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HEX-009 / 共通の方法

小畜卦:雲は集まった、雨は降ったか

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小畜卦:雲は厚く、雨はまだ

小畜は下が乾、上が巽で、陽爻五本のなかの陰爻は第四爻の一本だけ。卦辞「厚い雲があるのに雨は降らない」、大象「風が天の上を行く」、そして爻辞に何度も出る「復」「孚」「雨」を読みます。

要点を先に約6分で読めます

小畜の形は陽爻五本に陰爻一本ですが、原文が描くのは天気です。雲は集まったのに雨は降らない。六つの爻辞には復・孚・雨の三字が繰り返し出て、雨が降り終わるところまで天気を追います。

  • 小畜は乾(天)の上に巽(風)を重ね、陰爻は第四爻だけ。彖伝はこの一本で卦名を説明する。「柔が位を得て、上下がこれに応じる」。
  • 卦辞の「厚い雲に雨なし」「わが西の郊より」に、彖伝は「なお進んでいる」「施しがまだ行われない」と答える。乾は雲が行き雨が施され、小畜は雨が降らずにいる。
  • 「復」は初九と九二、「孚」は六四と九五、「雨」は上九に出る。九三は夫婦がそっぽを向く唯一の爻。
18秒で、陽五本と陰一本を数え、「復・孚・雨」をたどって六つの爻を歩き、小畜を読む三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

風が天の上に:陽五本に陰一本

小畜の下卦は乾(天)、上卦は巽(風)で、「乾下巽上」と読みます。六本のうち切れているのは第四爻だけで、ほかはすべて切れない陽爻です。陰爻は六四の一本きりです。説卦伝は乾に「健(力強い)」、巽に「入(入り込む)」の字を与えています。

小畜と錯卦の豫を並べた図:左は陽爻五本のなかで、第四爻だけが切れた陰爻(下は乾、上は巽)。右は陰爻五本のなかで、第四爻だけが切れない陽爻(下は坤、上は震)。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

小畜と錯卦の豫:陰が第四位にある形と、陽が第四位にある形は、互いの錯卦です。

上卦:巽風・陰爻がいちばん下に敷かれる下卦:乾天・陽爻三本
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上卦:巽風・陰爻がいちばん下に敷かれる下卦:乾天・陽爻三本
小畜は二層:上に巽(風)、下に乾(天)。陰爻は第四爻だけ。

まず三つの語

畜
卦名の字。序卦伝は「物が蓄えられてはじめて礼がある」と言い、畜は物を積み集めること。彖伝は、なぜ小畜と呼ぶかを「柔が位を得て、上下がこれに応じる」と説明する。
柔が位を得る
彖伝の語。柔は陰爻、位はその爻のいる場所。六四は陰爻で第四位にあり、この位は陰の位なので「位を得た」と言う。
巽
上卦で、象は風。説卦伝は「巽は入ること」と言う。風は隙間をたどって入っていく。

卦辞:雲は集まった、雨はまだ降らない

小畜の卦辞は短く、「うまく通じる。厚い雲があるのに雨は降らない。雲は私たちの西の郊外から来る」。「うまく通じる」の一語のあとに、空の景色が描かれます。雲は厚いのに雨が降らず、雲は「私たち」の西の郊外から来る。彖伝は一句ずつ応じます。

卦辞うまく通じる厚い雲に雨なし私たちの西の郊外から彖伝力強く入り込み、剛が中で志が行われるなお進んでいる施しがまだ行われない
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卦辞うまく通じる厚い雲に雨なし私たちの西の郊外から彖伝力強く入り込み、剛が中で志が行われるなお進んでいる施しがまだ行われない
卦辞の三句と彖伝の応答:通じるのは、力強く入り込み、剛が中で志が行われることから。雲はなお進み、雨の施しはまだ行われない。

彖伝はまず「うまく通じる」を解きます。乾は力強く、巽は入り込み、陽爻が中にあって志が行われるから通じる。「なお進んでいる」は雲がまだ進んでいること、「施しがまだ行われない」は雨がまだ施されていないこと。「施」の字は乾の彖伝にも出ます。「雲が行き、雨が施される」、雲が進めば雨が施される。小畜は雲が厚くなり、雨はまだ施されない。同じ空の景色が、途中で止まっています。

大象:風が天の上を行く、君子は文の徳を磨く

小畜の大象は「風が天の上を行くのが小畜。君子はこれにならい、文の徳を美しく磨く」。前半は卦の象で、風(巽)が天(乾)の上にあります。後半は行いで、「文の徳を美しく磨く」。懿は美しくすること、文徳は文教の徳です。

