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HEX-004 / 共通の方法

蒙卦:一つの蒙、五つの向き合い方

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蒙卦:同じ蒙の字、五つの向き合い方

蒙は六十四卦の四番目で、下が坎、上が艮です。卦辞は問いと答えの決まりを立て、大象は「果行育徳」を言い、六つの爻辞のうち五つが「蒙」の字を、啓く・包む・困る・童・撃つの五通りで扱います。

要点を先に約6分で読めます

蒙卦の卦辞は問いと答えの決まりを立てます。尋ねる側が先に口を開き、最初の問いには答え、重ねて問えば答えない。六つの爻辞は、同じ一つの「蒙」の字の前に五つの異なる字を置きます。

  • 蒙は坎(水)の上に艮(山)を重ね、陽爻は九二と上九だけ。『説卦伝』は「坎は陥」「艮は止」と言い、『彖伝』は「山の下に険があり、険があって止まる」とまとめる。
  • 卦辞が定めるのは問い方の作法。問う側から求め、一度目には答えがあり、重ねれば答えはない。『彖伝』は蒙を、正しさを養うことに結びつける。
  • 六つの爻辞のうち五つが「蒙」の扱い方を言う。啓く・包む・困る・童・撃つ。六三だけは「蒙」の字がなく、「この女を娶ってはならない」と言う。
18秒で、蒙の二本の陽爻を見分け、「蒙」の前につく四つの動詞を並べ、蒙を読む三つの問いを持ち帰ります。

先に読む

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗

坎の上に艮:山の下に険があり、止まる

蒙は四番目の卦です。下卦が坎(水)、上卦が艮(山)。爻を下から数えると陰・陽・陰・陰・陰・陽で、陽爻は九二と上九の二本です。『説卦伝』は坎に「陥」、艮に「止」の一字を当て、『彖伝』はこれをつないで言います。「山の下に険があり、険があって止まる。これが蒙である。」険があり、その前で止まる、それが蒙です。

蒙とその錯卦の革:左は蒙で、下卦は坎(水)、上卦は艮(山)、六本は下から陰・陽・陰・陰・陰・陽。右は各爻の陰陽を入れ替えた革。元の図を開いて拡大する

蒙と錯卦の革:錯卦は六本すべての陰陽を入れ替えたものです。

下卦:坎陥水、大象では泉陽爻は真ん中上卦:艮止山陽爻は一番上
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下卦:坎陥水、大象では泉陽爻は真ん中上卦:艮止山陽爻は一番上
蒙の二つの三爻の卦:下卦の坎は陥で水、上卦の艮は止で山。

一つ前の屯は、震(動)が下、坎(険)が上で、「険のなかで動く」でした。蒙は動を止に替え、艮が上、坎が下で、険の前に止まります。どちらにも坎があり、一方は険のなかで動き、他方は険の前で止まるので、二つの卦は並べて読めます。

『序卦伝』は蒙をこう説明します。「蒙とは蒙(覆われて暗いこと)、物の幼い状態である」。蒙の字はもともと覆う意味があり、幼くて暗いことも表します。この二つの意味が、本文全体で生きています。

卦辞:私が童蒙を求めるのではなく、童蒙が私を求める

蒙の卦辞は、問いと答えの決まりを述べています。

通じる。私が幼く暗い者を求めるのではなく、幼く暗い者が私を求める。はじめて占えば告げる。二度三度と重ねるのは煩わせることで、煩わせれば告げない。貞しくあるのがよい。

卦辞・蒙(訳)

知る者が知らない者を探しに行くのではなく、知らない者が尋ねに来る。ここでいう「占う」は、蓍の茎を使って占問すること。最初の占問には告げ、重ねて問うのは煩わせることで、煩わせれば告げません。

