知識ライブラリー
TA-CARD-023 / タロット

ワンドのエース:芽吹く杖

コンテンツ版 · · 資料・出典

ワンドのエース:まず一つを握る

ワンドのエースは、雲から出た手が太い杖を握る札です。ウェイトの本項・「別の説明」・補足の意味を分け、ランニング小グループの立ち上げを例に、「始めたい」を握る・芽・地に分けて確かめます。

要点を先に約7分で読めます

ワンドのエースにあるのは、手が一つと杖が一本。ウェイトの語義は創造・始まり・源と「来し方」を向きます。まず、今手の中にある一件は何かを問います。

  • ウェイトの描写は一文:雲から手が現れ、太い杖(wand or club)を握る。語義は創造・発明・企て、原理・始まり・源、誕生・家族・起源。
  • 同じ条に「別の説明」として金・財産・遺産がある。逆位置は墜落・衰退・破滅・堕落に、「雲のかかった一種の喜び」が添わる。
  • 補足の意味は向きが逆で、正位置は「あらゆる災い」、逆位置は「誕生の兆し」。練習に使うときは、握れる具体的な一件に落とす。
18秒で、葉の出た杖、三層の語義、ランニング小グループの三つの欄の順に見ます。

先に読む

タロットの七十八枚を構成から確かめる ↗

葉のついた杖:雲から出た手が握るもの

『タロットの絵解きの鍵』で、この札に割かれた文は一つだけ。雲の中から手が出て、太い杖、あるいは棍棒(a stout wand or club)をつかんでいる。人物はおらず、杖に何が生えているかの記述もありません。

ワンドのエース:雲から出た手が葉の伸びた杖を握り、背後に大きな日輪、右に赤い屋根の城、下に川と遠い山がある。三つのラベルは「葉のついた杖」「来し方を語る語」「まず握る一本」。元の図を開いて拡大する

BaZiFlowオリジナルのワンドのエースと三つの入口。

その一文の外に、RWS版の絵は多くを描いています。手は右側の雲の塊から出ていて、手のまわりに放射状の短い線があります。杖は赤褐色で、先端は丸くふくらみ、杖の幹と先から緑の葉が出ていて、数枚は空中に舞っています。下には穏やかな緑の野が広がり、左の小さな丘に城、中央を川が曲がって流れ、遠くに木々と青紫の山があります。これらは絵が与える情報で、ウェイトはこの条では触れていません。

縦に読むと三つの層があります。雲と手、杖と葉、地と水。手は一度しか現れず、杖は一本だけです。

雲と手雲から出た手杖と葉一本、葉が出る地と水緑の野、川、城
図を拡大 · 横にスクロールして読む
雲と手雲から出た手杖と葉一本、葉が出る地と水緑の野、川、城
雲の中の手、葉の出た杖、足元の地と川の三層。

原典の語義:始まりと源、そして「別の説明」の金

ウェイトの占断の語義は、一本の線をさかのぼるように並びます。創造、発明、企てと、それらを生む力。次に原理、始まり、源。さらに誕生、家族、起源、そして「ある意味でそれらの背後にある男性的な生殖力」(virility、1910年の言い方)。最後に「企ての出発点」。この列には結果を語る語が一つもなく、どれも「どこから来るか」を語っています。

そのあとに、別の説明では、この札は金、財産、遺産だ、と添えます。

創造、発明、企て……原理、始まり、源。誕生、家族、起源……企ての出発点。別の説明では、金、財産、遺産。

ウェイト「ワンドのエース」(要約訳)
本項の三つの列創造・発明・企て原理・始まり・源誕生・家族・起源同じ条の別の説明金財産遺産
図を拡大 · 横にスクロールして読む
本項の三つの列創造・発明・企て原理・始まり・源誕生・家族・起源同じ条の別の説明金財産遺産
一つの条に二組の語:本項は「来し方」を巡り、別の説明は「金」へ向かう。

前の組は「ものごとがどう始まるか」、後の組は「始めたあと手元に何があるか」を語ります。ウェイトは二つを同じ条に置き、順位をつけていません。

杖・葉・地:どの層が何を言うか

この札の象徴について、ウェイトがこの条で書くのは杖そのものだけです。葉も背景も書いていません。葉、川、城、日輪はすべて絵から来ています。

杖・葉・地と、それぞれの出どころの層

杖
ウェイトは「太い杖、あるいは棍棒」と書く。組の名はこれに由来し、絵では赤褐色で先が丸い。
葉
ウェイトは書いていない。RWS版では幹と先から葉が出て、数枚は空中にある。札の上で見える情報。
地と水
ウェイトは書いていない。絵には緑の野、川、小さな丘の城、遠い山がある。杖は虚空にあるのではなく、具体的な場所に向かっている。
物ウェイト絵現代の借用杖太い杖赤褐色・丸い先火・行動葉書かない杖に葉成長地書かない川・城出発する地
図を拡大 · 横にスクロールして読む
物ウェイト絵現代の借用杖太い杖赤褐色・丸い先火・行動葉書かない杖に葉成長地書かない川・城出発する地
三つの物の三層:ウェイトが書いたもの、絵で見えるもの、現代の学習が借りるもの。

葉を「すでに出ている兆し」に、地を「出発する場所」に見立てるのは、現代の学習が絵をもとに組み立てた練習です。次の節で両方を使いますが、ウェイトの文にはないので、借りた見立てだと添えておきます。

