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HEX-052 / 共通の方法

艮卦:止まるのは体のどこか

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艮卦:止まる、足の指からあごまで

艮は六十四卦の第五十二卦で、上も下も艮、山が連なります。卦辞の「背で止まる」、彖伝の「止まる時には止まり、行く時には行く」、そして六つの爻辞が足の指からあごまで「止」を一か所ずつ問う様子から、艮の「止」を読みます。

要点を先に約6分で読めます

艮は「止まる」という意味です。ところが原文は、止まることを抽象的に語りません。足の指で止まる、ふくらはぎで止まる、腰で、胴で、あごで。一か所ずつ問います。

  • 艮は艮を二つ重ねた卦で、各卦は陽爻一本の下に陰爻二本。説卦伝は「艮は止まる」、大象はこれを「山が連なる」と呼ぶ。
  • 彖伝はまず「止まる時には止まり、行く時には行く」と言い、卦の形で結ぶ。「上と下が敵応」、初と四、二と五、三と上は、どの組も陰陽が同じで、応じ合わない。
  • 爻辞は足の指からあごまで、五つの部分で止まる。最後の爻は部分を書かず「敦艮」だけで、小象は「厚く終わる」と評する。
18秒で、艮卦の連なる二つの山、足の指からあごまで「止」が落ちる四か所、そして読む前の三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

山が二つ連なる:陽爻が一番上

艮は第五十二卦で、上卦も下卦も艮、大象はこれを「山が連なる」と呼びます。三爻の形は、一番上に陽爻が一本、その下に陰爻が二本。説卦伝は艮に「止まる」の一字を与え、象は山、人でいえば少男にあてます。

艮とその綜卦の震を並べる:左は艮で、下から陰・陰・陽・陰・陰・陽、上卦も下卦も艮(山)。右は震で、艮を上下逆さにしたもの、陽・陰・陰・陽・陰・陰、上卦も下卦も震(雷)。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

艮と綜卦の震:艮を上下逆さにすると震になり、山(止まる)の鏡像は雷(動く)です。

震:動く陽が一番下に一本雷艮:止まる陽が一番上に一本山
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震:動く陽が一番下に一本雷艮:止まる陽が一番上に一本山
三爻の艮は、震を上下逆さにした形。震は陽爻が一番下、艮は陽爻が一番上にある。

伝統的には、「止」をこう理解します。陽爻はこの三爻の卦のいちばん高いところに立っていて、その上にはもう位置がない。震の陽爻は一番下にあって、上にまだ二つ行き先がありますが、艮の陽爻の上には何もありません。

読む前に知る体の四つの語

足の指とふくらはぎ
趾は足の指、腓はふくらはぎ。初六と六二が、この二か所から始まる。
腰と背骨のわき
限は、伝統的には腰、上半身と下半身の境目と読み、夤は背骨のわきの肉と読むのが一般的。九三はこのあたりを言う。
胴とあご
身は胴体、輔は頬から口のわきあたり。六四と六五がそれぞれを言う。
厚い
敦は、ずっしりと厚いこと。最上の爻は「敦艮、吉」の三字だけ。

卦辞と彖伝:背で止まるから、人を見ない

艮の卦辞は短い句の連なりです。「背で止まる。その身を捉えない。庭を歩いても、その人を見ない。咎めなし」。背は人が自分では見えない側で、卦辞は続けて、庭を歩き回っても「人を見ない」と言います。字面では、背と「見えない」が呼び合っています。なぜ背を選んだのかは、原文はそれ以上述べていません。

艮は止まること。止まる時には止まり、行く時には行く。動くことも静かなことも時を失わず、その道は明るい。「止まるべきところに止まる」とは、居るべき所に止まること。上と下が敵として応じ、互いに結びつかない。だから「その身を捉えず、庭を歩いても人を見ない、咎めなし」となる。

彖伝・艮(訳)
彖伝の中心の句時に止まる止まる時に止まる時に行く行く時に行く時を失わない動も静も時に合う卦の形で結ぶ上下敵応陰陽が同じ結びつかない応じ合わない咎めなしだから咎めなし
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彖伝の中心の句時に止まる止まる時に止まる時に行く行く時に行く時を失わない動も静も時に合う卦の形で結ぶ上下敵応陰陽が同じ結びつかない応じ合わない咎めなしだから咎めなし
彖伝の二つの組:止まることも行くことも時に合わせること。次に卦の形で、上下の卦の対応する位置が同じ陰陽なので応じ合わない、と言う。

「艮は止まること」は卦名の定義です。続く「止まる時には止まり、行く時には行く」は、止まることを時機の中に置き直します。止まるのは動かないことではなく、止まる時に止まり、行く時に行くこと。だから「動も静も時を失わない」のです。

最後の句は、卦の形に当てはめて見ることができます。上下の卦で向かい合う位置は三組、初と四、二と五、三と上です。艮では、初六と六四はどちらも陰、六二と六五もどちらも陰、九三と上九はどちらも陽。三組とも同じ陰陽で、これを「敵応」と言い、互いに応じ合いません。

