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HEX-025 / 共通の方法

無妄卦:同じ「無妄」に、五つの語が続く

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無妄:同じ語に五つの語

無妄は第二十五卦で、天の下に雷が行き、乾が上、震が下。爻辞では「無妄」の後に往・災・疾が続き、小象は薬と行いを加えます。彖伝は二つの問いで終わります。

要点を先に約7分で読めます

無妄の字面は妄がないこと。序卦伝は、復ったなら妄はない、と言います。爻辞は「無妄」を修飾語にして往・災・疾を続け、小象が薬と行いを足し、彖伝は二つの問いで終わります。

  • 無妄は乾(天)が上、震(雷)が下で、初九の陽爻が最下にあり、その上の五本のうち陰爻は六二と六三だけ。彖伝は「動いて力強い」、大象は「天の下に雷が行く」と言う。
  • 卦辞の「元亨・利貞」には条件が付く。彖伝は二つの問い、「どこへ向かうのか」「進めるだろうか」で結ぶ。
  • 「無妄」の後ろに来る語は往・災・疾、小象はさらに薬と行い。六三の「牛をつなぐ」は、成語「無妄の災い」の出どころと考えられている。
18秒で、乾が上、震が下の形を見て、「無妄」の後に続く四つの語をたどり、無妄を読む前の三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

天の下に雷が行く:乾が上、震が下

無妄は第二十五卦。雷を表す震の上に、天を表す乾が重なります。陽爻が占めるのは第一・第四・第五・上の四つの位で、陰爻は第二と第三の二本だけです。説卦伝では乾は健やかさ、震は動きを表し、彖伝はその二つを合わせて「動いて健やか」と読みます。

無妄とその綜卦の大畜を並べる:左は無妄で、第一・第四・第五・上の爻が陽爻、第二・第三の爻が陰爻、下卦は震(雷)、上卦は乾(天)。右は大畜で、下の三本が陽爻、その上に陰爻が二本、最上が陽爻、下卦は乾(天)、上卦は艮(山)。大畜は無妄を上下逆にしたもの。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

無妄と綜卦の大畜:無妄を上下逆にすると大畜になる。

上卦:乾(天)健やか下卦:震(雷)動く
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上卦:乾(天)健やか下卦:震(雷)動く
無妄の二層は、上の乾(天)と下の震(雷)。雷が天の下を動く。

無妄を読む前の三つの語

無妄
字面は妄がないこと。妄は、いつわり、むやみ、してはならない振る舞い。序卦伝は「復れば妄はない」の一句でこの卦を位置づける。
眚
災い、また過ち。卦辞の「眚がある」と上九の「進めば眚がある」は同じ字。
菑と畬
伝統的には、菑は開墾して一年目の田、畬は三年耕した熟田。六二に出てくる。

「無妄」の二字は、卦名であるだけでなく、爻辞の中にも何度も現れます。初九・六三・九五・上九の四本で、そのたびに続く語が違います。これがこの卦を読む手がかりです。

卦辞と彖伝:卦辞に条件、彖伝の末に二つの問い

卦辞は三つの部分から成ります。

大いに通る。正しさを守るのがよい。正しくなければ眚があり、進み行くのにはよくない。

卦辞・無妄(訳)

はじめの二つ「元亨」「利貞」は、乾にもある四字を二句に分けたものです。後半は条件で、正しくなければ眚があり、進み行くことは勧められない。彖伝はこれを順に取り上げます。

無妄とは、剛が外から来て、内で主となること。動いて健やかであり、剛が中を得て呼応され、大いに通って正しい。それは天の命である。「正しくなければ眚があり、進み行くのによくない」。無妄の進み行きは、どこへ向かうのか。天の命が助けないとき、進めるだろうか。

彖伝・無妄(訳)

「剛が外から来て、内で主となる」は卦の形から読めます。下卦(内)の唯一の陽爻は初九で、下卦はこれが主になっています。「外から来る」由来は、卦の変化についての伝統的な説でさまざまに説明されますが、ここでは字面のままにします。「動いて健やか」は、下の震が動き、上の乾が健やかなこと。「中を得て呼応される」は九五で、上卦の中央を占める陽爻に、六二が呼応しています。「大いに通って正しい。それは天の命である」は、「元亨利貞」の総括です。

彖伝は最後に二つの問いを置いて終わります。「無妄の進み行きは、どこへ向かうのか」。「天の命が助けないとき、進めるだろうか」。

彖伝は卦の形を読む剛が外から初九が内卦に入る内で主となる震の主爻動いて健やか震が動き乾が健彖伝は位置を読む中にあり応じる九五と六二大いに亨る天の命彖伝の結びどこへ向かう無妄の進み行き進めるか天の命の助けなし
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彖伝は卦の形を読む剛が外から初九が内卦に入る内で主となる震の主爻動いて健やか震が動き乾が健彖伝は位置を読む中にあり応じる九五と六二大いに亨る天の命彖伝の結びどこへ向かう無妄の進み行き進めるか天の命の助けなし
彖伝を三度に分けて読む:卦の形、九五と六二の位置、そして結びの二つの問い。

大象:天の下に雷が行き、先王は時に応じる

大象は次のとおりです。

天の下に雷が行く。物はみな無妄にあずかる。先王はこれにならい、盛んに時に応じ、万物を育てた。

大象・無妄(訳)

