随卦:沢の中に雷、従うと繋ぐ
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随は第十七卦で、雷が沢の下にあり、陽爻三本、陰爻三本です。六二と六三の爻辞は鏡像になり、動詞は「門を出て交わる」から「捕らえて縛る」へ重くなり、大象は「日暮れには家に入って休む」とだけ言います。
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随の字面は「従う」ですが、爻辞はそれを選択として書きます。六二と六三が互いに入れ替わり、動詞は「門を出て交わる」から「捕らえて縛る」へ重くなっていきます。
- 随は兌(沢)の下に震(雷)が重なる卦。説卦伝は震を「動」、兌を「悦」とし、彖伝は二つを「動いて悦ぶ」にまとめる。錯卦も綜卦も同じ蠱。
- 卦辞の「元亨、利貞、咎なし」は、彖伝では「大いに通り、正しく、咎はない」と引かれ、そのあとに「天下は時に従う」が加わる。
- 六二と六三は鏡像で、小象の評は「兼ねられない」と「志は下を捨てる」。九四の一爻には、凶という判断と「何の咎か」という問いが並ぶ。

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沢の中に雷:下に震、上に兌
随は第十七卦で、下卦が震(雷)、上卦が兌(沢)、象は「沢の中に雷がある」です。六爻のうち陽爻と陰爻は三本ずつで、陽爻は初・四・五位、陰爻は二・三・上位。卦名の「随」は、従う、付き従うの意です。
随と蠱:蠱は随の錯卦であり、綜卦でもある。
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まず知っておく三つの語
- 震と兌
- 説卦伝は震を「動く」、兌を「悦ぶ」(説は悦と同じ)と呼ぶ。彖伝は二つを一句にまとめて、「動いて悦ぶ」とする。
- 随
- 本文では、特定の人に付いていくだけの意味ではない。彖伝の最後に「天下は時に従う」とあり、従う相手には時機もある。
- 繋ぐ(係)
- 爻辞に繰り返し出る動詞で、縛る、繋ぎ止める意。六二・六三・上六がこれを使う。
下に動、上に悦。下で押す力があり、上には心地よい面があって、二つが重なったものを彖伝は随と呼びます。
卦辞と彖伝:同じ言葉を、言い換えて使う
随の卦辞は「元亨、利貞、咎なし」で、前の四字は乾の卦辞と同じ、後ろに「咎なし」が付きます。彖伝は、これをそのまま写してはいません。
随は、剛が来て柔の下にへりくだり、動いて悦ぶ。これが随である。大いに通り、正しくて、咎がない。そして天下は時に従う。時に従うことの意義は、まことに大きい。
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「剛が来て柔の下に降る」を最も素直に読むなら、卦の形です。一番下の初九が陽爻(剛)で、二本の陰爻(柔)六二・六三の下にいます。引用を見ると、卦辞の「元亨、利貞」が彖伝では「大いに通り正しい」に変わり、「元」が「大」に替わり、「利」は出ず、通ることと正しさが続いています。「咎なし」はそのままで、その後ろに新しく「天下は時に従う」が加わります。
大象:日が暮れたら、家に入って休む
随の大象は、他の多くの卦と比べると意外です。功績も外出も語りません。
沢の中に雷があるのが随。君子はこれにならい、日暮れが近づいたら家に入り、くつろいで休む。
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「向晦」は暗くなりかけること、「宴息」はくつろいで休むことです。大象は、日が暮れたら家に入って休むとだけ言い、出かけることも動くこともありません。彖伝の最後の「時に従う」と並べて読むと、このたび従う相手は時間そのものだ、と受け取れます。これは一つの読み方にすぎず、本文にあるのは前後二つの句だけです。
六つの爻辞:「門を出て交わる」から「捕らえて縛る」へ
六つの爻辞のうち、二・三爻は入れ替わる一対の文で、上の爻へいくほど動詞が重くなります。
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初九は「官に変化がある。正しければ吉。門を出て人と交われば功がある」。「官」は職守と読むのが普通で、この句の意味には争いがあります。「門を出て交わる」は外に出て人と付き合うこと、小象は「失わない」と言います。六二は「小子に繋がれて、丈夫を失う」。六三は「丈夫に繋がれて、小子を失う」。語は入れ替わるだけで同じで、六三には「従えば求めるものが手に入る。正しさにとどまれ」が加わります。小象は一つずつ評し、「両方は兼ねられない」「志は下を捨てる」です。
九四は「従って獲物がある。正しくとも凶。誠が道にあり、明らかであれば、何の咎があろう」。九五は「よいものに誠を向ける。吉」、小象は「位が正しく中だから」。上六は「捕らえて縛り、さらに従って繋ぎ止める。王は西山で祭りを捧げる」で、「拘係」は捕らえて縛ること、「維」は綱です。初九の「門を出て交わる」から「繋ぐ」を経て「捕らえて縛る……繋ぎ止める」へと、動詞が重くなっていきます。小象は短く、「上で行き詰まった」。
蠱と漸:随の隣の卦、そして序卦
随と蠱の関係は特別です。随のすべての爻の陰陽を入れ替えると蠱になり、随をそのままひっくり返しても蠱になります。蠱は随の錯卦であり、綜卦でもあります。
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理由は、随の爻が両端から数えた三組(初と上、二と五、三と四)で、どの組も陰陽が反対だからです。反転しても入れ替えても同じ形に行き着きます。互卦は漸で、第二〜第四爻が艮、第三〜第五爻が巽となり、下が艮、上が巽。序卦伝は随を豫の後ろに置き、さらに「悦んで人に従う者には必ず事がある」と述べて次を蠱とし、蠱は「事」だと定義します。
豫の後には必ず従うことがある。だから随が続く。
読んだあとの疑問
随卦は、人に付いていけという意味ですか。
爻辞はそれほど単純ではありません。二・三爻は一方に繋がれると他方を失うと言い、九四は「従って獲物があり、正しくとも凶」と言い、彖伝は重心を「時に従う」に置いています。従う相手は人にも、時機にもなりえます。
「小子」と「丈夫」は誰のことですか。
本文は説明していません。三爻の小象に「志は下を捨てる」とあり、丈夫が上、小子が下だと推測できますが、これは推測で、読むときもそう断って扱うべきです。
なぜ随の錯卦と綜卦は同じ卦なのですか。
随の六爻は、両端から組にした初と上・二と五・三と四が、それぞれ陰陽反対になっています。そのため、全体をひっくり返しても、すべてを入れ替えても、同じ蠱になります。
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