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HEX-019 / 共通の方法

臨卦:沢の上に地、剛が伸びる

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臨:同じ一字、六つの修飾

臨は第十九卦で、沢の上に地があり、いちばん下の二本の陽爻が上へ伸びます。彖伝は「剛が次第に進む」と言い、八月にも触れます。六つの爻辞は「臨」の一字を保ち、その前の語だけを替えます。

要点を先に約6分で読めます

臨の字面は近づく、向き合うこと。彖伝は二本の陽爻が次第に伸びていると言い、卦辞は八月の警告を残し、爻辞は「臨」の前の語を次々に替えます。

  • 臨は坤(地)の下に兌(沢)が重なる卦で、陽爻は初九と九二の二本だけ。彖伝冒頭の「剛が次第に進む」はこの二本のこと。上下を返すと観になる。
  • 彖伝は四つの特徴を挙げる。剛が伸びる、悦んで従う、剛が中にあって応じる、大いに通って正しい。「八月」は「衰えは遠くない」で結ばれる。
  • 六つの爻辞は「臨」の字を囲み、前の語は順に、感・感・甘・至・知・厚。六三だけが先に「利するところがない」と言い、後に「咎なし」と言う。
18秒で、陽が二つ下にある卦の形を見て、彖伝の三つの句を聞き、臨を読む前の三つの確認を持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

沢の上に地:下から伸びる二本の陽爻

臨は第十九卦で、下卦が兌(沢)、上卦が坤(地)です。陽爻はいちばん下の二本、初九と九二だけで、その上の四本は陰爻。「臨」は今日の言い方でも近づく、向き合うの意があり(河に臨む、など)、この卦の象も「沢の上に地がある」、水に面した地です。

臨とその綜卦の観を並べる:左は臨で、いちばん下の二本が陽爻、上の四本が陰爻、下卦は兌(沢)、上卦は坤(地)。右は観で、いちばん上の二本が陽爻、下の四本が陰爻、下卦は坤(地)、上卦は巽(風)。観は臨を上下逆にしたもの。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

臨と綜卦の観:観は臨を上下逆にしたもので、二本の陽爻がいちばん下からいちばん上へ移る。

上卦:坤(地)従う下卦:兌(沢)悦ぶ
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上卦:坤(地)従う下卦:兌(沢)悦ぶ
臨は二層:上に坤(地)、その下に兌(沢)。地が水に面している。

まず知っておく三つの語

浸(次第に進む)
彖伝冒頭の「剛が次第に進んで伸びる」。浸はしみ込むように、少しずつ進むこと。剛(陽爻)が少しずつ上へ伸びる。
兌と坤
説卦伝は兌を「悦ぶ」、坤を「従う」と呼び、彖伝は二つを重ねて「悦んで従う」とする。
「臨とは大である」
序卦伝は卦名を「大」と説明する。「近づく」という字面とは別の筋なので、分けて述べる。

二本の陽爻が四本の陰爻の下に押さえられている様子は、二つの力が地表に顔を出したところのようです。彖伝が最初に言うのもそれで、それらは伸びている、と。

彖伝:「剛が次第に進む」と「八月」

卦辞は「大いに通る。正しくあるのがよい。八月になると凶がある」で、彖伝は一句ずつ解説します。

臨は、剛が次第に進んで伸びる。悦んで従い、剛が中にあって応じられ、大いに通って正しい。これは天の道である。「八月になると凶がある」とは、衰えが遠くないということである。

彖伝・臨(訳)
卦の四つの特徴剛が伸びる陽爻が次第に悦び従う兌が悦び坤が従う剛が中で応じる九二と六五大いに通り正しい天の道卦辞の中の警告八月に凶卦辞の言葉衰えは近い彖伝の解説
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卦の四つの特徴剛が伸びる陽爻が次第に悦び従う兌が悦び坤が従う剛が中で応じる九二と六五大いに通り正しい天の道卦辞の中の警告八月に凶卦辞の言葉衰えは近い彖伝の解説
彖伝の二段:臨の四つの特徴を挙げ、「衰えは近い」で「八月に凶」を説明する。

「剛が次第に進む」は卦の形から読めます。二本の陽爻が底から押し上げている。「剛が中にあって応じる」は九二のことで、陽爻が下卦の真ん中にあり、上の六五が応じています。「大いに通って正しい」の後、彖伝は「天の道である」と前の讃辞を結びます。八月については、どの月を指すかは昔から意見が分かれ、彖伝が足すのは半句、「衰えは遠くない」だけです。

大象:教えと思いは尽きず、民を守って際限なし

臨の大象は、「尽きない」「際限がない」に重みを置きます。

沢の上に地がある。これが臨。君子はこれにならい、教えと思いが尽きることなく、民を包み守って際限がない。

大象・臨(訳)
象:沢の上の地上に坤、地下に兌、沢水のそばの地君子の行い:二つの「無」教えと思いが尽きない包み守って際限がない
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象:沢の上の地上に坤、地下に兌、沢水のそばの地君子の行い:二つの「無」教えと思いが尽きない包み守って際限がない
臨の大象:沢の上に地。君子は、教えと思いに終わりがなく、包んで守ることに限りがない。

