

姤の綜卦は夬です。夬は下に陽爻五本、いちばん上に陰爻一本で、上下を逆にすると姤になります。錯卦は復で、いちばん下だけが陽爻、上は陰爻五本。姤とはすべての爻で陰陽が反対です。互卦は乾で、姤の第二〜四爻も第三〜五爻もすべて陽爻なので、重ねると乾になります。

錯卦:復123456互卦:乾123456
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錯卦:復123456互卦:乾123456
姤の錯卦の復と互卦の乾を並べる:復は下に陽爻が一本、乾は陽爻が六本。

序卦伝は姤を夬のあとに置きます。夬は決すること、決したあとには必ず何かに遇うので、次が姤。姤のあとは萃で、遇ったあとに集まる、という続きです。夬は五本の陽爻が一本の陰爻を押し出す卦、姤はその同じ陰爻がいちばん下から再び現れる卦。隣り合う二つは、一本の陰爻の両端と見ることもできます。

読んだあとの疑問

「女は盛ん、この女を娶るな」は、気の強い女性を娶るなという意味ですか。

字面は「女は盛んである。この女を娶ってはならない」。彖伝が説明するのは「長くつき合えない」で、今回の出会いについての言葉です。同じ彖伝は後半で「遇う」を天地の出会いとして読み、特定の種類の人への評価には広げていません。

「包みに魚がある」の魚は何ですか。

原文は言いません。伝統的には、唯一の陰爻である初六に当てて読むのが一般的です。九二はそのすぐ上にあるので魚があり、九四は離れているので魚がない、という読みですが、原文にある説明ではありません。

姤と夬はどういう関係ですか。

互いに綜卦です。夬は下に陽爻五本、いちばん上に陰爻一本で、上下を逆にすると姤になります。序卦伝は、夬は決することで、決したあとに遇うものが姤、と二つを続けて説明します。

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資料・出典

  1. 周易·姤(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):乾健、巽入、巽为长女 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

夬卦:天の上に沢、「王の庭で宣言する」から「叫びなし、終わりに凶」まで ↗

萃卦:沢が地の上に、「乱れ、そして集う」から「不意の事に備える」まで ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