私に求める彖伝:志が応じる来れば答えるはじめて占う彖伝:剛が中に重ねれば重ねて問う彖伝:蒙を煩わす
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私に求める彖伝:志が応じる来れば答えるはじめて占う彖伝:剛が中に重ねれば重ねて問う彖伝:蒙を煩わす
蒙の卦辞と『彖伝』の応答:幼い者が尋ねに来る、最初の占いには告げる、重ねて問えば蒙を煩わせる。

『彖伝』は一句ごとに答えています。「志が応じる」とは、尋ねる者と尋ねられる者が心を合わせること。「剛が中にあるから」の剛中は、剛の爻が中の位置にあること。蒙の二本の陽爻のうち、下卦の真ん中にあるのは九二です。「蒙を煩わす」とは、煩わされるのが蒙そのものだということ。最後に『彖伝』は「蒙によって正しさを養う、それが聖人の功」と結びます。

「占う」は占問ですから、これらの文は伝統的に二通りに読まれてきました。教えと学びの決まりとして、あるいは占いに問う決まりとして。本文はどちらにも通じ、上の説明はすべて字面と『彖伝』の言葉から来ています。

山の下の泉:大象

蒙の「象」は「山の下から泉が湧き出るのが蒙。君子はこれにならい、行いを果断にし、徳を育てる」です。山が上、その麓から水が湧き出ており、上卦の艮と下卦の坎に対応します。君子が得るのは「果行育徳」。果は果断、育は育てること。行いは果断に、徳は育てる、という意味です。

屯の大象雲と雷、屯君子は経綸する蒙の大象山の下に泉、蒙果行育徳する
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屯の大象雲と雷、屯君子は経綸する蒙の大象山の下に泉、蒙果行育徳する
隣り合う二つの卦の大象を並べる:屯は雲と雷で経綸、蒙は山の下の泉で果行育徳。

並べると、屯の「経綸」は絡んだ糸を整えることで、蒙の「果行育徳」は半分が行い、半分が育てることです。「養う」「育てる」の言葉は三か所に出てきます。『彖伝』の「蒙によって正しさを養う」、大象の「徳を育てる」、そして『序卦伝』の、幼いものは「養わずにはおけない」という文です。

一つの「蒙」、五つの向き合い方:啓く・包む・困る・童・撃つ

六つの爻辞のうち五つに「蒙」の字があり、その前にそれぞれ違う字が付きます。啓く、包む、困る、童、撃つ。六三だけにはこの字がありません。

爻位蒙への動作爻辞小象初六啓く蒙を啓く法を正す九二包む蒙を包む剛と柔が接す六三(蒙なし)女を娶るな行いが道理に沿わず六四困る蒙に困る独り実から遠い六五童童の蒙従順でへりくだる上九撃つ蒙を撃つ上下が従い合う
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爻位蒙への動作爻辞小象初六啓く蒙を啓く法を正す九二包む蒙を包む剛と柔が接す六三(蒙なし)女を娶るな行いが道理に沿わず六四困る蒙に困る独り実から遠い六五童童の蒙従順でへりくだる上九撃つ蒙を撃つ上下が従い合う
蒙の六つの爻辞:啓く・包む・困る・童・撃つが「蒙」の前につき、六三には蒙の字がない。

初六は「蒙を啓く。人に刑を科すのがよい。かせを外すのがよい。そのまま進めば悔いがある」。啓くとは覆いを取ること。「刑人」「桎梏」は刑罰の言葉で、「説」は「脱」に通じ、桎梏を外すことです。小象は「法を正すこと」と評します。

九二は「蒙を包みこむ、吉。妻を迎える、吉。子が家をよく治める」。包むとは抱えて包みこむこと、妻を迎えるとは家に入れること、家を治めるとは一家を支えられること。小象は「剛と柔が接する」と言います。

六三は「この女を娶ってはならない。金のある男を見て、自分を保てない。利になることはない」。「取」は「娶」に通じます。「金夫」は金持ちの男、「自分を保てない」はそのまま自分を律せないことと一般に読まれます。小象は「行いが道理に沿わない」とだけ言います。

