知識ライブラリー
AS-011 / 西洋占星術

アセンダント・ディセンダント・MC・ICとは?二本の軸で理解する

コンテンツ版 · · 資料・出典

地平線と子午線という二本の軸からASC・DSC・MC・ICを整理し、MCが頭上の天頂ではない理由、ASCとMCが90°離れるとは限らない理由を説明します。

ASC・DSC・MC・IC:二本の軸と四つの点

地平線と黄道の交点がASCとDSC、子午線と黄道の交点がMCとIC。二つの軸は直角とは限りません。

シェアカードを保存 ↓

先に読む

ホロスコープの読み方:天体・サイン・ハウス・アスペクト ↗

太陽星座・月星座・上昇星座——出生時刻で何が変わる? ↗

ホロスコープの四つの記号

ホロスコープの円には、ASC、DSC、MC、ICという四つの記号が書かれています。これらは天体ではなく、出生の瞬間・出生地の空と黄道が交わってできる幾何学的な点で、「アングル」と呼ばれます。四点は一本の十字ではなく、地平軸と子午軸という別々の二本の軸に属しています。惑星・サイン・ハウスの役割分担は占星術の基礎となる四つの要素で確認できます。

地平軸:アセンダントとディセンダント

その土地の地平線は、空と地面を分ける大円です。黄道は太陽が一年かけて動いて見える道筋で、これも大円です。二つの大円は二点で交わり、東側の交点がアセンダント(ASC)、西側の交点がディセンダント(DSC)です。両者の黄経はちょうど180°離れているので、ディセンダントは別に計算する点ではなく、アセンダントの対向点です。

ホロスコープでは慣例としてASCを円の左端、DSCを右端に置きます。地図の「東は右」とは逆なので、地図の方角に置き換えて読まないよう注意してください。

子午軸:MC(ミッドヘヴン)とIC

その土地の子午線は、観測者の真上、天の極、地平線の真南と真北を通る大円です。黄道はこの子午線とも二点で交わります。南中する側の交点がMC(ミッドヘヴン、Medium Coeli)、その対向点がIC(Imum Coeli)で、こちらも180°離れています。

日本語で「天頂」と訳されることもあるため、天文学の天頂(zenith)と混同されがちです。zenithは観測者の真上の点ですが、MCは必ず黄道上にあります。黄道はふつう頭上を通らないので、MCは多くの場合真上にはありません。天文学の教科書も、太陽は正午に子午線を通過してその日最も高くなるものの、天頂にあるとは限らないと説明しています。MCは「いま空で一番高い惑星」でもなく、黄道上の一つの度数であり、そこに天体がない場合もあります。

外円は黄道の模式。実線の地平軸がASC(東・左)とDSC(西・右)を結び、破線の子午軸がMCとICを結ぶ。傾きはASCとMCの黄経差が90°とは限らないことを示し、点線は90°の参照線。MCは頭上の天頂ではない。

BaZiFlowによる学習図。幾何関係の模式図で、個人の星盤ではありません。

ASCとMCの黄経差が90°とは限らない理由

空の上では、地平線と子午線は互いに直交しています。しかし黄道はその両方に対して傾いています。二本の軸が黄道と交わる位置を黄経で比べると、一般にちょうど90°にはなりません。この差は出生の時刻(地方恒星時)と緯度によって変わります。赤道付近では90°に比較的近いことが多いものの、常に90°とは限らず、緯度が高くなるほど大きくずれることがあります。これは標準的な球面三角法の式で確かめられ、誰かの出生データは必要ありません。

そのため、ホロスコープの四つの象限は広さがそろわないことがあります。MCを真上からずらして描くソフトは、この差をそのまま表示しているのです。MCを常に真上に置く表示の場合は、図より記載された度数を優先してください。

プラシーダスやコッホなどの象限式ハウスでは、ASCが第1ハウスのカスプ、MCが第10ハウスのカスプ、DSCとICがそれぞれ第7・第4ハウスのカスプになります。ホールサインやイコールでのMCの扱いはハウス方式で説明しています。

高緯度で起こる計算上の例外

Swiss Ephemerisの文書によると、極圏より高緯度では、プラシーダスとコッホのカスプは計算できる場合とできない場合があり、そのときはポルフュリー方式に切り替えて警告を返します。また、MCが地平線の下に来ることもあります。Swiss EphemerisはASCを東から昇る黄道上の点として優先し、地平線下のMCを受け入れます。一方、旧来のPlacalcの方式に従うソフトはMCを地平線上に保ち、必要ならASCを180°反転させます。つまり極地の同じ出生データでも、ソフトによってアングルが異なる可能性があります。一般的な中緯度の出生地では問題になりませんが、極地のデータでは警告表示と実際に使われた方式を確認しましょう。

伝統的な意味づけは約束事

現代の多くの教科書では、ASC–DSCの軸を自分と他者・人との出会い方、MC–ICの軸を社会的な役割と私的な基盤として対にして読みます。これは流派ごとの象徴的な約束事であり、重みづけや表現は伝統によって異なります。幾何学的な定義がその解釈を証明するわけではありません。この記事では、どのアングルがどのサインにあるかから個人的な結論は導きません。似た言葉が別の占術で別の意味を持つ例は、似た用語をそのまま置き換えられない理由で扱っています。

この記事を含む学習ルート

資料・出典

  1. Swiss Ephemeris documentation, §6.2 and §6.4: house systems and house cusps beyond the polar circle ↗
  2. OpenStax Astronomy 2e, 2.1 The Sky Above (zenith and horizon) ↗
  3. OpenStax Astronomy 2e, 4.3 Keeping Time (local meridian; noon Sun not necessarily at the zenith) ↗

続けて読む

出生時刻と場所で星盤が変わるのはなぜ?時計と地平を分けて考える ↗

ハウス方式で所属が変わる理由:惑星と区切りを別に見る ↗

似た用語はなぜ入れ替えられないのか:合・冲・星の三体系対照 ↗