大象:山が連なる、君子の思いは位を出ない

山が連なる、これが艮。君子はこれにならい、思いがその位を出ないようにする。

象伝・艮(訳)
上卦:艮山、止まる下卦:艮山、止まる
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上卦:艮山、止まる下卦:艮山、止まる
山が連なる:一つの山にもう一つの山が続く、艮の大象。

「兼」は連なること。兼山は、二つの山が続いていることです。君子の行いは「思いがその位を出ない」こと、つまり考えが自分の立つ位置を越えないようにすることです。

六つの爻辞と並べると、違いが見えてきます。爻辞が止めるのは体で、足の指からあごまで。大象が止めるのは思いです。この「位」は、彖伝の「居るべき所に止まる」ともつながります。所とは、いるべき位置のことです。

六つの爻辞:足の指からあごまで、そして「敦」

初めの五つの爻辞は、同じ型を使います。「……で止まる」。そのあとに来るのは、体を下から上へ五か所。最後の爻だけは部分を書きません。

爻位部分爻辞小象初六足の指足の指で止まる、咎めなし正しさを失わない六二ふくらはぎふくらはぎで止まるまだ退いて聴かない九三腰腰で止まる、背が裂ける危うく心を灼く六四胴胴で止まる、咎めなし身で止まる六五あごあごで止まる、言葉に序中正だから上九—厚く止まる、吉厚く終わる
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爻位部分爻辞小象初六足の指足の指で止まる、咎めなし正しさを失わない六二ふくらはぎふくらはぎで止まるまだ退いて聴かない九三腰腰で止まる、背が裂ける危うく心を灼く六四胴胴で止まる、咎めなし身で止まる六五あごあごで止まる、言葉に序中正だから上九—厚く止まる、吉厚く終わる
艮の六つの爻辞と小象:五つの爻が下から足の指・ふくらはぎ・腰・胴・あごのそれぞれで止まり、最後は「厚く止まる」だけを言う。

初六「足の指で止まる、咎めなし、永く正しさを守るのがよい」。歩き出そうとする足の指で止まるので、咎めはなく、小象は「正しさを失っていない」と言います。六二「ふくらはぎで止まるが、従うものを引き上げられず、心が晴れない」。腓はふくらはぎで、伝統的には、ふくらはぎは上の部分について動くもので、自分では引き留められない、と読みます。だから心が晴れないのです。六二の真上には、九三の陽爻があります。

次に九三。「腰で止まる、背骨のわきの肉が裂ける、危うさが心を灼く」。ここは通行本に従います。「裂ける」にあたる字は伝統的に「裂」と読み、「灼く」にあたる字は版本によって別の字に作りますが、通行本と小象は「薫」で、これを伝統的には燻して焼く意味に読みます。限は上半身と下半身の境目で、第三爻はちょうど下卦のいちばん上、上卦に接する位置です。そこで止めると、背骨のわきの肉が裂け、危うく、心が灼かれる。六つの爻辞の中で「危うい」と書かれるのは、この爻だけです。

六四「胴で止まる、咎めなし」。小象は「身の中で止まる」。六五「あごで止まる、言葉に序があり、悔いが消える」。輔は頬から口のわきで、ここで止めるのは言葉を抑えること。言葉は筋道が整い(版本によっては「信頼できる」)、悔いも消えます。

最後の爻は部分を書かず、「厚く止まる、吉」。小象は「厚く終わる」。六つの爻辞の判断を下から並べると、咎めなし、心が晴れない、危うい、咎めなし、悔い消える、吉。九三がいちばん低く、そこから上へ上がっていきます。

震・兌・解:艮の隣の卦と、震のあとにある理由

艮の綜卦は震です(冒頭の図)。艮は止まる、震は動く。序卦伝が震のあとに艮を置く理由はごく短く、物はずっと動き続けられないので止める、「艮は止まること」というものです。艮の次の漸については、止まることも果てまでは続けられない、と述べています。

錯卦は兌で、説卦伝では兌は「悦ぶ」。互卦は解です。艮の第二・第三・第四爻を取ると陰・陽・陰で、下卦の坎。第三・第四・第五爻は陽・陰・陰で、上卦の震になります。

錯卦:兌123456互卦:解123456
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錯卦:兌123456互卦:解123456
兌と解を並べる:兌は艮の六爻を反対の陰陽にしたもの、解は艮の内側から取り出した下が坎、上が震の卦。

読んだあとの疑問

卦辞はなぜ「背」を選ぶのですか。

原文は理由を述べていません。字面では、背は自分には見えない側で、続く「人を見ない」と呼応しています。それ以上の理由は原文になく、こちらから足すべきでもありません。

艮は何もするなという意味ですか。

彖伝の答えは「止まる時には止まり、行く時には行く」。動くことも静かなことも時を失わない、というものです。止まるのは時を見ることで、ずっと動かないことではありません。

「腰で止まる、背骨のわきの肉が裂ける」とはどういう意味ですか。

最初の語は、伝統的には腰、つまり上半身と下半身の境目と読み、次の語は背骨のわきの肉と読むのが一般的です。六つの爻辞で「危うい」が出るのはこの爻だけですが、詳しい状況は書かれていません。

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資料・出典

  1. 周易·艮(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):艮止、震动 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

震卦:雷はどこまで届くか、手に残るものは ↗

漸卦:一羽の鴻、六つの降り場、一歩ずつ進む ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