六四は「蒙に困り果てる、悔いがある」。小象は「ひとり実から遠い」と言います。「実」と「虚」は対で、陽爻は実の線、陰爻は切れた線です。位置の数え方は爻位の記事で確かめられます。蒙の陽爻は二番目と最上にあり、四本の陰爻のうち六四だけが上下とも陰爻で、ほかの陰爻はどれも陽爻に接しています。

六五は「幼い者の蒙、吉」。小象は「従順で、へりくだっているから」と評します。上九は「蒙を撃つ。賊となるのはよくない。賊を防ぐのがよい」。小象は「上も下も従い合う」と言います。

屯・蒙・需:前後につながる三つの卦

『序卦伝』は「生まれたものは必ず蒙(幼く暗い)になる」と言い、産声を上げたばかりのものは暗くて幼いとして、屯の次に蒙を置きます。蒙のあとはこうです。「幼いものは養わずにはおけない。だから需が来る。需とは飲食の道である。」幼いものは養わなければならないので、次は飲食を扱う需になります。(十翼の各篇の役割は十翼の読み方にあります。)

屯物の始生必ず蒙蒙物の稚養わずには需飲食の道
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屯物の始生必ず蒙蒙物の稚養わずには需飲食の道
『序卦伝』の隣り合う三つの卦:屯は物の始生、蒙は物の稚、需は飲食の道。

蒙は屯の綜卦、つまり屯を上下逆さにした形です。蒙の上九は屯の初九が裏返ったもの、蒙の九二は屯の九五が裏返ったものにあたります。だから蒙の二本だけの陽爻は、屯の二本の陽爻の鏡像です。九二は「蒙を包む」、上九は「蒙を撃つ」。一方は包み、もう一方は撃ちます。

錯卦は革、互卦は復です。錯卦は六本の陰陽をすべて入れ替えたもの、互卦は真ん中の四本を組み直したものです。

蒙123456互卦:復123456
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蒙123456互卦:復123456
蒙の隣に互卦の復を置く:復は蒙の真ん中の四本を組み直したもので、震の上に坤が載る。

読んだあとの疑問

「はじめて占えば告げる、重ねるのは煩わせる」は、二度目は問えないという意味ですか。

字面は、最初の占いには告げ、重ねて問えば煩わせることになり、煩わせれば告げない、ということです。『彖伝』は煩わせることを「蒙を煩わせる」と説明するだけで、どう問い直すかには触れません。問い方についての原文の一言で、使い方まではそこに書かれていません。

「童蒙」は小さな子どものことですか。

二字は幼いことと暗いことを表し、合わせてまだ知らない者を指します。『序卦伝』が「物の幼い状態」と言い、範囲は生まれたばかりのものすべてに広がります。卦辞と六五の「童蒙、吉」は、同じ二字の句を使っています。

六三の「金のある男を見て、自分を保てない」は、どういう意味ですか。

「金夫」は金持ちの男、「自分を保てない」は自分を律せなくなることと読まれるのが一般的です。小象は「行いが道理に沿わない」と一言言うだけで、それ以上は述べません。したがって、これは伝統的な読みで、本文がはっきり定めた意味ではありません。

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資料・出典

  1. 周易·蒙(Wikisource 中文版:卦辞、爻辞、彖、象) ↗
  2. 说卦传(Wikisource 中文版):坎、陷也;艮、止也 ↗
  3. 序卦传(Wikisource 中文版) ↗

続けて読む

屯卦:同じ「馬に乗ってぐるぐる回る」句に、なぜ三つの結びがあるのか ↗

需卦:「郊に需つ」から「穴に入る」まで、待つ六つの場所 ↗

六十四卦:上下の卦の組み合わせと、卦名の調べ方 ↗

卦辞と爻辞:全体の言葉か、一本の線の言葉か ↗