「教思」は教えと思いやり、「容保」は受け入れて守ること。二つの句の結びは「尽きない」「際限がない」で、どちらも果てがありません。序卦伝の「臨とは大である」と並べて読めます。そこでは卦名が「大」で、大象が挙げる二つの行いも際限がなく、言葉の上で呼び合っています。

六つの爻辞:同じ「臨」、前の語だけが替わる

六つの爻辞のすべてに「臨」の字があり、前の語が替わります。感・感・甘・至・知・厚です。

爻位爻辞小象初九感じて臨む、正しく吉志が正しく行く九二感じて臨む、すべて有利命にまだ従わず六三甘く臨む、益なし位が当たらず六四行き着いて臨む位が当たる六五知をもって臨む中を行う上六厚く臨む志は内にある
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爻位爻辞小象初九感じて臨む、正しく吉志が正しく行く九二感じて臨む、すべて有利命にまだ従わず六三甘く臨む、益なし位が当たらず六四行き着いて臨む位が当たる六五知をもって臨む中を行う上六厚く臨む志は内にある
臨の六つの爻辞と小象:感じて臨む、感じて臨む、甘く、行き着いて、知をもって、厚く。六三と六四の小象は位に触れる。

初九と九二はどちらも「咸臨」です。「咸」は咸卦の彖伝で「感」と解説されるので、ここでは感じながら近づくと読むのが普通ですが、これは別の卦の説明を借りたものです。初九は「正しければ吉」、小象は「志が正しく行われる」。九二は「吉で、何事も有利である」ですが、小象は「まだ命に従ってはいない」と言います。字面は、まだ命令に従っていない、ということで、読みは一つではないので、字面だけを記します。

六三は「甘く臨む。利するところがない。すでにこれを憂えれば、咎はない」。「甘」は甘いこと。甘く近づいても何の利もなく、すでに憂えれば咎はありません。小象は「位が当たらない」と言い、第三位の陰爻のことです。さらに「咎は長く続かない」。六四は「行き着いて臨む。咎はない」、小象は「位が当たっている」。六五は「知をもって臨む。大君にふさわしい。吉」で、「知」は智慧のこと、小象は「中を行うということである」。上六は「厚く臨む。吉で咎はない」、「敦」は手厚いこと、小象は「志は内にある」。

観と復:臨の隣の卦、そして序卦伝の「大」

臨を上下逆にすると観になり、二本の陽爻はいちばん下からいちばん上へ移ります。それで、この記事の冒頭の図にこの一対を並べました。

臨123456互卦:復123456
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臨123456互卦:復123456
臨とその互卦の復:中の四爻を組み直すと、いちばん下の陽爻一本だけが残る。

臨の錯卦は遯で、すべての爻の陰陽が入れ替わり、陽二本は陰に、陰四本は陽になります。互卦は復で、第二〜第四爻が下卦(震)、第三〜第五爻が上卦(坤)となり、復はいちばん下の陽爻だけを残します。

序卦伝が臨を蠱の後ろに置く理由は、この一文です。

事があって初めて大きくなれる。だから臨が続く。臨とは大である。

序卦伝(訳)

事があって大きくなれる、それが臨の理由で、臨とは「大」だと序卦伝は付け加えます。その次は観で、序卦伝は、ものが大きくなってはじめて観ることができる、と述べます。それは次の記事の話題です。

読んだあとの疑問

「八月に凶」の八月は、どの月のことですか。

本文は言っておらず、昔から読みも分かれています。彖伝が足す半句は「衰えは遠くない」だけです。この句を読むときは、本文が確かに定めていることと後世の算出を分けて書くほうが、月を言い切るより堅実です。

「咸臨」の「咸」はどういう意味ですか。

字義には争いがあります。咸卦の彖伝は「咸」を「感」と解説するので、ここでは感じながら近づく意に読むのが普通です。ただしこれは別の卦の説明を借りたもので、臨自身の定義ではないので、そう断って扱います。

小象が「位」に触れるのは、なぜ六三と六四だけですか。

六三は第三位の陰爻で「位が当たらない」、六四は第四位の陰爻で「位が当たっている」と評されます。評が位を直接挙げるのはこの二つだけなので、当位・不当位を語る本文上の根拠があるのもここだけです。

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資料・出典

  1. 周易·臨(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):兑、说也;坤、顺也 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版):临者大也 ↗

続けて読む

蠱卦:山の下に風、「甲の三日前」の数え方 ↗

観卦:風が地の上を行く、「盥して薦めず」から「わが生を観る」まで ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