噬嗑卦:口の中の物を咬み合わせる
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噬嗑は第二十一卦で、離が上、震が下。口の形の頤に陽爻が一本足されています。卦辞はわずか四字、爻辞では両端が刑具を着け、中の四本が柔らかい肉・古い肉・骨付きの干し肉・干し肉を咬みます。
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噬嗑の字面は咬み合わせること。彖伝はまず卦の形を読み、口の中に物がある姿だと言います。爻辞は足の刑具から肩の枷までを書き、その間の四本が咬みます。
- 噬嗑は離(火)が上、震(雷)が下で、口の形の頤に陽爻が第四位に一本加わった形。彖伝冒頭の「頤の中に物がある」はこの形のこと。噬は咬む、嗑は合わせる。
- 卦辞は「亨る。刑獄を扱うのによい」。彖伝は「動いて明らかで、雷と電が合わさる」と言い、大象は先王が罰を明らかにし法を整える、と書く。
- 爻辞では初九と上九が刑具を着け、中の四本が柔らかい肉・古い肉・骨付きの干し肉・干し肉を咬む。彖伝が「位は当たらない」と言う六五を、小象は「当を得ている」と評する。

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口の中に物がある:火と雷、口の形をした卦
噬嗑は第二十一卦で、下卦が震(雷)、上卦が離(火)です。陽爻は第一・第四・上の位、陰爻は第二・第三・第五の位にあります。説卦伝は「震は動く」「離は麗く」と言い、離は明るさでもあります。
まず最下と最上の二本の陽爻を見てください。その間に陰爻が並ぶのは頤の形で、開いた口のようです。二本の陽爻は上下の歯にあたります。噬嗑はその頤の第四位に陽爻が一本多い形で、口の中に物が入っています。
噬嗑と頤:頤は一つの口で、噬嗑はその第四位に陽爻が一本多い。
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卦名の三つの字
- 噬
- 咬むこと。爻辞は咬むものを一つずつ挙げる:柔らかい肉、古い肉、骨付きの干し肉、干し肉。
- 嗑
- 上下の歯を合わせること。口の中に物が挟まっていれば、咬み切ってはじめて口が閉じる。
- 頤
- 頬、つまり口。頤は第二十七卦で、両端の二本だけが陽爻、卦の形そのものが口になっている。
卦辞と彖伝:四字のあとに、まず卦の形
卦辞はごく短い言葉です。
亨る。刑獄を扱うのによい。
「獄」は事件と刑罰のことで、この卦はそうした事柄を扱うのによい、という意味です。四字はそれ以上説明せず、彖伝が卦の形と理由を補います。
頤の中に物がある。これを噬嗑という。咬み合わせて亨る。剛と柔が分かれ、動いて明らかで、雷と電が合わさって鮮やかになる。柔が中を得て上に行き、位は当たらないけれど、刑獄を扱うのによい。
彖伝はまず卦の形から名を付けます。「頤の中に物がある」から噬嗑で、咬み切れば通じるから「亨る」。「剛と柔が分かれ」は陽爻と陰爻が互いに離れて並ぶこと、「動いて明らか」は下の震が動き上の離が照らすこと、「雷と電が合わさる」は二つの象を重ねることで、最後の語は鮮やかに見えるという意味です。結びの一文は六五を見ます。六五は陰爻で上卦の真ん中にあるので「柔が中を得て上に行く」。しかし第五位は陽の位で、陰爻が座っているので「位は当たらない」。それでも「刑獄を扱うのによい」のです。
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大象:雷と電、先王は罰を明らかにし法を整える
大象は一行だけです。
雷と電が噬嗑。先王はこれにならい、刑罰を明らかにし、法を整えた。
この卦の大象は「何かの上に何か」とは言わず、いきなり「雷と電」です。主語は「先王」。「罰を明らかにする」は刑罰をはっきり示すこと、「法を整える」は法令を正すことです。雷は人を目覚めさせ、電は照らします。二つが合わさったところで、先王がするのは、罰を明らかにすることと、法を整えることの二つです。
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次の卦の賁の大象は、同じ種類の事柄について反対のことを言い、「あえて裁かない」と書きます。それはその記事に譲ります。
六つの爻辞:両端は枷、中は咬む
六つの爻辞のうち、初九と上九は何も咬まず、それぞれ刑具を着けています。咬むのは間の四本だけです。
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初九は「足かせをはめ、足の指が隠れる。咎なし」。「校」は木の刑具で、足にはめるので指が隠れます。小象は「歩けない」。上九は「枷を担ぎ、耳が隠れる。凶」。枷は肩に載り、耳までふさぎます。小象は「聴く力が明らかでない」。この卦で「隠れる」と書かれるのは三か所で、足の指は最下の爻、耳は最上の爻、鼻はその間の第二爻にあり、三つの部位がちょうど低い方から高い方へ並んでいます。
中の四本は、咬むものがそれぞれ違います。六二は柔らかい肉を咬み、深く咬み込んで鼻まで埋まります。小象は「剛に乗っている」で、この陰爻が初九の陽爻の上に乗っていることを指します。六三は古い干し肉を咬みます。通行本は「腊肉」と書き、「昔肉」とする本もあり、どちらも長く置いた干し肉と読まれます。結果は「毒に当たる」、小象は「位が当たらない」。九四は骨付きの干し肉を咬み、「金の矢を得る」。「困難の中で正しさを守るのがよく、吉」で、小象は「まだ明るくない」。六五は干し肉を咬み、「黄金を得る」。「正しさを守っても危ういが、咎はない」、小象は「当を得ている」です。
噬嗑の隣の卦:賁・井・蹇、そして序卦伝の「合」
噬嗑を上下逆にすると賁になるので、二つは互いの綜卦です。どちらも両端が陽爻で、噬嗑は余分な陽爻を第四位に、賁は第三位に置きます。陰陽をすべて入れ替えた錯卦は井、互卦は蹇です(導き方は六十四卦の構造に)。
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序卦伝は、噬嗑を観の後ろにつなぐのに、次のように書きます。
観ることがあって、そののちに合わせるものが生まれる。だから噬嗑が続く。嗑とは合わせることである。
観ることが先で、合わせることはその後。噬嗑の「合」は、歯が合わさることです。そのさらに後について、序卦伝は、合わせるだけで済ませてはならないから、飾りの賁が続くと説明します。
読んだあとの疑問
「噬嗑」の二字は、それぞれどういう意味ですか。
噬は咬むこと、嗑は上下の歯を合わせることです。口の中に物があって、咬み切ってはじめて口が閉じられます。序卦伝も「嗑」を「合」と説明しています。
「刑獄を扱うのによい」は、裁判に向く卦という意味ですか。
「獄」はここでは事件と刑罰のことです。卦辞が与えるのはこの数文字で、彖伝も「柔が中を得て上に行く」の後ろに置くだけで、掘り下げてはいません。この卦が論じる事柄の要約として読むもので、読む人への助言ではありません。
初九と上九はどちらも刑具を着けていますが、何が違いますか。
どちらの爻辞にも「校」の字があります。初九は足にはめて足の指を隠し、上九は肩に担いで耳まで隠します。位置が低いか高いかで重さも違い、評も「咎なし」と「凶」に分かれます。
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