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HEX-045 / 共通の方法

萃卦:集う者三、中心二、外に一

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萃卦:集まる所にも備えが要る

萃は六十四卦の第四十五卦で、上が兌、下が坤、中ほどに陽爻が二本、下に陰爻が三本あります。彖伝の「集まる先を見よ」、大象の「武器を整え、不意に備える」、六つの爻辞に見える集う者・中心・外のそれぞれの気分と留保から読みます。

要点を先に約7分で読めます

萃は集まりの卦なのに、大象は備えで終わります。六つの爻辞では、集う者たちは乱れ、嘆き、中心にいる二本の爻は「大吉」と「位がある」のあとにそれぞれ一言の留保がつきます。

  • 萃は兌(沢)の下に坤(地)を重ねた卦。説卦伝は坤を「従順」、兌を「喜び」とし、坤は「衆」でもあると言う。多くのものが従順に、喜んで一所へ来る形。
  • 彖伝は集まる二つの条件(従順で喜ぶこと、剛が中にあり応じること)を挙げ、次の一文で結ぶ。何の周りに集まるかを見れば、天地万物の実情が見える。
  • 大象は集まりの賑わいではなく、武器を整えて不意の事に備えることを言う。九四は「大吉」に小象が「位が当たらない」、九五は「位がある」に小象が「志がまだ明るくない」と添える。
18秒で、萃卦の下の三陰と中の二陽、六つの爻を集う者・中心・外に分けて、読む前の三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

沢が地の上に:下が坤、上が兌

萃は、上が兌(沢)、下が坤(地)の卦です。下から数えて、いちばん下の三本が陰爻で、これが坤。第四・第五が陽爻、第六が陰爻で、この三本が兌です。説卦伝は坤に「従順」、兌に「喜び」の一字を与え、さらに坤は「衆」だと言います。多くのものが、従順に、喜んで一所へ来る。これが萃です。

萃とその綜卦の升を並べる:左は萃で、いちばん下の三本が陰爻、第四・第五が陽爻、いちばん上が陰爻、下卦は坤(地)、上卦は兌(沢)。右は升で、いちばん下が陰爻、その上に陽爻が二本、上の三本が陰爻、下卦は巽(風)、上卦は坤(地)。升は萃を上下逆にしたもの。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

萃と綜卦の升:綜卦は全体を上下逆にしたもので、萃のいちばん下の三本の陰爻は、升ではいちばん上に来ます。

上卦:兌下に陽二本、上に陰一本、沢、喜び下卦:坤陰爻三本、地、従順、衆
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上卦:兌下に陽二本、上に陰一本、沢、喜び下卦:坤陰爻三本、地、従順、衆
上が兌、下が坤。沢の水が地面の上に溜まり、二本の陽爻が、下の三陰と上の一陰のあいだに挟まれている。

萃にある三つの語

萃
彖伝も序卦伝も直接に説明していて、萃は集まること。
假
卦辞「王、廟に假る」の「假」は、伝統的に「至る」と読むのが一般的。王が祖先の廟に着くこと。
大牲
「大牲を用いて吉」の大牲は、祭祀に使う大きな供え物の獣。盛大な供えは吉、という句。

卦辞と彖伝:なぜ集まれるか、何の周りに集まるか

萃の卦辞は長く、いくつかの事を並べます。王が廟に至る。大人に会うのによい。通る。正しくあるのがよい。大牲を用いて吉。行くところがあるのによい。祖先の祭り、大人との面会、大牲の供え。どれも、人が一所に集まる場面です。

萃とは集まること。従順で喜び、剛が中にあって応じる。だから集まる。「王が廟に至る」とは、孝を尽くして祀ること。「大人に会うのによい、通る」とは、集まりが正しいこと。「大牲を用いて吉、行くところがあるのによい」とは、天命に従うこと。その集まる先を見れば、天地万物の実情が見えてくる。

彖伝・萃(訳)
集まる二つの条件従順で喜ぶ坤は従い、兌は喜ぶ剛が中で応じる九五が六二に応じる卦辞の三つの事王が廟に至る孝を尽くす大人に会う正しい集まり大牲を用いる天命に従う
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集まる二つの条件従順で喜ぶ坤は従い、兌は喜ぶ剛が中で応じる九五が六二に応じる卦辞の三つの事王が廟に至る孝を尽くす大人に会う正しい集まり大牲を用いる天命に従う
彖伝はまず集まる二つの条件(従順で喜ぶこと、剛が中にあって応じること)を挙げ、続いて卦辞の三つの事に一語ずつ与える:孝を尽くす、正しい集まり、天命に従う。

彖伝はまず、なぜ集まれるかを説明します。下卦の坤は従い、上卦の兌は喜ぶ。これが「従順で喜ぶ」。九五は中の位にある陽爻で、下の六二がそれに応じる。これが「剛が中にあって応じる」。そのうえで卦辞の三つの事に、一語ずつ与えます。孝を尽くす、正しい集まり、天命に従う。

最後の一文はこうです。「その集まる先を見れば、天地万物の実情が見えてくる」。群れが何の周りに集まるかを見ると、物事の実情がわかる。次のように読むこともできます。この一文が問うのは、何人集まったかではなく、どこに集まったかです。

大象:沢が地の上に、武器を整え、不意に備える

萃の大象は「沢が地の上にある。それが萃。君子はこれにならい、武器を整え、思いがけない事に備える」です。

象:沢が地の上に兌が上:沢、水が高みに集まる坤が下:地、それを受ける君子は:二つの行い武器を整える不意の事に備える
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象:沢が地の上に兌が上:沢、水が高みに集まる坤が下:地、それを受ける君子は:二つの行い武器を整える不意の事に備える
萃の大象:沢の水が地面の上に集まる。君子はこれにならい、武器を整え、予想していなかった事に備える。

