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HEX-056 / 共通の方法

旅卦:旅人の宿・路銀・従者

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旅卦:旅人の得たものと失うもの

旅は六十四卦の第五十六卦で、上が離(火)、下が艮(山)。卦辞の「小さな通り」、大象の「明らかに慎み、獄に滞らせない」、そして旅人の宿・路銀・従者の得失を数える六つの爻辞を読みます。

要点を先に約6分で読めます

旅卦の爻辞は、旅人の持ち物帳のように読めます。宿、路銀、従者。三つ揃う爻があり、宿を焼かれて従者を失う爻があり、最後の爻では巣まで焼かれます。

  • 旅は離(火)の下に艮(山)を重ねた卦。彖伝は「止まって明るさに寄りそう」とまとめる。下の卦が止まり、上の卦が光に寄りそう。
  • 大象には旅人が出てこない。山の上を燃えて過ぎ、とどまらない火の姿を取り、「明らかに慎んで刑を用い、獄に事を滞らせない」に落とす。
  • 爻辞には宿(宿・場所・巣)、金品(路銀・斧・牛)、従者が繰り返し出る。六二は三つ揃い、九三は二つを失い、上九は巣まで焼かれる。
18秒で、山の上に火がある卦の形、旅人の得失の起伏、爻ごとに確かめる三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

山の上の火:下が艮、上が離

旅の上半分は離(火)、下半分は艮(山)です。説卦伝は艮に「止まる」、離に「寄りそう」の一字を与え、別の箇所では離を「明るさ」とも言います。下から数えると、陰爻が二本、陽爻が二本、陰爻が一本、陽爻が一本。艮は陰二本の上に陽が一本、離は陽・陰・陽で、陰爻が二本の陽爻の間に入っています。

旅とその錯卦の節を並べる:左は旅で、下から陰・陰・陽・陽・陰・陽、下卦は艮(山)、上卦は離(火)。右は節で、旅のすべての爻の陰陽を入れ替えたもの、下卦は兌(沢)、上卦は坎(水)。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

旅と錯卦の節:錯卦は六本すべての陰陽を入れ替えたものです。

上卦:離陽・陰・陽、火、寄りそう、明るさ下卦:艮陰・陰・陽、山、止まる
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上卦:離陽・陰・陽、火、寄りそう、明るさ下卦:艮陰・陰・陽、山、止まる
旅の積み方:離(火)を艮(山)の上に載せると、火が山の上に来る。

旅卦に出てくる三つの言葉

旅
自分の居場所を離れ、外にいる人。序卦伝は豊のあとに置く。大きさを極めれば居場所を失う、だから旅が続く。
宿
旅人が夜に泊まる場所。六二ではそこに着き、九三では焼かれる。
資斧
路銀と斧。旅人が持ち歩く金品と道具、と読まれることが多い。

小さな通りと、旅人の正しさ

旅の卦辞は「小さな通りがある。旅人は正しさを守れば吉」。「小さな」という限定が印象的で、彖伝はこれを卦の形で説明します。

旅、小さな通りがある。柔が外の卦の中ほどを得て、剛に従い、止まっては明るさに寄りそう。だから小さな通りがあり、旅人は正しさを守れば吉となる。旅の時というものの意味は、なんと大きいことか。

彖伝・旅(訳)
柔が外の中ほど六五は上の卦の中剛に従う九四と上九の間止まり明に寄る艮は止まり離は明
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柔が外の中ほど六五は上の卦の中剛に従う九四と上九の間止まり明に寄る艮は止まり離は明
彖伝は「小さな通り」を三つの観察で説明する:六五が外の卦の中位にあり、二本の陽爻に挟まれ、下の卦が止まって上の卦が明るさに寄りそう。

この三つは、図の線を数えれば確かめられます。旅の二つの中位(二と五)はどちらも陰爻で、「柔が外の卦の中ほどを得る」のは六五、上の卦、つまり「外」にある爻です。下に九四、上に上九があって、二本の陽爻に挟まれる形が「剛に従う」。「止まって明るさに寄りそう」は二つの卦を合わせた読みで、下の艮は止まり、上の離は光に寄りそう。止まりながら光のほうを向く旅人だから、「小さな通り」にとどまります。最後の「旅の時の意義は大きい」は、旅を「時」の中に置く感嘆です。それ以上の説明はありません。

大象:山の上の火、明らかに慎み、滞らせない

旅の大象には、旅人が出てきません。

山の上に火がある、これが旅。君子はこれにならい、刑罰を明らかに慎重に用い、獄に事件を滞らせない。

象伝・旅(訳)

山の上の火は、燃え広がって過ぎていき、一か所に長くとどまりません。君子はここから三つの語を得ます。明らか、慎重、滞らせない。伝統的には卦の形に合わせて読まれます。離は明るさ、艮は止まること。止まって軽々しく動かないのが慎重さで、とどまらない火は、事件を獄に置いたままにしないことにあたります。

象:山の上の火上の離:火、明るさ下の艮:山、止まる火は燃え移って過ぎる君子は:三つの語明らか:はっきり見る慎重:丁寧に用いる滞らせない:延ばさない
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象:山の上の火上の離:火、明るさ下の艮:山、止まる火は燃え移って過ぎる君子は:三つの語明らか:はっきり見る慎重:丁寧に用いる滞らせない:延ばさない
旅の大象:先に山の上の火の象、次に君子が刑を用いる行いを三つの語で言う。明らか・慎重・滞らせない。

この一文には「旅人」も「旅」も出てきません。大象が借りるのは火の足取りで、先へ進み、もとの場所にとどまらない姿です。

六つの爻:旅人が持つもの、失うもの

六つの爻辞のうち四つは、旅人の持ち物を一つずつ数えています。泊まる場所、持ち歩く金品、連れている人。

爻位宿路銀従者六二宿に着く路銀を懐に従者を得る九三宿を焼かれる—従者を失う九四落ち着く場所路銀と斧を得る—上九巣が焼ける牛を失う—
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爻位宿路銀従者六二宿に着く路銀を懐に従者を得る九三宿を焼かれる—従者を失う九四落ち着く場所路銀と斧を得る—上九巣が焼ける牛を失う—
旅の四つの爻辞に出る旅人の宿・路銀・従者:六二は三つ揃い、九三は二つ失い、九四は二つ得ても心が晴れず、上九は巣が焼け牛を失う。

表にない二つの爻は、別のことを書いています。いちばん下の初六は「旅人が細かなことにこだわる。それが自ら災いを招くもと」。小象は「志が行き詰まっている」と評します。六五は「雉を射て、矢を一本失う。最後には誉れと任命を得る」。小象は「上に届く」と言い、上の者のところまで伝わった、という意味です。

表に戻ります。六二はすべてを持つ爻で、小象は「最後まで落ち度はない」と言います。九三は「宿を焼かれ、従者を失う」。小象はまず「すでに痛手だ」と言い、続けて、旅の身で下の者とこう関われば、筋が通らなくなる、と添えます。九四は落ち着く場所を得て、路銀と斧も手にしますが、「私の心は晴れない」。小象は二句で評します。まだ位を得ていない、心がまだ晴れない。最上の上九では、鳥が巣を焼かれ、旅人は先に笑い、あとで泣き叫びます。「牛を易で失う」の「易」は、田の境と読む説と、うかつさと読む説が知られています。小象は「結局、誰の耳にも届かない」で結びます。

六つを並べると、起伏のある線になります。初六は自らもめごとを招き、六二はすべてを持ち、九三は二つを失い、九四は持っていても晴れず、六五は失って得て、上九は巣を焼かれ牛を失います。

豊・大過・節:旅の隣の卦と、豊のあとに置かれる理由

旅を上下逆にすると豊になるので、豊は旅の綜卦です。互卦は大過で、旅の第二〜四爻が巽、第三〜五爻が兌になり、下が巽、上が兌の形です。錯卦は節で、上の図に出ています。

綜卦:豊123456互卦:大過123456
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綜卦:豊123456互卦:大過123456
旅の綜卦の豊と互卦の大過を並べる:豊は旅を上下逆にしたもの、大過は旅の中の四本の爻で組み直した卦。

序卦伝の説明は一行です。

大きさを極めた者は必ず居場所を失う。だから旅が続く。

序卦伝(訳)

豊は「大」で、大を極めれば居場所を失うので、旅は豊のあとに置かれます。旅の次の卦は巽で、序卦伝は、旅人はどこにも受け入れられないので「入る」が続く、と言います。錯卦の節は反対向きで、初めの二つの爻はどちらも庭にとどまり、外へ出ません。旅は、いつも外にいる人の卦です。

読んだあとの疑問

旅卦は、旅に出るのはよくないという意味ですか。

そうは書かれていません。卦辞は「小さな通りがある。旅人は正しさを守れば吉」。六つの爻辞のうち三つは失うこと(初六・九三・上九)、三つは得ること、または最後に誉れを得ること(六二・九四・六五)を書いています。

「資斧」とは何ですか。

字面では路銀と斧。旅人が身につけて行く金品と道具と読まれることが多いようです。旅の九四は「資斧を得る」、すぐ次の巽の上九は「資斧を失う」と書きます。

旅と豊はどういう関係ですか。

互いに綜卦です。旅を上下逆にすると豊になります。豊は盛んで大きいこと。序卦伝は、大きさを極めると居場所を失うので旅が続く、と説明します。

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資料・出典

  1. 周易·旅(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):艮止、离丽、离明 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

豊卦:正午に北斗が見える、大きくなるのは遮るもの ↗

巽卦:風の上に風、「寝台の下」が二度出てくる ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