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HEX-011 / 共通の方法

泰卦:通じることと、その中の転換

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泰卦:通じるなかに転換がある

泰は下が乾、上が坤で、陽爻三本の上に陰爻三本が重なります。卦辞「小さいものが去り大きいものが来る」、彖伝の内と外の対、九三「行ったきりのことはない」、上六「城が堀に戻る」を読みます。

要点を先に約6分で読めます

泰は陽爻三本を下に、陰爻三本を上に置き、彖伝も大象も「交わる」の字でこれを言います。原文は通じることを語りながら、接ぎ目に転換を埋めています。九三の「行ったきりのことはない」と、上六の「城が堀に戻る」です。

  • 泰は乾(天)の上に坤(地)を重ねる。彖伝は「天地が交わって万物が通じる」と言い、内と外を一対ずつ並べる。内は陽で外は陰、内は健で外は順、内は君子で外は小人。
  • 卦辞は「小さいものが去り、大きいものが来る。吉でうまく通じる」の短い一文。彖伝の対応では、小は陰爻、大は陽爻で、小が去るとは陰爻が外にあること、大が来るとは陽爻が内にあること。
  • 転換は真ん中にある。九三の小象は「天地の境目」と言い、陽三本と陰三本のあいだの接ぎ目を指す。上六では「城が堀に戻る」。
18秒で、下の陽三本と上の陰三本を見て、九三のある接ぎ目を確かめ、泰を読む三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

天が下、地が上:泰の形

泰は、下に乾(天)、上に坤(地)を置いた卦で、「乾下坤上」と読みます。六本の爻を下から数えると、前の三本が陽、後の三本が陰。陽が下、陰が上で、きれいに二つに分かれます。説卦伝が与える字は、乾が「健(力強い)」、坤が「順(従順)」です。

泰と錯卦の否を並べた図:左は下に陽爻三本(乾、天)、上に陰爻三本(坤、地)。右はその反対で、上に陽爻三本、下に陰爻三本。線は下から数える。元の図を開いて拡大する

泰と否:どの爻も陰陽を入れ替えると錯卦、上下を逆にすると綜卦で、二通りの変え方が同じ卦に着きます。

上卦:坤(地)陰爻三本・上に下卦:乾(天)陽爻三本・下に
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上卦:坤(地)陰爻三本・上に下卦:乾(天)陽爻三本・下に
泰は二層:上に坤(地)、下に乾(天)。天が下、地が上にある。

泰に繰り返し出る三つの語

交
大象も彖伝もこの字を使う。「天地が交わるのが泰」「天地が交わって万物が通じる」。泰は天を下に、地を上に置き、原文はその並びを「交」と呼ぶ。
往と来
卦辞の二つの動詞で、「去る」と「来る」。彖伝は「内は陽で外は陰」と応じる。陽爻は内卦、陰爻は外卦にあり、小は外へ去り、大は内へ来る。
内と外
下卦を内卦、上卦を外卦と呼ぶ。彖伝はこの順、先に内、次に外で、一対ずつ並べていく。

卦辞:小が去り大が来る、内と外の三対

泰の卦辞は「小さいものが去り、大きいものが来る。吉でうまく通じる」。彖伝はまずこれを繰り返し、そのあとで説明します。

泰とは、小さいものが去り、大きいものが来て、吉でうまく通じること。これは天地が交わって万物が通じ、上下が交わってその志が同じになることである。

彖伝・泰(訳)
内卦・乾陽健君子外卦・坤陰順小人彖伝:内は陽で外は陰、内は健で外は順、内は君子で外は小人
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内卦・乾陽健君子外卦・坤陰順小人彖伝:内は陽で外は陰、内は健で外は順、内は君子で外は小人
彖伝は内卦と外卦を一対ずつ並べる。陽と陰、健と順、君子と小人。

三対は同じ書式で、内が先、外があとです。陽に陰、健に順、君子に小人。並べ終えると、彖伝は一句にまとめます。「君子の道は伸び、小人の道は消える」。

大象:天地が交わる、君主は天地の道を裁き成す

泰の大象は「天地が交わるのが泰。君主はこれにならい、天地の道を裁ち整えて成し遂げ、天地のふさわしいあり方を助け、それによって民を導き助ける」。前半は卦の象で、後半の主語は「君主」。乾の大象の「君子」でも、比の「先王」でもありません。することは三つあり、鎖のようにつながります。

裁き成す天地の道助ける天地のふさわしさ導く民
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裁き成す天地の道助ける天地のふさわしさ導く民
泰の大象で君主がする三つのこと。天地の道を裁き成し、天地のふさわしいあり方を助け、民を導く。

原文の「財成」は「裁成」と読むのが普通で、裁ち整えて成就させること。「輔相」は助けること、「左右」は導き支えること、「宜」はそれぞれの場所にふさわしい姿です。三つの対象は大きいものから小さいものへ並びます。天地の道、天地のふさわしさ、民。

