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HEX-014 / 共通の方法

大有卦:天の上に火、多くを持つとき

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大有:陽五つが陰一つを囲む

大有は第十四卦で、火が天の上にあり、六爻のうち第五位だけが陰爻です。彖伝は数ではなく位置で卦名を説明し、六つの爻辞は「害に関わらない」から「天から助けられる」まで進みます。

要点を先に約6分で読めます

大有は「たくさん持つ」という名ですが、彖伝が挙げる理由は、一本の陰爻が第五位に就き、上下の陽爻がみな応じていること、ただそれだけです。

  • 大有は離(火)の下に乾(天)が重なる卦で、六爻のうち六五だけが陰。錯卦の比は、同じ場所に陽爻が一本だけ立つ。
  • 彖伝は二段で説く。位置(柔が尊位を得る・中にある・上下が応じる)が卦名を、徳(剛健で文明)が「元亨」を説明する。
  • 大象の行いは「悪をおさえ善を広める」。六つの爻辞は順に、害に触れず・載せる・捧げる・見分ける・誠と威・天の助け。
18秒で、一本だけの陰爻を探し、彖伝が「大有」を三歩で読み立てる様子をたどり、この卦を読む三つの確認を持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

天の上に火:五本の陽爻が一本の陰爻を支える

大有は第十四卦で、下卦が乾(天)、上卦が離(火)です。六爻のうち陰爻は第五位の一本だけで、あとの五本は陽爻。卦名は字面では「たくさん持つ」ですが、彖伝は数を数えることから始めず、まずその一本の陰爻がどこに座っているかを見ます。

大有とその錯卦の比:左は大有で、五本の陽爻の中で第五位だけが切れた陰爻。右は比で、五本の陰爻の中で第五位だけが陽爻。大有は上卦が離(火)、下卦が乾(天)、比は上卦が坎(水)、下卦が坤(地)。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

大有と錯卦の比:どちらも、一本だけ違う爻が第五位にある。

上卦:離(火)寄りそう・明るい下卦:乾(天)健やか
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上卦:離(火)寄りそう・明るい下卦:乾(天)健やか
大有は二層:上卦の離(火)が下卦の乾(天)の上に載る。だから大象は「火が天の上にある」と言う。

まず三つの語

大有
字面は「たくさん持つ」。彖伝がこの名の理由に挙げるのは配置で、誰がどの位置にいて、誰が誰に応じるかである。
柔
陰爻のこと。大有では第五位の六五が唯一で、ほかの五本は剛(陽爻)。
尊位
爻の位の第五位。彖伝の「柔が尊位を得る」は、六五の陰爻がその位置に就くことをいう。

説卦伝は二つの三爻卦に一字ずつ与えています。乾は「健」、離は「麗(寄りそう)」で、離は「明るさ」でもあると言います。下に剛健、上に光明。重ねたものが、彖伝の後半の「剛健で文明的」です。

彖伝は「大有」をこう読み立てる:数でなく位置

彖伝は一文だけです。「大有は、柔らかい爻が尊い位を得て、大いに中の位にあり、上も下もこれに応じる。これを大有という。その徳は剛健で文明的、天に応じて時にかなって行われる。だから元亨(大いに通る)である。」前半が卦名の由来、後半が「元亨」の由来です。

「大有」と呼ぶ理由柔が尊位第五位の陰爻大いに中上卦の真ん中上下が応じる五本の陽爻「元亨」である理由剛健下卦の乾文明上卦の離天に応じる時に従う
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「大有」と呼ぶ理由柔が尊位第五位の陰爻大いに中上卦の真ん中上下が応じる五本の陽爻「元亨」である理由剛健下卦の乾文明上卦の離天に応じる時に従う
彖伝の二段の説明:位置(尊位・中・上下が応じる)が卦名を、徳(剛健・文明・天に応じて時に従う)が「元亨」を説明する。

三つの歩みのどこにも数字は出てきません。第五位は尊い位で、六五は上卦のちょうど真ん中にもある。これが「大いに中」です。残る五本の陽爻は、上に一本、下に四本、すべてこれに応じます。こうして彖伝の中の「大有」は一つの関係になります。その位置にいる者に、あらゆる方向から応える者がいる、ということです。

卦辞は二字、大象の行いは三つ

大有の卦辞は「元亨」の二字だけです。乾の卦辞は「元亨」の後に「利貞」が続きますが、大有はここで終わります。彖伝の最後の「だから元亨」は、いま挙げた二つの徳を受けています。

火が天の上にある。これが大有。君子はこれにならい、悪をおさえて善を広め、天の美しい命に従う。

大象・大有(訳)

大象には決まった形があり、まず卦の象、次に君子(卦によっては先王・后・大人)の行いを言います(形は卦辞・彖伝・象伝で扱います)。ここでの行いは三つ。悪をおさえる、善を広める、天の美しい命に従う。「休命」の「休」は美しい・よいの意で、天が与えるよい使命と読むのが普通です。