「天の下に雷が行く」は、震が乾の下にあり、雷が天の下を巡っていること。「あずかる」と訳した語は読みが分かれ、字面は物と「無妄」が共にある、ということで、よくある読みは、物がそれぞれの本来のあり方を保つ、というものです。後半は先王の行いで、「盛んに応じる」は力を尽くして合わせること、「時」は時節、「万物を育てる」は、あらゆるものを養い育てることです。

復:雷が地の中にある雷はまだ地の中先王が関所を閉ざす無妄:天の下に雷が行く雷はもう動いている先王が万物を育てる
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復:雷が地の中にある雷はまだ地の中先王が関所を閉ざす無妄:天の下に雷が行く雷はもう動いている先王が万物を育てる
続く二つの大象:復では雷が地の中にあって先王が関所を閉ざし、無妄では雷が天の下を行き、先王が時に応じて万物を育てる。

一つ前の復では、雷はまだ地の中にあり、先王は関所を閉ざしました。この卦では雷がすでに天の下で動いていて、先王の行いも「閉じる」から「育てる」へ変わります。

六つの爻辞:「無妄」の後ろに、何が来るか

「無妄」は六つの爻辞のうち四つに現れ、小象はさらに別の箇所でそれを受けます。

爻位爻辞小象初九無妄、往けば吉無妄の往、志を得る六二耕さず穫り、菑せず畬すまだ豊かでない六三無妄の災い、牛をつなぐ通行人が牛を得る九四貞しくできる、咎なしもとから持っている九五無妄の病、薬なしで喜び無妄の薬、試すな上九無妄でも、進めば眚無妄の行い、窮まる災い
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爻位爻辞小象初九無妄、往けば吉無妄の往、志を得る六二耕さず穫り、菑せず畬すまだ豊かでない六三無妄の災い、牛をつなぐ通行人が牛を得る九四貞しくできる、咎なしもとから持っている九五無妄の病、薬なしで喜び無妄の薬、試すな上九無妄でも、進めば眚無妄の行い、窮まる災い
無妄の六つの爻辞と小象:無妄の往・無妄の災い・無妄の病・無妄の薬・無妄の行い。

初九は「無妄、往けば吉」。妄なく進めば吉で、小象は「無妄の往、志を得る」と言います。六二は話題が変わります。「耕さずして穫り、菑せずして畬すなら、進み行くのによい」。前の語は開墾一年目の田、後の語は熟田です。区切りは二通りで、耕さずに収穫し開墾せずに熟田を得る、とする読みと、収穫を目当てにせず耕し、熟田を目当てにせず開墾する、とする読みがあります。小象は「まだ豊かでない」とだけ評します。

六三は「無妄の災い。誰かが牛をつなぐと、通行人がそれを得て、町の人が災いを負う」。誰かが牛をつないでおくと、旅の人が引いていき、町の人がその災いを負います。小象はそれを「通行人が牛を得て、町の人の災いとなる」と言い直します。九四は「貞しくできる、咎なし」で、小象は「もとから持っている」。九五は「無妄の病。薬を用いなくても喜びがある」。妄がなくて生じた病は、薬がなくても喜びになります。小象は「病」を「薬」に替え、「無妄の薬は、試してはならない」。上九は「無妄でも、進めば眚があり、利するところはない」。小象は「無妄の行いは、窮まる災いである」と評します。

無妄の隣の卦:大畜・升・漸、そして序卦伝の「不妄」

無妄を上下逆にすると大畜になります。それぞれの爻の陰陽を替えれば升、互卦は漸で、中の四本を組み直したもの。組み直し方は六十四卦の構造で見られます。

無妄123456互卦:漸123456
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無妄123456互卦:漸123456
無妄とその互卦の漸:無妄の中の四本の爻を上下二組に分け直すと、漸になる。

序卦伝は、無妄を前の卦にごく短い一句でつなぎます。

復れば妄はない

序卦伝(訳・抜粋)

復ったなら、妄はない。次の大畜について、序卦伝は、この妄のなさがあってはじめて蓄えられる、と述べています。

読んだあとの疑問

「無妄」は「妄がない」ですか、「妄であってはならない」ですか。

字面は「妄がない」で、状態を言っており、命令ではありません。序卦伝は「復れば妄はない」と前の卦から受けています。引用するときは字面のまま書き、「〜してはならない」に直さないほうが安全です。

成語「無妄の災い」は、六三とどう関係しますか。

六三が書くのは一つの場面です。誰かが牛をつないでおくと、通りがかりの人がそれを引いていき、町の人が災いを負う。理由のない災難を指す成語は、一般にここに遡ります。ただし爻辞自体は、この場面だけを述べ、規則にまとめてはいません。

六二の「耕さずして穫り、菑せずして畬す」は、どう区切りますか。

二通りの読みがあります。続けて「耕さずに収穫し、開墾せずに熟した畑を得る」と読む場合と、収穫を目当てにせず耕し、熟した畑を目当てにせず開墾する、と分けて読む場合です。本文は数文字だけで、小象も「まだ豊かでない」と言うだけで、どちらかは示しません。

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資料・出典

  1. 周易·无妄(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):乾、健也;震、动也 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

復卦:雷が地の中にある、「遠くへ行かずに復る」から「迷って復る」まで ↗

大畜卦:山の中の天、「畜」の一字にある止めると蓄える ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