六つの爻:九三、通じることと戻ることの接ぎ目

泰の六つの爻辞は二つに分かれます。下の三本の陽爻は前へ進むこと、上の三本の陰爻は外に出たあとのことを書きます。境は九三と六四のあいだです。

内卦(乾)外卦(坤)天地の境目下卦:初九・九二・九三九三|六四上卦:六四・六五・上六
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内卦(乾)外卦(坤)天地の境目下卦:初九・九二・九三九三|六四上卦:六四・六五・上六
泰の六本は九三と六四のあいだで分かれる。下は内卦の乾、上は外卦の坤で、小象はこの境を「天地の境目」と呼ぶ。
爻位爻辞小象初九茅を群れごと抜く、進めば吉志が外にある九二荒れを包み、河を徒歩で渡る光り大きいから九三平らなままの道はなく、行ったきりはない天地の境目六四ひらひらと、隣と富まない皆、実質を失う六五帝乙が嫁がせる、福あり中にあって願いを行う上六城が堀に戻る命令が乱れる
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爻位爻辞小象初九茅を群れごと抜く、進めば吉志が外にある九二荒れを包み、河を徒歩で渡る光り大きいから九三平らなままの道はなく、行ったきりはない天地の境目六四ひらひらと、隣と富まない皆、実質を失う六五帝乙が嫁がせる、福あり中にあって願いを行う上六城が堀に戻る命令が乱れる
泰の六つの爻辞と小象:茅を抜く、荒れを包む、そして行ったきりのことはない。次に嫁がせること、最後に城が堀に戻ること。

初九は「茅を抜くと、根がつながって群れごと抜ける。進めば吉」。茅は一本ずつ抜けず、一度に束ごと抜けます。同類と一緒に進むことで、小象は「志が外にある」と言います。九二は「荒れたものも包み込み、河も徒歩で渡り、遠くのものも見捨てず、仲間うちの徒党は絶え、中庸の道に寄り添って支えを得る」。荒れを包むとは、遠く荒れたものまで包み込むことと読むのが普通で、小象は「光り大きいから」と評します。

六四は「ひらひらと舞い、富まずに隣と結び、戒めずに誠で向き合う」。ひらひらは飛び動く様子で、富で隣と結ばず、戒めの代わりに誠で向き合います。小象は二つに分けて評します。「皆、実質を失っている」「心の底からの願いだ」。六五は「帝乙が少女を嫁がせる。それによって福があり、大いに吉」。小象は「中にあって願いを行う」と言います。

上六は最後の爻辞です。「城壁が崩れて乾いた堀に戻る。軍を用いてはならない。町から命令が告げられる。正しくても惜しい」。城壁が崩れて堀に戻り、兵は用いず、命令は町から出ます。小象の評は短く、「その命令が乱れている」。

泰の隣の卦:否と帰妹

泰の錯卦と綜卦は同じ卦、否です。泰のどの爻も陰陽を入れ替えると否になり、泰を上下逆さにしても否になります。泰の互卦は帰妹で、中の四本を割り直してできる、下が兌、上が震の卦です。帰妹という名は、六五の「帝乙が少女を嫁がせる」にも出てきます。

綜卦:否123456乾・天坤・地互卦:帰妹123456震・雷兌・沢
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綜卦:否123456乾・天坤・地互卦:帰妹123456震・雷兌・沢
泰の綜卦の否と互卦の帰妹を並べる:否は泰を上下逆さにしたもの、帰妹は下が兌、上が震。

履んだのち、安らぐ。だから泰が続く。泰とは通じることである。

序卦伝(訳)

泰に与えられた字は「通」で、履の道を渡りきって初めて安らげる、という運びです。次に否が来る理由も同じところに書かれています。物は終わりまで通じてはいられない、と。通じることは果てしなく続けられません。雑卦伝はこの二つを一句に並べます。「否と泰は、互いに正反対の類」。

読んだあとの疑問

泰はなぜ「小が去り大が来る」で、「大が去り小が来る」ではないのですか。

この二つの順は泰と否に分かれています。泰の彖伝は内と外で説明します。陽爻は内卦、陰爻は外卦にあるので、小が去り大が来る。否の卦辞はその正反対です。去るを外へ、来るを内へと読めば、言葉が卦の形に重なります。

六五の「帝乙が少女を嫁がせる」はどういう意味ですか。

字面は、帝乙が少女を嫁がせること。続けて「福があり、大いに吉」と言い、小象は「中にあって願いを行う」と評します。面白いことに、泰の互卦はちょうど帰妹という名で、卦名と爻辞が同じ語を使っています。

九三の「平らなままの道はない」とはどういう意味ですか。

平らなだけの道はなく、行ったきりのこともない、という二つの句です。小象はこれを「天地の境目」とまとめます。通じることを名とする卦のなかで、この二句が全卦の転換点です。

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資料・出典

  1. 周易·泰(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗
  3. 杂卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

履卦:同じ「虎の尾を踏む」に、三つの結び ↗

否卦:「包む」から「傾ける」まで、閉塞の行き着く先を読む ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