象:天の上の火上に離、火下に乾、天高く掲げた光君子の行い:三つ悪をおさえる善を広める天の美しい命に従う
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象:天の上の火上に離、火下に乾、天高く掲げた光君子の行い:三つ悪をおさえる善を広める天の美しい命に従う
大有の大象:火が高く掲げられ、君子は悪をおさえ、善を広め、天の命に従う。

離は「明」を取り、高く掲げた火はすべてを照らします。見えてこそ、悪と善を分けられる。一方をおさえ、一方をあげる。これは象と行いをつなぐ読み方の一つで、本文が与えているのは前半と後半の二つだけです。

六つの爻辞:多くを手にして、各爻は何をしているか

六つの爻辞のどれも、数の多さを誇ってはいません。語っているのは、持っているものをどう扱うかです。それぞれの後ろに小象の一句が付きます。

爻位爻辞小象初九害に関わらない害に関わっていない九二大きな車で運ぶ中に積んで崩れず九三公が天子に捧げる小人には害九四誇示しないはっきり見分ける六五誠が通じ威厳誠が志を引く上九天から助けられる天の助けによる
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爻位爻辞小象初九害に関わらない害に関わっていない九二大きな車で運ぶ中に積んで崩れず九三公が天子に捧げる小人には害九四誇示しないはっきり見分ける六五誠が通じ威厳誠が志を引く上九天から助けられる天の助けによる
大有の六つの爻辞と小象:害に触れず、載せ、捧げ、見分け、誠と威、天の助け。

初九は一番下で、「害と交わることなく、咎ではない。難しいこととして構えれば、咎はない」。まだ害に触れていなくても、難しい状況として扱うのがよい、ということです。九二は「大きな車に荷を載せる。行くところがあり、咎はない」。小象は「荷が中に積まれていて崩れない」と言い、ふつうは、内に積まれたものが損なわれない、と読みます。九三は「公が天子に捧げ物をする。小人にはできない」。小象ははっきり「小人には害となる」。

九四は「…を誇示しない。咎はない」で、「誇示しない」にあたる字は写本によって二通りに書かれ、意味も諸説あります。小象は「はっきり見分ける」とだけ言うので、そこに寄せて読むのが安全です。六五は全卦でただ一つの陰爻で、「その誠は交わり通じ、威厳がある。吉」。小象は二言あり、「誠が志を引き出す」「威厳が吉であるのは、平易で構えがないからである」。上九は「天から助けられる。吉で、何事も有利である」。小象は卦名から始まります。「大有の上、吉。天から助けられるからである」。

同人・比・夬:大有の隣の卦と、その次の謙

大有を上下逆さにすると同人になり、唯一の陰爻は第五位から第二位へ落ちます。このような逆さの関係を綜卦といいます。

大有123456綜卦:同人123456
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大有123456綜卦:同人123456
大有と綜卦の同人を並べる:上下を逆にすると、唯一の陰爻が第五位から第二位へ落ちる。

大有の錯卦は比です。すべての爻の陰陽が入れ替わり、五本の陽爻は五本の陰爻に、一本の陰爻は一本の陽爻になって、位置は同じ第五位のまま。互卦は夬で、第二〜第四爻を下卦、第三〜第五爻を上卦にすると、下が乾、上が兌になります。三つの隣は、それぞれ違うやり方で大有とつながっています。上下を逆にする、すべての爻を入れ替える、中の四爻を取る、の三通りです。

序卦伝は、大有を同人の後に置く理由をこう言います。

人と同じくする者のところへは、物が必ず集まる。だから大有が続く。

序卦伝(訳)

人と同じ立場に立つ者のもとに物は集まる。それで次にこの卦が来ます。その先で序卦伝は、たくさん持つ者は満ちてはならないと言い、次の卦を謙とします。大有の六つの爻辞が慎重さを帯びているのと、口ぶりが合っています。

読んだあとの疑問

大有は最も豊かでうまくいく卦ですか。

本文はそう言っていません。初九は難しいこととして構えることを求め、九三は「小人にはできない」と言い、序卦伝も「大きなものを持つ者は満ちてはならない」と続けます。量より、多くを持つときの持ち方が問われています。

陰爻が一本しかないのに、なぜ「大いに持つ」と言えるのですか。

彖伝はまさにその配置から説明します。陰爻が第五位にあり、上卦の真ん中にもあって、五本の陽爻が応じる。卦名の根拠は爻の数ではなく、この並びです。

大有と同人はどんな関係ですか。

互いの綜卦です。一方を上下逆にするともう一方になり、唯一の陰爻が第五位から第二位へ移ります。序卦伝も同人を大有の前に置いています。

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資料・出典

  1. 周易·大有(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):乾、健也;离、丽也 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

同人卦:門・宗・野・郊、人が集まる輪はどれだけ広いか ↗

謙卦:地の中に山、「名の聞こえる謙り」から「多いところから取る」まで ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