集まりの卦なのに、大象が備えで終わるのは、字面の「集まる」とあまり釣り合いません。「武器を整える」の「整える」は、伝統的には「手入れする、修める」と読むのが一般的で、「不意」は予想しなかった事。大象は理由を述べず、「集まる」と「不意に備える」を同じ一文に並べます。次のように受け取ることもできます。集まるものが多いほど、用心すべき事も多くなる。

六つの爻:集う者三、中心二、外に一

卦の形に沿って六つの爻を組に分けるのは、一つの読み方です。下の三本の陰爻は上へ向かって集う側、中ほどの二本の陽爻は集まりの中心、いちばん上の一本の陰爻は集まりの外にいます。

爻位爻辞小象初六乱れて、集う志が乱れている六二引かれて吉中の心は変わらない六三集い、嘆く上は従順である九四大吉、咎なし位が当たらない九五集いに位がある志がまだ明るくない上六嘆き、涙する上で安らげない
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爻位爻辞小象初六乱れて、集う志が乱れている六二引かれて吉中の心は変わらない六三集い、嘆く上は従順である九四大吉、咎なし位が当たらない九五集いに位がある志がまだ明るくない上六嘆き、涙する上で安らげない
萃の六つの爻辞と小象:下の三本は集う者、九四と九五は中心、上六は集まりの外。

初六は「誠はあっても終わりまで続かず、乱れて、そして集う」。誠を最後まで貫けなかったので、まず乱れ、それから集まります。小象は「志が乱れている」。そのあとの句は、呼びかければ、一握りのあいだに笑いに変わる、憂えるな、行って咎めはない。「一握り」の読みは分かれるので、ここでは憂いが笑いに変わる点だけを取っておきます。

六二は「引かれて吉、咎なし」。集まりへ引かれて行く爻です。「誠があれば、質素な祭りも用いてよい」。誠さえあれば簡素な祭りで足りる、という句です。小象は「中の心は変わらない」。

六三は「集い、嘆く。よいことは何もない」。続けて「行って咎めはない、少し悔いる」。小象の「上は従順である」の「従順」にあたる字は、伝統的には「従う」と読むのが一般的です。

下の三本を続けて読むと、気分は、乱れ、引かれ、嘆き、と移ります。集う者は、ずっと上機嫌で来るわけではありません。

九四は「大吉、咎なし」。四字だけで、卦でいちばん短い爻辞です。ところが小象が一言添えます。「位が当たらない」。九四は陽爻で、第四の位、つまり陰の位にいます。「大吉」のあとに「咎なし」が続くのは、吉のなかにも過ちへの用心が要る、と読めます。

九五は「集いに位がある、咎なし」。続いて「信じられないところがある」ので、「大いなる長い正しさ」があって初めて「悔いが消える」。小象は「志がまだ明るくない」。

二つの中心は、どちらも留保を抱えています。九四は位が当たらず、九五は志がまだ明るくない。小象の留保は、集まりの中心に置かれています。

上六は「嘆き、涙し、洟まで流れる。咎なし」。小象は「上で安らげない」。いちばん上にいて、それでも落ち着かない爻です。

升・大畜・漸:隣の卦と序卦

萃の綜卦は升です。萃を上下逆にすると、下の三本の陰爻が上に移って升になります。錯卦は大畜で、萃の六本を、陰は陽に、陽は陰に置き換えたもの。互卦は漸で、萃の中ほどの四本を取り、下の三本(第二〜四爻:陰・陰・陽)が艮、上の三本(第三〜五爻:陰・陽・陽)が巽になり、艮の上に巽を置いた形です。

錯卦:大畜123456互卦:漸123456
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錯卦:大畜123456互卦:漸123456
萃の錯卦の大畜と互卦の漸を並べる:大畜は萃の陰陽を置き換えたもの、漸は下が艮、上が巽。

序卦伝の並べ方はこうです。姤は出会い、出会ってはじめて集まるので、姤のあとに萃が来る。そして集まったものがさらに上へ進むと、升になる。萃と升は互いに綜卦で、一方は一所に集まる形、もう一方は上へ伸びる形として、前後に並んでいます。

読んだあとの疑問

萃卦は、人がたくさん集まるほどよいという意味ですか。

原文はそうは言いません。彖伝は卦辞の「大人に会うのによい、通る」を、集まりが正しいことと説明し、大象は集まりのあとに不意の事への備えを置きます。二本の陽爻は「大吉」「位がある」のあとに、小象がそれぞれ留保を添えます。

「王、廟に假る」とはどういう意味ですか。

字面は、王が祖先の廟に至ること。「假」の字は伝統的に「至る」と読むのが一般的です。彖伝はこの句を、孝を尽くして祀ることと説明します。

萃と升はどういう関係ですか。

互いに綜卦で、萃を上下逆にすると升になります。萃は陰爻三本が下、升は上にあります。序卦伝は、集まったものがさらに上へ進むのが升だと言い、だから升が萃のあとに来ます。

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資料・出典

  1. 周易·萃(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):坤顺、兑说、坤为众 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

姤卦:一陰が五陽に遇う、「縛る」「包む」から「角」まで ↗

升卦:地の中に木が育つ、升ると祭るが交互に、「闇の中で升る」まで ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