読み方:握れる一本の杖を見つける

ワンドのエースの絵は、そのまま練習の型になります。手、杖、杖の葉、足元の地。この型を身近な一件に当てはめます。たとえば、近所で毎週土曜朝のランニングの会を始めたい人がいるとします。よくある行き詰まりは、計画は三ページ書いたのに、実際に手の中にある一件がないことです。三つの問いは絵の三層に対応します。

  1. 手の中にあるのはどの一本か

    ウェイトの文にあるのは束ではなく一本の杖です。計画全体を、今週の土曜に終えられる一件に縮めます。朝七時に決め、三キロの周回コースを選び、その二つをグループに送る。残りは置いておきます。

  2. すでに芽が出ているのはどこか

    葉は杖から生えていて、あとから掛けたものではありません。会に当てはめれば、すでに出ている小さな兆しです。返信があった、何時かと聞かれた。書けないなら「まだない」と書きます。それも役立つ情報です。

  3. 足元はどんな地か

    杖は具体的な場所に向かっています。会に当てはめれば、集合場所、開始時刻、雨の日の扱い。これらが決まらないうちは、出発点はまだグループのチャットの中にあります。

この三問で「土曜朝ランの会」の表を作ります。

土曜朝ラン握った芽が出たまだ地時間土曜7:00二人が時刻確認雨天は未定道3km周回一人が走った終点は未定人発起人一人三人が返信先導は未定
図を拡大 · 横にスクロールして読む
土曜朝ラン握った芽が出たまだ地時間土曜7:00二人が時刻確認雨天は未定道3km周回一人が走った終点は未定人発起人一人三人が返信先導は未定
左の列は握ったもの、中の列はすでにある反応、右の列がこれから整える地です。

ランニングの会で、札が助ける範囲

見えてくる

  • 出発点は一件
  • 兆しはどこか

代われない

  • 何人来るか
  • いつまで続くか

今週埋める

  • 空き地を一欄
  • 一文でチャットへ

逆位置と隣の札:墜落、衰退、そして雲のかかる喜び

ウェイトの本項は、逆位置をかなり重く書きます。墜落、衰退、破滅、堕落、滅び。ところが最後に半句を添えます。「雲のかかった一種の喜びもある」。この半句の説明はありません。

墜落、衰退、破滅、堕落、滅び。雲のかかった一種の喜びもある。

ウェイト・ワンドのエース逆位置(要約)

補足の意味は別の読み手の言葉で、向きが本項とほぼ鏡写しです。正位置は「あらゆる災い」、逆位置はかえって「誕生の兆し」。

出どころ正位置逆位置本項創造・起点・源墜落・衰退・破滅補足あらゆる災い誕生の兆し
図を拡大 · 横にスクロールして読む
出どころ正位置逆位置本項創造・起点・源墜落・衰退・破滅補足あらゆる災い誕生の兆し
二つの出どころは向きが逆:本項の正位置は「誕生」へ、補足の正位置は「災い」へ向かう。

どちらの材料にも出どころがあります。逆位置を使うなら、どちらに従うかを先に示します。

三枚の札と、話題の置き場所

ワンドの2

次の札:杖が二本になる

城壁の上の男が地球儀を持ちます。ウェイトの語義は、両立しない二つの読みに分かれ、一方は富と壮麗、他方は苦悩と悲しみ。「始まり」から「見比べ」へ移ります。

カップのエース

同じ雲の中の手、持つのは杯

杯から四筋の水が流れ、鳩が聖餅を杯に降ろします。語義は真心の家、喜び、満足、住まい、滋養、豊かさ、多産。ワンドのエースは「どこから始めるか」、カップのエースは「何を満たすか」を見ます。

ペンタクルのエース

同じ手、掲げるのはペンタクル

語義は完全な満足、幸福、恍惚、そして迅速な知らせと金。金はワンドのエースでは「別の説明」にすぎませんが、ここでは語義が直接金に届きます。

一件を握るまず今ある芽を探す次に空き地を一つ埋める
図を拡大 · 横にスクロールして読む
一件を握るまず今ある芽を探す次に空き地を一つ埋める
この札から持ち帰るのは、握る一件、すでにある一つの兆し、これから埋める一つの地。

読んだあとの疑問

ワンドのエースは「新しい始まり」の札ですか。

ウェイトの語は原理・始まり・源で、「どこから来るか」を指し、一般に言う「新しい始まり」に近いものです。始めたあとの成り行きには触れず、同じ条の「別の説明」では金と遺産が挙がります。

ワンドのエースの逆位置はどういう意味ですか。

本項は墜落、衰退、破滅、堕落、滅びを挙げ、末尾に「雲のかかった一種の喜び」を添えます。補足の意味は逆向きで、逆位置が誕生の兆し。どちらに従うか、出どころを先に示します。

ワンドのエースの杖に葉があるのはなぜですか。

ウェイトの文は「太い杖」とだけ書き、葉には触れません。葉はRWS版の絵に描かれた細部で、木の枝に新しい葉が出ています。それを成長と読むのは絵の読み方で、ウェイトの解釈ではありません。

この記事は役に立ちましたか?

資料・出典

  1. The Pictorial Key to the Tarot, Part III §2: Ace of Wands (Waite, 1910) ↗
  2. The Pictorial Key to the Tarot, Part III §4: Some additional meanings of the Lesser Arcana ↗
  3. Rider–Waite–Smith Tarot, Ace of Wands, drawn by Pamela Colman Smith (Wikimedia Commons) ↗

続けて読む

魔術師:一方は天へ、一方は地へ。まず卓の上を数える ↗

ワンドの2:城壁の上で地球を掲げる。ウェイトは「結びつかない」二つの読みを書く ↗

逆位置を「悪い意味」に固定しないために ↗