風が天の上巽が乾の上小畜卦名文徳を磨く君子は
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風が天の上巽が乾の上小畜卦名文徳を磨く君子は
小畜の大象:まず風が天の上、次に卦名の小畜、最後に君子のする一つのこと、文徳を磨くこと。

乾の大象と並べてみます。乾上乾下は「天の運行は力強い」で、動くのは天そのもの。小畜は上卦が風に変わり、動くのは天の上の風です。行いも小さくなります。乾は「自ら努めて休まない」、小畜の君子がするのは一つだけ、文の徳をもっと美しくすることです。

六つの爻:復、孚、雨

六つの爻辞には、三つの字が繰り返し出ます。「復」は初九と九二、「孚」は六四と九五、「雨」は上九。卦辞の「雨なし」が、ここで「すでに雨が降った」になります。

爻位爻辞小象初九自分の道を戻るその道理は吉九二引かれて戻る、吉自分を失わない九三車の縛りが外れ、夫婦が背く家を保てない六四誠あり、血去り、おそれ出る上と志が合う九五誠で結ばれ、隣と富む独り富まない上九雨が降り、落ち着いた徳が積もり載る
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爻位爻辞小象初九自分の道を戻るその道理は吉九二引かれて戻る、吉自分を失わない九三車の縛りが外れ、夫婦が背く家を保てない六四誠あり、血去り、おそれ出る上と志が合う九五誠で結ばれ、隣と富む独り富まない上九雨が降り、落ち着いた徳が積もり載る
六つの爻辞と小象:戻る、引かれて戻る、車の縛りが外れる。そして誠、結ぶ誠。最後に雨が降り、落ち着く。

初九の「自分の道を戻る」は、自分の道をたどって戻ること。「どうして咎めがあろうか」と続きます。九二の「引かれて戻る」は引かれて戻ることで、小象は「自分を失わない」と評します。二本の陽爻はどちらも上へ行こうとして、まず引き返し、爻辞の終わりはどちらも「吉」です。

九三は違います。「車の輻が外れ、夫婦が目をそらし合う」。小象の評は「家を正しく保てない」。下の三本のうち、「吉」のない唯一の爻です。

六四は卦でただ一本の陰爻です。「誠があり、血は去り、おそれは出ていく。咎めはない」。傷みが去り、おそれも出ていきます。小象は「上と志が合う」と添えます。九五は「誠がかたく結ばれ、隣とともに富む」。誠が人をつなぎ、富も隣と分け合う。小象は「独りで富むのではない」と言います。

小畜の隣の卦:豫・履・睽

小畜の錯卦は豫で、二つの卦は線が一本ずつ正反対です。陽五本に陰一本の側が陰五本に陽一本の側と向き合い、はみ出た一本はどちらも第四位にあります。逆さに見ると履で、陰爻は第三位。第二から第五の爻を取って上下に分け直すと睽になります。

綜卦:履123456乾・天兌・沢互卦:睽123456離・火兌・沢
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綜卦:履123456乾・天兌・沢互卦:睽123456離・火兌・沢
小畜の綜卦の履と互卦の睽を並べる:履の陰爻は第三位、睽は陰爻が二本で、第三位と第五位にある。

寄り添い合えば、必ず蓄えるものが生まれる。だから小畜が続く。

序卦伝(訳)

小畜は比のあとに置かれ、そのあとに履が来ます。序卦伝は、物が蓄えられてから礼がある、と言います。雑卦伝が小畜に与えるのは一字、「寡(少ない)」。図をもう一度見ると、陰爻一本に陽爻五本、少ないのは陰の側です。

読んだあとの疑問

小畜の「畜」はどういう意味ですか。

序卦伝は「物が蓄えられてはじめて礼がある」と言い、畜は物を積み集めること。雑卦伝は小畜に「寡(少ない)」の一字を与えています。爻辞のなかでは、積み集めは少しずつで、雲は集まったが雨はまだ降りません。

九三の「夫婦が目をそらし合う」は結婚のことを言っているのですか。

字面では、車の輻が外れ、同じ車の夫婦がそっぽを向く場面です。小象は「家を正しく保てない」と評します。古い文章のなかの一枚の絵で、読むときはその書かれ方を見ます。

上九に「雨」と「君子が出向けば凶」が同居するのはなぜですか。

「すでに雨が降り、すでに落ち着いた」は雨が降り終わったこと、小象は「徳が積もって載せている」と評します。「君子が出向けば凶」は別の層で、小象も「疑うところがある」と別に評します。二つの評は、それぞれ自分の句に付いています。

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資料・出典

  1. 周易·小畜(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗
  3. 杂卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

比卦:陰五本に陽一本、「誰に」「どこから」寄り添うかを読む ↗

履卦:同じ「虎の尾を踏む」に、三つの結び ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