需卦:待つ六つの場所
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需は六十四卦の五番目で、下が乾、上が坎、名は「待つ」の意味です。卦辞「孚あり、光いに亨る」、大象の飲食宴楽、そして郊・砂・泥・血・酒食・穴の六つの場所を挙げる爻辞を読みます。
要点を先に約5分で読めます
需卦の六つの爻辞は、ほとんどが場所を告げます。郊、砂、泥、血、九五で酒食、上六で穴。同じ「待つ」が、町の外から一歩ずつ穴の中へ進みます。
- 需は乾の上に坎を重ね、『彖伝』は冒頭で名を説明する。「需とは待つこと。険が前にある。剛健で陥らない」。需とは待つこと。
- 「飲食」は三か所に出る。『序卦伝』の「需とは飲食の道」、大象の「飲食宴楽」、九五の「酒食に需つ」。
- 六つの爻辞は郊・砂・泥・血・酒食・穴の順。穴の字は六四の「穴から出る」と上六の「穴に入る」に、出と入で現れる。

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乾が下、坎が前:「需とは待つこと」
需は五番目の卦で、下が乾、上が坎。爻を下から数えると、陽が三本続き、そのあと陰、陽、陰。下の連なった三本の陽爻が乾、その上で一本の陽爻が二本の陰爻にはさまれたものが坎。『説卦伝』は「乾は健」「坎は陥」と言います(八卦の取象は八卦に)。『彖伝』は、まず名そのものを説明します。
需とは待つこと。険が前にある。剛健で、落ち込むことがなく、その道理は行き詰まって窮することがない。
需と綜卦の訟:綜卦は図形全体を上下逆にしたもので、乾と坎が位置を入れ替えます。
「須」は待つこと。続く文は三つの層に分けられます。前に険があり、自分は剛健だから、陥らない。だから、道理のうえで行き詰まることがない。
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図形に当てはめると、前にある険は上卦の坎で、剛健は下卦の乾。険が前、剛健が後ろです。
卦辞:孚あり、光いに亨る、大川を渡る
需の卦辞は「孚あり、光いに亨る。貞しければ吉。大川を渡るのによい」。孚は誠、光亨は明るく通じること、貞吉は正しさを守れば吉、利涉大川は大きな川を渡るのによいということです。名は待つなのに、卦辞は通じ、吉、渡河へと進み、『彖伝』は一句ずつ答えます。
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「天の位にあり、正しく中だから」の一句は、伝統的には九五が上卦の中の位にあることを指します。確かめ方は爻位の、需を例にした節にあるので、ここでは繰り返しません。「大川を渡る」については、『彖伝』は「往けば功がある」とだけ言います。前に険があっても、卦辞は渡るのがよいと言い、卦辞全体に「動くな」の類の言葉はありません。
雲が天の上に:大象の飲食宴楽
需の「象」は「雲が天の上にあるのが需。君子はこれにならい、飲み食いし、宴を楽しむ」です。雲が空に昇り、下が乾、上が坎に対応します。君子のふるまいは、飲食と宴に向かいます。
雲が天の上にあるのが需。君子はこれにならい、飲み食いし、宴を楽しむ。
この卦の本文には、飲食が三か所に出ます。『序卦伝』に一つ、大象に一つ、九五に一つ。
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並べると、この卦では、待つことが飲み食いと結びついています。
郊・砂・泥・血・酒食・穴:六つの場所
需の六つの爻辞では、「需つ」のあとに場所が来ます。郊、砂、泥、血、酒食。最後の爻だけは「穴に入る」に変わります。場所ごとに判断が付き、小象がもう一言添えます。
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下卦の三本は地上です。郊、砂、泥。伝統的には、険が前にあるので、一歩ずつ水に近づく、と読まれることが多い並びです。初九の「恒を守るのがよく、咎めなし」に、小象は「難を冒して進まない」と言います。九二の「少し噂が立つが、終わりは吉」は、吉で終わります。九三の「賊を招き寄せる」には、小象が最も大きく転じます。「災いはまだ外にある」「自分が賊を招いた」「敬い慎めば敗れない」。
上卦の三本はまさに坎です。六四の「血に需ち、穴から出る」には、小象は四字だけ。「従って聴く」。九五は酒食で、「貞しければ吉」。上六は「穴に入る」。そこへ呼ばれない客が三人やって来て、丁重に迎えれば終わりは吉、と続きます。『説卦伝』で坎は「陥」で、穴も落ち込んだ場所ですから、並べて見ることができます。六四には「穴から出る」、上六には「穴に入る」、同じ穴の字が、出と入で現れます。
需と訟:位置を入れ替えた二つの卦
需の綜卦は訟です。需を上下逆にすると、下卦の乾と上卦の坎が位置を入れ替え、坎が下、乾が上になります。需は険が前で、剛健が下。訟の『彖伝』は「上は剛、下は険」と言います。
『序卦伝』はまず「需とは飲食の道」と言い、続けて飲食には必ず争いがあるとして、次の卦を訟にします。需の錯卦は晋、互卦は睽です。
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読んだあとの疑問
需卦は、何もせず待っていればよいという教えですか。
原文の「需」はたしかに待つことです。しかし卦辞は「孚あり、光いに亨る」「大川を渡るのによい」と言い、九五が待つのは酒食のそば、大象のふるまいは「飲食宴楽」です。この卦の待つことは、誠・食事・川を渡ることと結びついていて、「動くな」とだけ言う句はありません。
「呼ばれない客が三人来る」の三人は誰ですか。
原文は述べていません。「不速」は招かれていないこと、「三人」はただの数です。小象は「敬えば終わりは吉」「位に当たらなくても大きな失いはない」と評すだけで、三人が誰かは本文にないので、そこまでしか読めません。
「血に需つ」は、流血のことですか。
字面では「血」のところで待ち、そのあと「穴から出る」と続き、小象は「従って耳を傾ける」と評します。何の血か、どの穴から出るのかは、原文に書かれていません。上卦の坎の「陥」と並べて読むこともできますが、それは一つの読み方であって、本文の定義ではありません。
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